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:: 2014/1/18 土曜日::

■[漫画]日常から戦争へ「乙嫁語り」6巻

乙嫁語り 6巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2014-01-14 )
コミック ( 194 ページ )

Kindle版:乙嫁語り (6) [Kindle]

今回はカルルクとアミルの夫婦に視点が戻っての話ですが、
微笑ましい夫婦喧嘩だけでなく、エイホン家が居を構える町が襲撃を受け、
殺し合いの戦争が始まってしまう物々しい展開が待ち受けてます。
でも、そういった殺伐とした事情もまた19世紀中央アジアの姿なのでしょう。

元々はアミルの実家であるハルガル家が地域の有力者ヌマジ一族へ出した嫁が死んだことより、
既得権益を奪われてことに端を発します。
アミルを呼び戻して替わりの嫁として出すつもりが町ぐるみで追い返されため、
次は遠縁のバダン一族と共謀してエイホン家の町へ襲撃することなったけど、
バダン一族の背後には同士討ちを狙うロシアの影が見えており、
何よりバダン一族は信用出来ないとアミルの兄・アゼルは考えており…

アゼル兄様カッコイイっすね!
父権が絶対な地域なので意見を出すくらいしか出来ないながらも、
地方部族の次期族長という立場ながら大局的に物事を見ることが出来るし、
戦争においても町の人間を無駄に殺さず、裏切ったバダンを的確に倒し、
アミルたちをも守る立ち回りはまるで英雄のようでした。
町の人間に囲まれた時も歯向かわず、なすがままで余計な言い訳もしないとか、
男らしい貫禄に満ちていてマジで格好良かったです。
惚れそう。

カルルクもその年にしては頑張ってる方でしたけど、
流石にアゼル兄様ほどの活躍はなかったかなー
代わりにアミルが大活躍だったのにはスッキリするものがありましたね。
カルルクのためなら父親にも歯向かう姿は嫁として、女としての強さを見た気持ちです。
というかカルルクのこと好きすぎでしょう、アミルってば。
カルルクの怪我を見て動転しまくるアミルが可愛すぎる。

結果的にロシアの思う通りになってるのが残念ですね。
当時の世相からしてこうならざるを得ないのは分かりますが…
うーん、スミスさんが町を出た理由が的中しちゃったのがなぁ…
次回はそのスミスさんサイドっぽいですが、
こういった展開を読んでしまったら焦燥感がありますのでハラハラしちゃいますね。
それでも乙嫁の魅力は描かれるはずなので楽しみでもあります。

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 Comments (4)

4 Comments »

  1.  この巻は不穏な一幕が現実に繋がってしまったという感じの内容でしたねぇ。コレで双方共に収まればよいのですが……。

     
    >アゼル兄様カッコイイっすね!

     私は個人的にジョルクさんの縁の下に惚れますわン。コッソリと街に忍び込んで、役目とは逆にアミル夫妻へ逃げろと伝え、それが叶わぬなら襲撃隊の装備を詳細に伝えると、これで突如、襲撃された村の混乱は治まりました。ちょっとひょうきんで格好いいですよジョルクさん!

     さて、作中に登場した、

    >「ロシア製か」
    >「連中、田舎者の癖にいい武器を作る」

     実際、ロシアという国はモンゴルの元によってウラジーミル大公国が陥落しキエフも落とされ一度、国が消滅しています。この元国の支配下に置かれた現象を「タタールの軛」と呼びますが、元が衰退して後に現代のロシアに繋がるロシアはこのときに誕生しました。14世紀頃のお話です。ですからロシアという国の歴史は厳密にいえば比較的、新しい訳ですな。
     それ以後のロシアに対しては「欧州東のド寒い辺境で西を伺う赤ら顔の異民族」という意識が大半でして、故に念願の不凍港、ウラジオストクを北京条約で清国から奪ったのも19世紀と遅い訳です。元々、西にしか目が向いていなかったので当然ですね。
     そんな訳でロシアは諸国からは田舎者扱いされておりました。現代とは打って変わってですな。

     さて、次巻はスミスさん視点に移るそうですが、また楽しみですね!

    Comment by Mya — 2014/1/20 月曜日 @ 5:46:18

  2. 確かにジョルクは良い仕事してましたよね。
    アゼルがだんまりになった時に口出しして自分たちの立ち位置を的確に説明してましたし。

    当時のロシアは田舎者扱いというのは納得ですけど、
    それを踏まえても当時のロシアの脅威を把握出来てないバダンたちこそが、
    本当の田舎者であるという、一種の皮肉を暗喩してるのかな、と思いました。

    Comment by フラン — 2014/1/20 月曜日 @ 13:43:10

  3. >本当の田舎者であるという、一種の皮肉を暗喩してるのかな、と思いました。

     延々と欧州を田舎と見なしていて、遂に清王朝時代にアヘン戦争で敗北した支那の大地の皆さんと構図は同じですな。

     
    >睡眠剤ってのも使いようだし、そもそもそういったものなんだなぁ、とちょっぴり勉強。

     この分類で行くと私は睡眠薬を一日に10種類、服用している事になりますね。私がかかっている心療内科の先生曰く、更に厳密に分類すると「睡眠導入剤と睡眠薬は別」らしいです。

     薬はですねー、恐いですねー。事に向精神薬はどんなに辛い気分でも服用するとあら不思議、スッキリ爽快な気分ですからねー。辛くても「薬を増やせば良いやー」と安易な気持ちで頼ってしまって、しかし感情を操作する薬というのは麻薬と紙一重の違いしか無く、いつの間にか依存症にというこわーい経験があります。睡眠薬も、強くすればする程に正常な睡眠状態を身体ではなく薬によって作り出す為に、身体が睡眠の機能を忘れてしまうと云う恐ろしさもあります。眠れないとあっという間に体力に来ますよ。

     保険の頓服薬はあると気分がかなり楽になります。私の場合は自殺用のやや強めな睡眠薬ですが……。お守りみたいに持ってます。

    Comment by Mya — 2014/1/24 金曜日 @ 13:30:47

  4. 闘争の終わりに。「乙嫁語り6」 森 薫

    乙嫁語り6巻は、全編を通じて激しい騎馬による領土争いがメインのお話です。これまでのように、中央アジアの生活の様子が描かれないのがちょっと残念ではありますが、迫力のある巻…

    Trackback by 日々の書付 — 2015/2/18 水曜日 @ 10:33:29

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