僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2016/9/5 月曜日::

■[漫画]スプーン一杯のNTR「夜にとろける」1巻

夜にとろける 1 (楽園コミックス)
著者/訳者:志摩時緒
出版社:白泉社( 2016-08-31 )

作者サイト:SCARECROW
作者twitter:志摩時緒(@shimaso)さん | Twitter

この一冊は3つのシリーズを収録した短編集風味の単行本です。
前作「あまあま」に出てきた高梨さんの妹の愛ちゃんが出る「制服の恋人」
初々しい学生カップルとその周囲の友達4人が織りなす「こいはやみ」
表題作にして同人誌から出発したJKと男子大学生の「夜にとろける」シリーズ
この3本が順番に収録されています。

ちょっとエッチなラブコメなのは前作と同様なのですが、
だからこそ心に来る展開があります。
具体的に言うと「夜にとろける」シリーズの「初恋未満」です。

純香ちゃんと新太の二人の視点ではなく、
純香ちゃんのクラスメイトの視点だからこそのNTR感が心に来るんだわ…
気になっていた、少し仲が良いと勝手に思っていたのに、
いつの間にか人のモノになっていた事実を知り、
頭が混乱して胸に去来する複雑な感情…

わかる… わかるわ… わかってしまうわ…
あの得も言われぬ感情がこれでもかというほどに紙面から伝わってくるんだよなぁ。
自分がのんびりしている間に大人の階段を登って行かれたという、
あの圧倒的な絶望感に心が押しつぶされそうな気持ち!
なんだろう、とてもわかってしまうわ…
いや、別に、私にそんな過去があったわけではないですよ?
でも、なんでかわかっちゃうんだよなぁ…

もちろん、純香ちゃんたちのラブラブカップルっぷりの甘さも素晴らしかったけど、
あの一つの短編があったがゆえに、全部NTRに見えるから不思議だよね。
これからもずっとNTRに見える呪いに掛かった気分だわ…

他の2つのシリーズも良いモノがありましたが、
私としては「夜にとろける」が一番のオススメですね。
NTR初心者に強くオススメしたいです。
読んで、そして一緒に絶望しよう!

:: 2016/4/29 金曜日::

■[漫画]うめてんてーの楽園「微熱空間」1巻

微熱空間 1 (楽園コミックス)
著者/訳者:蒼樹 うめ
出版社:白泉社( 2016-04-28 )

作者サイト:a p r i c o t +
作者twitter:aokiume(@umeaoki)さん | Twitter

「ひだまりスケッチ」「魔法少女まどか☆マギカ」
日本の漫画、アニメ業界に燦然と輝くビッグタイトル。
その作者orキャラデザ担当にして個展「蒼樹うめ展」も開かれるほどに人気の蒼樹うめてんてーの新作!
それがこの「微熱空間」になります。

中ノ瀬亜麻音赤瀬川直耶は親の再婚で姉弟になったばかり二人。

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お互い姉と弟に幻想を抱いていたのに、
実際に会ってみると誕生日も3日違いな同い年の高校2年生。
年頃の男女が一つ屋根の下で住むことになって、
はたして二人は何事もなく姉弟になれるのか…!?

連載誌が恋愛系コミックの楽園ということもあり、
いやが上にもラブコメ展開に期待が高まってきますね!
うめてんてーはどうしても「ひだまりスケッチ」のゆるふわな印象が強いですが、
元々同人誌では百合を含めて恋愛漫画を多く描いてこられた方なので、
むしろこの「微熱空間」こそ本領発揮と言えましょう!

先ほど百合と言いましたがこの「微熱空間」にも百合要員が居ますよ!
それが亜麻音と同じお嬢様高校に通う親友の九条郁乃ちゃん。

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亜麻音と直耶はまだまだ恋というには微熱状態なんですが、
郁乃ちゃんは亜麻音と同じ女だからこその距離感と、
同じ女だからこそ縮まることがない二人の関係に気付いて思い悩むところを見る限り、
三人の中で一番恋しているんじゃないかな、と思います。

亜麻音はまだ初恋もまだなんじゃないかと思う初心さと、
女子校育ちだからなのか無防備な一面を併せ持っているので、
主に直耶ばかりが意識しているのを見ると、
頑張れ男子高校生と思ってしまいますね。(笑
亜麻音の無自覚な言動に振り回されて大変だろうけど、
正直羨ましくて仕方がないよね!

二人の関係はこのまま微熱のままなのか、
はたまた意外と姉弟になってしまうのか?
1巻なのでまだまだ序盤なだけに続きが気になって仕方がないですね!

ちなみに巻頭にはうめてんてーのカラーイラストが完全収録されていますし、
カバー下もカラーな上に描き下ろしカラーピンナップと見比べるとニヤニヤ度が倍増ですよ!
こういった装丁の楽しさは紙の書籍ならではなので、
できれば紙で手に取って楽しんで欲しい一冊ですね!

:: 2015/9/8 火曜日::

■[漫画]彼女はクールビューティー「あまあま」4巻

あまあま4
著者/訳者:志摩時緒
出版社:白泉社( 2015-08-31 )
作者サイト:SCARECROW
作者twitter:志摩時緒(@shimaso)さん | Twitter
Kindle版:あまあま (1)
Kindle版:あまあま (2)
Kindle版:あまあま (3)

彼女の名前は原美咲、そして彼氏の名前は宮本祐司。
ごく普通のふたりはごく普通の恋をし、ごく普通の交際をしました。
でもただひとつ違っていたのは彼女はお付き合いを周りにひた隠しにしたのです。
これは彼女がお付き合いを周りに知られるまでの物語です。

3巻に引き続きちょっぴり┌(┌^o^)┐ホモォ…なありますが、
基本的に健全な男女のお付き合いを描いた作品なのでご安心下さい。

あ、ちょっと嘘つきました。
若干健全じゃないですね。

amaama04_01

そういえば第一話から事後だったもんなぁ…
それにしてもこの二人はヤリすぎじゃなかろうか。
ゴム代だけでも高校生の財布には厳しい気がしたりしなかったり。

この4巻は最終巻ということで美咲が成長している姿が描かれてます。
神崎さんという秘密を知っている友達が出来たという後押しもあったのでしょうが、
それでもラブレターへのお断りに付き合ってる人がいる、
と言えたのは成長したんじゃないかな、と思います。

とはいえ、美咲以上に祐司が成長しているというか。
いや、祐司は初めから格好良かったかも。
自然体で美咲と付き合えているところとかもそうだけど、
こういうことをサラっと言えるところが格好良いんですよね。

amaama04_02

そりゃ美咲も好きになるわ。
描き下ろしで二人が付き合い始めたエピソードが描かれてますが、
そこでもストレートに好きだと言えてたりするし、
やっぱり祐司は凄いわ。

そして神崎さんの妹の愛ちゃんのラブコメですが、
こちらも良かったですね。
好きな人に「好き」って言われた愛ちゃんの表情がことさらに可愛いかったです。

既にWeb増刊でも新シリーズが始まってますし、
同人誌でも色々と短編を描かれてますので志摩時緒さんの今後の活動も楽しみです。

:: 2015/8/18 火曜日::

■[漫画]だんじょの愛「花はニセモノ」

花はニセモノ
著者/訳者:仙石寛子
出版社:白泉社( 2015-07-31 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

朝起きたら女の子になっていた…

仙石寛子さんの単行本2冊同時発売の1冊目は、
性転換モノでは割りとよくある出だしで始まりますが、
その女の子になっていた歩ちゃんが同性愛者だったという点が異なります。

お賽銭に500円を入れて愛する人と一緒にいられるように願ったら、
世間に受け入れやすいように神様が片方を女の子にしてくれたんだけど、
ゲイな森くんは思わず「なんで女になっちゃうんだ」と言ってしまい、
二人の仲は途端にギクシャクしてしまうことに。

神様のおかげで世間的には普通のカップルになったんだけど、
ゲイな森くんにとっては難しいことに。
しかし歩ちゃんにとっては自分は変わらないのに、
森くんに距離を取られるとやるせない気持ちになる…
非常に複雑であり、めんどくさい物語です。

仙石寛子は昔からBLモノを描きたいとは仰ってましたが、
まさかそこに性転換ネタをぶっ込んでくるとは…
ある意味よりニッチなジャンルになった気もしますが、
かなり斬新で味わい深い作品になっていると思います。
うーん、実に良い…

■[漫画]きょうだいの愛「あなただけ宝石」

あなただけ宝石
著者/訳者:仙石寛子
出版社:白泉社( 2015-07-31 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

仙石寛子さんの単行本2冊同時発売の2冊目。
こちらは実の姉弟モノである「あなただけ宝石」の他、
兄弟モノだったり姉妹モノだったりと、
きょうだい関係の短編や百合モノの短編が収録されています。

表題作の「あなただけ宝石」ですが、
これが仙石寛子さんの真骨頂そのものの内容で、
無自覚に弟を愛する姉と、
自覚した姉を愛する弟という、
非常にインモラルな内容になっています。

二人の気持ちは言葉よりも先に、
二人の表情と仕草で伝わってくるんだよなぁ。
お互いの気持ちの切なさとかが読んでて伝わってきて心がきしむんですよ。
あぁ、これこそが仙石寛子さんの漫画の面白さだ…!

とはいえ、それ以外の短編は百合モノも含めて甘いモノが多く、
読んでいると非常に甘ったるいモノがあります。
まぁ、百合モノがあったと思えば兄弟BLっぽいものがあったりと、
何とも複雑な味わいを見せてくれるのが何とも面白いです。

:: 2015/5/30 土曜日::

■[漫画]それはプリンのような…「お尻触りたがる人なんなの」

お尻触りたがる人なんなの (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:位置原光Z
出版社:白泉社( 2015-05-29 )
作者twitter:位置原光Z(@ichiharZ)さん | Twitter

アナーキー・イン・ザ・JK」の位置原光Zさんの新作がこの「お尻触りたがる人なんなの」です。
なんとも変態的なタイトルで大層アレですが、
実際そういったタイトルの漫画も収録されているのです。
いやはや、大概アレですね。

収録作品は楽園本誌とweb増刊で書かれた短編ですが、
どれも思春期をこじらせたような内容ばかりで凄く面白いのです。
下ネタばかりなんだけどエロ描写はないという、
倒錯的であり変態的なキラメキが散りばめられているのです!

言葉だけじゃ伝えられないと思うので、
どんな感じなのか具体的に言うとこんな感じです。

oshiri01_01

短編によっては1ページとかのもありますけど、
面白さのベクトルはどれも一緒です。
それでいて違った面白さが内包されているのが凄いと思うの。

収録作の多くはWeb増刊からの収録ですが過去作は殆ど読めなくて、
現時点で読めるのは「ゴーヤ」だけですね。
これ単体だけでも位置原光Zさんの漫画の面白さは判ると思うので、
未読の人は是非読んで欲しいです。

あと余談なんですが、表紙に出てる「赤ちゃんはどこからくるの」のヒロインですが、
このエアインテークのある髪型と、隆一とまゆという他のキャラ名から考えて、
どう考えてもKanonからインスパイアされていますよね。
位置原光ZさんのKanon好きは本物だなぁ…(笑

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