僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2014/12/4 木曜日::

■[漫画]二宮ひかる、珠玉の短編集「さ迷える心臓」

さ迷える心臓 二宮ひかる作品集2 (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:二宮 ひかる
出版社:白泉社( 2014-11-28 )

二宮ひかるさんが楽園に掲載していた短編が単行本化されました。
二宮ひかるさんはご存知の通り短編漫画が得意なので、
まさか一話の中に短編を複数入れてくるとは。
しかもそれで面白いのが凄い。
あの中では泣くスポーツが印象的で好きですね。
別れ話をああいった視点で描かれると驚きます。

他の短編だとエロ漫画家の母親を持つ娘とか、
ダメ男製造機な女性だとか色々ありますが、
事後に「ごめんなさい」からの「お付き合いして下さい」流れの短編が好きです。
かつてのローリング土下座からの「やらして下さい」を思い出します。(笑

姉弟モノはそれぞれの視点で描かれることによって、
印象がガラリと変わる作品でしたね。
でもそこが二宮ひかるさんの作品らしいと思います。
あのねっとりとした読後感がたまらない。

そういえば今月も二宮ひかるさんの単行本が出ます。
芳文社からなんですが「神崎くんは独身」という作品です。
こちらも二宮ひかるファンとしては押さえたい作品ですね。

:: 2014/12/3 水曜日::

■[漫画]この漫画が好きだ!「夜をとめないで」

夜をとめないで (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:ハルミチヒロ
出版社:白泉社( 2014-11-28 )
作者サイト:Harumichihiro INFO

ハルミチヒロさんは「かむかむバニラ!」で知って以来、
他にもちょいエロ系漫画とかには手を出してたんですが、
まさか楽園で恋愛モノを描かれるようになるとは思いませんでした。
そして、それ以上にこんなに面白い漫画を描かれるとは思いませんでした。

シリーズモノではなく短編集という形になっており、
どの短編も非常に個性が強い内容になっています。
普通の男女モノの「夜をとめないで」や百合の「はかなごと」、
中には幽霊になった彼氏と彼女の恋愛モノの「たゆた」まで、
バラエティーが豊かな短編が色鮮やかに花開いています。

そんな数ある短編の中でも私が特に気に入っているのが、
トラウマ引き摺る男と強くて前向き女子の「シャンプーリンスコンディショナー」です。

彼女の浮気現場に遭遇して残酷なまでにフラレて以来、
彼女が使っていたシャンプーの香りがトラウマになった佐々木さん(38)。
ある日会社の飲み会で酷く酔っ払って、
彼女と同じシャンプーの名取あやさんに迷惑を掛けてビンタされた所から物語が動くんですが…
もうね、何か判らないんだけど、この話が好きなんですよ。
大好きなんですよ。

別れた女のことがトラウマになってウジウジする佐々木さんは、
読んでいて痛快な主人公ではないし、共感出来る所は少ないです。
でも、アラフォーで手痛くフラれてしまい臆病になる心の繊細さは分かるんです。
傷つきやすい男の人ってのはどこにでもいるもんですし、
そこが妙にリアルに感じられるんですよ。

そしてヒロインである名取あやさん。
これがね、実に良いんですよ。
酔っ払いに抱きつかれてビンタする強気なトコも良いし、
シャンプーの匂いが気になるならと、匂いに慣れましょう、と前向きなトコも良いし、
佐々木さんに慣れるのを断念したと告げられた時の表情も良い。
もうね、何がどう私の琴線に触れたのかわからないんですが、とにかく良いんですよ!
少なくとも私はこの名取さんのことが凄く好きになりました。
何度も何度も読み返すくらいに。

名取さんは全体的に引っ張ってくれる系の女の子なんですよ。
壁ドンも自分でやっちゃう系女子ですよ。
今の時代だとこういった女の子も有りだと思いますし、
何より佐々木さんには合ってると思うんですよね。
ただ、佐々木さんは間違いなくEDになっていると思うので、
そっちの方でも苦労しそうですが、名取さんなら何とかしてくれると思います。

もちろん、他の短編も面白いです。
ですが、私はやっぱり「シャンプーリンスコンディショナー」が凄く好きなので、
是非ともこの短編を読んで欲しいです。
恐らく私は今後、何度となくこの話を読み返すことになると思います。
それくらい好きです。

:: 2014/5/31 土曜日::

■[漫画]恋にとろける笑顔、見てみませんか?「あまあま」3巻

あまあま3 (楽園コミックス)
著者/訳者:志摩 時緒
出版社:白泉社( 2014-05-30 )
作者サイト:SCARECROW
作者twitter:志摩時緒 (shimaso)さんはTwitterを使っています

Kindle版:あまあま (1)
Kindle版:あまあま (2)

クールビューティーな原美咲と眼鏡男子の宮本祐司。
二人は中学生の頃から付き合っているんだけど、
恋とかが恥ずかしい美咲のために二人の関係は秘密。
でも、友達の神崎さんと高梨くんのカップルには話すことにしたんだけど…

序盤から中盤にかけての文化祭実行委員を二人でやる青春っぷりやら、
中間考査の復習を二人でやるとかリア充すぎですが、それはそれで良かったんですよ!
特に美咲の女教師っぷりは凄い萌えましたよ!

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良いよね…、こんな先生が居たら最高だよね…
しかもペーパーテストだけじゃなくて性教育も実地でやってくれるんだぜ…
もうホントリア充爆発しろって感じだよね…!

でも、後半からの修学旅行編からの内容にそういった印象が吹っ飛んだというか。
まぁ、ぶっちゃけ高梨くんのアレっぷりに頭がこんがらがってしまったというか。

リア充爆発しろ的なイチャラブ漫画を読んでいたと思ったら、
いつのまにか┌(┌^o^)┐ホモォ…な漫画になっていた…

な… 何を言ってるのかわからねーと思うが、
私も何を読んでいたのかさっぱり判らなくなったよ…!
どういうことなの…(笑

ちなみにメインの二組の話に挟まる形で、
神崎さんの妹のラブコメ話も入ってきているんですが、これがまた良いんです!
美人でクラスの男子には人気があるんだけど、
興味が無い相手だととことん冷たくなれる性格な愛ちゃん。

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しかし何ということでしょう!
恋する相手にはとろけるような笑顔を見せてくれるのです!

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中学二年生でコレとか、女の子ってのは恐ろしいものです。
彼女の今後の展開にも期待大ですね!
高梨くんの将来も心配ですけどね!(笑

:: 2014/4/25 金曜日::

■[漫画]楽園に咲く斑な花「Spotted Flower」1巻

Spotted Flower 1 (楽園コミックス)
著者/訳者:木尾 士目
出版社:白泉社( 2014-04-25 )
コミック ( 122 ページ )

恋愛漫画の結晶「楽園」で「げんしけん」で有名な木尾士目さんが描く恋愛モノ!
ヘタレな社会人オタクな旦那と気が強い一般人妊婦の赤裸々な日々を描いた、
ちょっぴり変わったエロゲのファンディスク的テイストな一作です!

いや、うん、まぁ、ぶっちゃけて言うとね。
これ、どう見ても「げんしけん」の斑目晴信と春日部咲の二人を意識せざるをえないよね!

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むしろ意識するようにわざとそう仕向けてるよね!?

メガネでエロゲオタクで気弱でヘタレで朴念仁な旦那さんは回を追うごとに斑目っぽい髪型になるし、
英会話が出来て女子校出身で祖母が名付け親で一般人な妊婦さんはコスプレに拒否反応あるし、
二人は元オタサークルでそこに元カレが居るし後輩に腐女子がいるし、
更には妊婦さんの友人にコスプレ好きの巨乳さんが居るわけですよ!
何よりタイトルがSpotted Flowerですよ! 斑な花ってそれもうアレじゃん!?
「げんしけん 二代目」で斑目は咲に振られた訳だけど「そんな未来もあったかもね」と言ってましたしね!
これはもう空気を読んでそういうものだと理解して読んで良いんじゃないかな!

さて、それはともかくこの作品のメインは、
妊娠してからエロいことをしてこなくなった旦那さん相手に妊婦の嫁さんが奮闘するという漫画です。
こう言っては何だけど旦那さんの気持ち分かるわー
いや、妊婦さんに性欲があるのも判るんだけど、嫁さんと子供の身体が心配でならないじゃないですか!
しかも初産だから色々と気を遣ってしまうのも仕方ないじゃないですか!
雪の回とかそういうトコがビシっと出ていてちょっと格好いいなとか思いましたが、
まるでビッグサイトで見たことがあるようなコケ方で骨折してたオチには笑いました。(笑

「げんしけん」の二人っぽい細かなエッセンスを楽しむもよし、
旦那さんが出してくるオタネタの数々に笑うもよしな内容です。
個人的には縞パン回と妊婦さんのおばあちゃんのディープでクリティカルなオタネタのラッシュが最高でした!
描き下ろしネタでのフォローも万全で、おばあちゃんマジでただ者じゃないな!

年3回発行の「楽園」で数ページしか連載していないので次の2巻がいつになるか判りませんが、
気長に2巻を待ちたい所であります。
1巻が出るのに3年以上掛かったから次は2017年くらいかな…?(笑
待ちきれない人は「楽園」を読もう!
今発売している14号はこの単行本の続きが載ってるしうめてんてーの新連載もあるよ!

楽園 Le Paradis 第14号
楽園 Le Paradis 第14号

posted with amazlet at 14.04.26
中村 明日美子 シギサワ カヤ 木尾 士目 水谷 フーカ ハルミ チヒロ 宇仁田 ゆみ 沙村 広明 かずま こを 二宮 ひかる 蒼樹 うめ
白泉社
:: 2014/3/27 木曜日::

■[漫画]沙村広明濃縮還元100%「幻想ギネコクラシー」

幻想ギネコクラシー 1 (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:沙村 広明
出版社:白泉社( 2014-03-26 )
コミック ( 148 ページ )

沙村広明さんが「無限の住人」「ハルシオン・ランチ」以外を出すのは久しぶりで、
確か「シスタージェネレーター」以来なので4年半振りになるでしょうか。
今回は「楽園」に掲載されていた作品の単行本化なので、
多少毛色は違っていますが、それでも間違いなく沙村広明さんの漫画でした。

濃厚でありながら清冽。
狂気がありながら秀逸。
そんな沙村広明さんらしい内容の短編ばかりで、
笑わされたり、頭がクルッポーになったり、内臓をヤスリでこすられているように感じたり、
まぁ、ホント色々な内容でした。
どんな内容だったかを軽く説明すると…

■「鳳梨娘」
あのグロテスクなアレを描く筆力が凄い。
というかこの発想はもう完全にクレイジーすぎる。

■「かまくりあん」
人造人間カマクリアンとか、字面だけ見るとエヴァっぽいよね。(ぉ
それにしても「鳳梨娘」といい、沙村広明さんは膨張女子が好きなのか…

■「楽園からのハッピーバースデー」
ティターニアー!
この単行本で一番笑った。(笑

■「筒井筒」
オチが古典SFに繋がるとは思いもよらなかったんじゃぜ…
あと、単行本で読み返して名前がクトゥルフなんだとやっと気付いた。

■「コップと泥棒、その妻と愛人」
たぶん今回一番わけが判らなかった。

■「新世紀ゴッドスレイヤー」
非モテをキレさせると怖い。
何故「からくりサーカス」でそれを学ばなかったのか。

■「青い珊瑚礁2011」
青春と海月。
そして情け容赦ないオチ。(笑

■「オムレツの思い出」
甘酢っまい青春模様だと思った?
残念! 沙村広明だよ!

■「惑星ソラリッサ」
もし子供があのまま出来たらどうなったのかが気になるところです。
衛星?

■「健啖家・最後の晩餐」
何故フードバトルに行ったのか。
この脈絡のなさが凄い。

■「殺し屋リジィの追憶」
津軽弁を欄外で翻訳するというネタがこれほど面白いとは。
青森の人には申し訳ないけど笑いました。

■「イヴァン・ゴーリエ」
谷崎潤一郎『刺青』が元ネタのブラッドハーレー的な内容でした。
確か沙村広明さんがデビューしたキッカケも『刺青』の漫画化だったような。
つまりこの作品は原点に帰ったと言えるかと。

あとがきで書かれていた通り

・時事ネタの禁止
・メタ表現の禁止
・パロディをやる場合は元ネタは古典のみ

の三要素で書かれていて実際面白かったですが、
老若男女に受けるかというとちょっと疑問かもしれません。
いや、私は面白かったんですけどね!(笑

:: 2014/2/20 木曜日::

■[漫画]姉×弟、少年→少年←少女「夜毎の指先/真昼の果て」

夜毎の指先/真昼の果て
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:白泉社( 2014-01-31 )
コミック ( 154 ページ )
作者サイト:空豆人間

他社の単行本のカバー下漫画でひたすら「BL描きたい」と書いていた仙石寛子さんですが、
念願のBLネタを投入した漫画がこの「夜毎の指先/真昼の果て」になります。

もっともBLネタとはいえ、ガッツリとしたものではないので男性読者にも安心です。
ある日幼馴染みの少女・律に告白されて付き合い始めたと思ったら、
その報告をした幼馴染みの少年・秋彦にも告白されてしまい文貴は戸惑うんだけど…
というのが前半の「夜毎の指先」です。

もうねー、ホントもどかしいというか、モヤモヤするというか!
文貴が精神的にまだ幼さを残しているからこそ、
ここまでグダグダになっているんだろうけど、ホントね…
しかも終わり方が相変わらず後味を残すんですよね。
何だろう、メロン食べた時のソレに似てる気がする。

そして恒例の姉と弟の「真昼の果て」ですが…
これはもう、姉に翻弄されまくりですね。
姉の言葉に、姉の指先に、一々反応しちゃう気苦労が忍ばれますよ。
何だろうなぁ、これはもうハッピーエンドが思い浮かばないんですよ。
もちろん倫理的に考えてハッピーエンドはあり得ないんですけど、
それとは別次元な意味でハッピーエンドの想像が付かないというか。
下手すりゃ姉と死に別れるのが一番マシなんじゃないかとすら思えました。
いや、うん、すみません。

そしてラスト1つも人妻と女性の先輩というインモラルなものでしたね。
こんなに透き通った絵柄なのに倒錯した関係性ばかりなのが如何にも仙石寛子さんでした。

それはそうと4コマ作品だからと大きめの判型だと思ってたので、
単行本を見付けるのに苦労しました。
結局Amazonで頼んだんですが…
まさか普通の青年誌サイズだったとは…
不覚…!

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