僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2012/5/28 月曜日::

■[漫画]かつて恋した私の気持ち「忘れられない」

忘れられない (マーガレットコミックス)
著者/訳者:谷川 史子
出版社:集英社( 2012-05-25 )
コミック ( 184 ページ )

少女漫画が苦手な私がほぼ唯一追いかけている少女漫画家、谷川史子さんの新刊が発売されました。
表題作である「忘れられない」前後編と「つまさきで踊る」「エンドレスマーチ」「春の前日」「告白物語」
と5本の作品が収録されていますが「告白物語」は1Pの近況漫画みたいなものなので、
恋愛漫画としては実質4作品といったところでしょうか。

「忘れられない」はその名の通りの作品で、忘れられない恋心の話。
毎年一日だけ奈良に旅行している母が数日帰ってこないことに不安になった智花が、
元カレの暁にその話をして、という導入から入る物語なんですが…
若さ故に失敗した智花の恋の話よりも母親の智子さんの話がじんわり来たなぁ。
母になる前にあった人生、というコンセプトはもちろんのこと、
智子さんの今までの人生を思うとそれだけでこみ上げてくるものがあります。
そしてそんな智子さんを心配しつつも信用して待ち続ける旦那さんにもほっこりしたりも。

「エンドレスマーチ」の杏とお祖父ちゃんの話でもそうでしたが、
家族との関わりに感じ入ってしまうのは、
何というかそういう年齢なのかなぁ、と思わされます…
お祖父ちゃんを淋しそうにさせてしまった自責の念を持ち続ける杏と、
そんな杏を心配していたお祖父ちゃんのフトコロの大きさにほっこりさせられましたね。
もちろん、それを結びつけた恋の予兆的な出逢いにも満足させられましたが。

また、29歳イケメンで今まで恋を知らなかった敏腕編集の青年が、
恋に堕ちてしまう「つまさきで踊る」や、たった数ページながら、
遅すぎる恋の自覚を描き切なくさせる「春の前日」も本当に良くて、
これでこそ谷川史子さんの作品は病み付きになるんだよなぁ、と思わされる逸品ばかりでした。
いやはや、やっぱり谷川史子さんの作品は素晴らしいです。

:: 2011/9/2 金曜日::

■[漫画]ごきげんよう、恋するお嬢様がた「清々と」2巻

清々と 2巻 (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:谷川 史子
出版社:少年画報社( 2011-08-29 )
コミック ( ページ )

少女漫画家の大家と言って過言ではない谷川史子さんによる、
読者層がほぼ男性で、年齢も20~40代だと思われるOURsでの連載は、
りぼんに載っててもおかしくない少女漫画をしてるんですが、
これが不思議とOURsにマッチしているんですよね。

名門女子高・鈴蘭女学院に入学した割りと平凡な庶民の田中清とその周りの恋物語。
かつてマリみてが男性向けに一世を風靡したことがありましたが、
「ごきげんよう」と自然に出てくるお嬢様って憧れがあるんですよねぇ…
2巻の1話目は清の弟の潔が主人公だからその気持ちに非常にシンクロしてしまいます。

社交ダンスが好きな親しいお友達のくるみちゃんは大好きなパパとの仲直りを。
清と同じく外部生で怖いという噂のある平泉さんは彼氏との恋心を。
茶道の家元で許嫁がいる千香子ちゃんは17年間育んだ「好き」という気持ちを。

可愛くて強い女の子たちが誰もがきらめいて魅力に溢れてるんですよねぇ。
そこに純朴な清が上手く話を回してるのがまた面白いです。

それと、帯の裏表紙に「30代男性から谷川先生に頂いた質問より…」というのがあるんですが、

Q.実際に女性と付き合うより、谷川先生のマンガを読んでいる方がいいんですが(30代男性)
A.そんな気持ちを吹き飛ばす方ができても、私のまんがもどうか好いていてください。(谷川)

やばい、何かキュンと来ちゃった…!
あー、私も恋したいなー

:: 2011/5/15 日曜日::

■[漫画]恋は異なもの味なもの「おひとり様物語」3巻

おひとり様物語 (3) (ワイドKC キス)
著者/訳者:谷川 史子
出版社:講談社( 2011-05-13 )
コミック ( 146 ページ )

私は男兄弟で育ったせいで少女漫画というものが幼少期に周りになくて、
初めてまともに読んだ少女漫画がレイアースという次第でして、極端に少女漫画耐性が低いのです。
そういう訳で女性がハーレム漫画を読んで「こんな女の子いるわけないよw」と思う程度には、
少女漫画のイケメンに対して拒否反応が起こるわけで、どうしても少女漫画に食指が伸びないんですよねー
チョイ悪なイケメン君に言い寄られて堅物な彼女がメロメロに…
という展開を読んだら床に叩きつけたくなる程度には拒否反応が起こります。

そんな私でも全然OKな「男性でも読める少女漫画」を描くことで有名な谷川史子さんですが、
まさか男性を主人公に「おひとり様物語」を描くとは思いもよりませんでした。
うーん、もしかして思っている以上に男性読者がいるということなのでしょうか。
いやまぁ、実際読んでる人結構いるっぽいしなぁ。

個人的には一番初めの33才の三ノ輪さんが年齢的に近いということもありぐっと来たなぁ。
一回りも下の彼女持ちの男の子にいつの間にか恋しちゃってるのが良い。
年の差とか、アラサーなのに中学生みたいな恋だとか、自分でキモいと思ってる事とか、
そういったトコひっくるめて何か良いんですよね。
あー、私もモテたいことはモテたいけど、それよりもずっと恋したいなぁ。
恋するってのは大変だけど、凄いんだよね、うん。

他にも恋だったり、母子家庭で一人暮らしを始めようとする女性だったり、
色んなおひとり様が居て、共感できたりしんみりしたり、色々と感じることが出来るものばかりです。
気のせいか編集業の人が多いような気がしますが、そこら辺はご愛敬といいましょうか。(笑

いやはやそれにしましても…
私もそろそろおひとり様を卒業したい気もする今日この頃ですが、まだまだ無理っぽいです。

:: 2011/3/20 日曜日::

■[漫画]恋とか幼なじみとか家族とか「吐息と稲妻」

吐息と稲妻 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
著者/訳者:谷川 史子
出版社:集英社( 2011-03-15 )
コミック ( 216 ページ )

谷川史子さんの単行本2冊同時発売の少女漫画サイド「吐息と稲妻」
ちょっとファンタジックな要素も交えながら、
少女の淡くて切ない恋心だとか、素直になれない家族への想いだとか、
そういった様々なものを描いた短編集です。

流石に谷川史子さんだけあって、どれも面白いんですよね。
主に思春期の少女たちの恋心をメインに描いてるんですけど、
その大半が綺麗に結ばれるという訳でもなく、失恋だったりもするんですが、
だからこそ、胸を締め付けられるような恋の素晴らしさが描かれてるんですよね。

特に幼なじみの男の子のことを想いながらも、
その男の子から恋の相談を受けて、想いを告げられないもどかしさを描いた、
「雪の女王」なんて最後の少女の想いまで含めて凄くジーンと来るんですよね。
あぁ、これでこそ谷川史子さんの少女漫画だなぁ。

その他の短編もどれも面白くて面白くて、凄いんですよ。
少女漫画だけど、男性でも間違いなく楽しめるので、
少女漫画に耐性のない男性にもお勧めできるのが谷川史子さんの作品の妙技だと思います。

■[漫画]一緒に暮らすということ「他人暮らし」

他人暮らし (クイーンズコミックス)
著者/訳者:谷川 史子
出版社:集英社( 2011-03-15 )
コミック ( 176 ページ )

谷川史子さんの単行本2冊同時発売の女性誌サイド「他人暮らし」
アラサーの女性3人を描いた「他人暮らし」の3編と、
同僚の突然の死に心が追いつかないOLを描いた「秋雨」1編の、
中編+短編になっています。

「他人暮らし」はバツイチ、仕事が恋人、家出してきた新婦という、
高校時代からの友人3人が色んな理由で1ヶ月間一緒に暮らす話なんですが、
喧嘩するほど仲が良い三人と、アラサー女性が持つ三者三様のスタイルが見られて、
男性視点からすると中々に興味深かったりします。

ちなみに私は一人暮らし歴が長いので家主の純花さんの気持ちが判るんですよねー
他人から見たら細かいと思われることが我慢出来ない!
洗濯物の干し方から畳み方、更には収納の仕方まで自分と違うとイラっと来る!
そうだよなー、私も弟と1年同居していたことがあるけど、
あの時はフッ素加工のフライパンを金属タワシで洗われて半ギレしたっけなぁ…(遠い目

まぁ、そんなトコに共感しまくりでグッとくる読者も少ない気もしますが。
「秋雨」含めて恋心だけでオールオーケーで居られない、
そんな大人になってしまった女性たちの、それでも持つ恋心を描いていたりする、
そんな漫画ですので、結構お勧めです。

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