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:: 2011/1/22 土曜日::

■[ラノベ]ずっと待ってる…「とある飛空士への恋歌」5巻

とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)
著者/訳者:犬村 小六
出版社:小学館( 2011-01-18 )
文庫 ( 262 ページ )
作者twitter:犬村小六 (inumura569) on Twitter
絵師サイト:ALL GREEN

今回、空戦はありません。
けれども、感動はあります。

空族からの猛攻をクレアが取り戻した風呼びの力で凌ぎきったイスラだけど、
主力も壊滅してレヴァームからの救援はあれども苦しい中、
空族から初めて寄越された交渉は風呼びの少女と引き替えとした、
休戦条件だった…

クレアとカルの初恋は言うなれば狂おしいほどに燃え上がる情熱的な初恋。
大好きなみんなが住むイスラを守る為に赴くクレアと、
どうしようもない条件で、クレアと約束を交わすカルの決意。
約束を果たすため、何年もかかる困難の旅路を遂げ、
かつての名前を利用してまで突き進むカルの情熱的な恋には燃え上がります。

そしてそれだけでなく、もう一つ。
切なさに押しつぶされそうなほどに秘められた初恋。

子供の頃から一緒に居た、数え切れないほどの喧嘩をした。
ヘタレな兄を何度も助けたことがあるし、命を救われたこともある。
想いが溢れてきそうになり、夜の闇に助けられたこともある…

「――歌えない恋の歌もある。」

折り返しカラーでのこの言葉を目にした時に感じた予感そのままに、
胸が締め付けられそうなほどの切なさが心に満たされ、
あぁ、この作品は本当に「とある飛空士への追憶」と同じシリーズなんだなぁ、
と感慨深く納得しました。

初恋。
甘くて苦くて切なくて、どうしようもないほどに人を突き動かすその衝動。
そういった諸々を思い出させてくれる、珠玉のシリーズでした。
お勧めです。

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