僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2015/10/4 日曜日::

■[漫画]BL、ノーマル、異種族、姉弟「私に見えない恋心」

私に見えない恋心 (バンブーコミックス)
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:竹書房( 2015-09-30 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

Kindle版:私に見えない恋心

仙石寛子さんの漫画は基本的に”恋愛”を軸にしているんですが、
BLからノーマル、人外との交流までと多種多様なジャンルに及んでいます。
そして短編集ではその面白さの多彩さがよく判る一冊になっているのです。

まず初っ端の「気の迷いなら早く」からしてBLっぽいです。
可愛い浴衣を着た友達が夏祭りに誘いに来るんですが…

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うん、とってもBLだね!
それでもガチな感じじゃないのでライトに楽しめますし、
男同士とはいえ隠された一方通行なだけに、
心の機微にはニヤニヤしちゃうものがあります。

そして「恋を恐れて」というのが中々にシュール。
等身大のカマキリと女性がお互いの恋を語り合うという、
どこの世界観なのかサッパリわからないけれど、
何とも軽妙な面白さがある短編になっています。

他にも恋と友情と三角関係な青春っぽいものから、
不思議なボーイミーツガールや、BL的なモノまで本当に色々あるんですが、
ノーマルなものだと「月よりは近い」が良かったですね。
遠距離恋愛でちょっと倦怠期っぽい感じのカップルの話なんですが、
彼氏さんの行動力がちょっと格好良かったです。
うーん、遠距離恋愛にはこういった行動力こそが肝心だよなぁ…(しみじみ
一般的には淡白に見えるけれど、二人にはこの距離感が丁度良いのかも。

あと個人的に好きだったのは「寒い間はお楽しみ」ですね。
姉弟の話なんですが、それ以上に黒ストの話でした。
ストッキングの濃さをデニール度というのは業界では有名ですが、
それを姉へのプレゼントに選んで目の前で履いてもらうとか、
よく考えれば非常にマニアックだと思うのです。
ちなみに私としては80デニールくらいが良いと思います!

仙石寛子さんらしい、とても面白い単行本でした。
不思議な恋愛モノが好きな人にお勧めです。

:: 2015/8/18 火曜日::

■[漫画]だんじょの愛「花はニセモノ」

花はニセモノ
著者/訳者:仙石寛子
出版社:白泉社( 2015-07-31 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

朝起きたら女の子になっていた…

仙石寛子さんの単行本2冊同時発売の1冊目は、
性転換モノでは割りとよくある出だしで始まりますが、
その女の子になっていた歩ちゃんが同性愛者だったという点が異なります。

お賽銭に500円を入れて愛する人と一緒にいられるように願ったら、
世間に受け入れやすいように神様が片方を女の子にしてくれたんだけど、
ゲイな森くんは思わず「なんで女になっちゃうんだ」と言ってしまい、
二人の仲は途端にギクシャクしてしまうことに。

神様のおかげで世間的には普通のカップルになったんだけど、
ゲイな森くんにとっては難しいことに。
しかし歩ちゃんにとっては自分は変わらないのに、
森くんに距離を取られるとやるせない気持ちになる…
非常に複雑であり、めんどくさい物語です。

仙石寛子は昔からBLモノを描きたいとは仰ってましたが、
まさかそこに性転換ネタをぶっ込んでくるとは…
ある意味よりニッチなジャンルになった気もしますが、
かなり斬新で味わい深い作品になっていると思います。
うーん、実に良い…

■[漫画]きょうだいの愛「あなただけ宝石」

あなただけ宝石
著者/訳者:仙石寛子
出版社:白泉社( 2015-07-31 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

仙石寛子さんの単行本2冊同時発売の2冊目。
こちらは実の姉弟モノである「あなただけ宝石」の他、
兄弟モノだったり姉妹モノだったりと、
きょうだい関係の短編や百合モノの短編が収録されています。

表題作の「あなただけ宝石」ですが、
これが仙石寛子さんの真骨頂そのものの内容で、
無自覚に弟を愛する姉と、
自覚した姉を愛する弟という、
非常にインモラルな内容になっています。

二人の気持ちは言葉よりも先に、
二人の表情と仕草で伝わってくるんだよなぁ。
お互いの気持ちの切なさとかが読んでて伝わってきて心がきしむんですよ。
あぁ、これこそが仙石寛子さんの漫画の面白さだ…!

とはいえ、それ以外の短編は百合モノも含めて甘いモノが多く、
読んでいると非常に甘ったるいモノがあります。
まぁ、百合モノがあったと思えば兄弟BLっぽいものがあったりと、
何とも複雑な味わいを見せてくれるのが何とも面白いです。

:: 2014/2/20 木曜日::

■[漫画]姉×弟、少年→少年←少女「夜毎の指先/真昼の果て」

夜毎の指先/真昼の果て
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:白泉社( 2014-01-31 )
コミック ( 154 ページ )
作者サイト:空豆人間

他社の単行本のカバー下漫画でひたすら「BL描きたい」と書いていた仙石寛子さんですが、
念願のBLネタを投入した漫画がこの「夜毎の指先/真昼の果て」になります。

もっともBLネタとはいえ、ガッツリとしたものではないので男性読者にも安心です。
ある日幼馴染みの少女・律に告白されて付き合い始めたと思ったら、
その報告をした幼馴染みの少年・秋彦にも告白されてしまい文貴は戸惑うんだけど…
というのが前半の「夜毎の指先」です。

もうねー、ホントもどかしいというか、モヤモヤするというか!
文貴が精神的にまだ幼さを残しているからこそ、
ここまでグダグダになっているんだろうけど、ホントね…
しかも終わり方が相変わらず後味を残すんですよね。
何だろう、メロン食べた時のソレに似てる気がする。

そして恒例の姉と弟の「真昼の果て」ですが…
これはもう、姉に翻弄されまくりですね。
姉の言葉に、姉の指先に、一々反応しちゃう気苦労が忍ばれますよ。
何だろうなぁ、これはもうハッピーエンドが思い浮かばないんですよ。
もちろん倫理的に考えてハッピーエンドはあり得ないんですけど、
それとは別次元な意味でハッピーエンドの想像が付かないというか。
下手すりゃ姉と死に別れるのが一番マシなんじゃないかとすら思えました。
いや、うん、すみません。

そしてラスト1つも人妻と女性の先輩というインモラルなものでしたね。
こんなに透き通った絵柄なのに倒錯した関係性ばかりなのが如何にも仙石寛子さんでした。

それはそうと4コマ作品だからと大きめの判型だと思ってたので、
単行本を見付けるのに苦労しました。
結局Amazonで頼んだんですが…
まさか普通の青年誌サイズだったとは…
不覚…!

:: 2013/12/20 金曜日::

■[漫画]一番傍にいる君と「一番星のそばで」

一番星のそばで (まんがタイムコミックス)
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:芳文社( 2013-12-07 )
コミック ( 144 ページ )
作者サイト:空豆人間

短編がメインだった仙石寛子さんの新刊は、
単行本1冊分の長編と、短編が2つの構成です。
長編はタイトルそのままの「一番星のそばで」で、
短編は「イカとタコ」「女の子の下着」の2本になります。

「一番星のそばで」はある日いきなり幽霊が見えるようになった明日花が、
その幽霊の言動に振り回されながら、双子の弟であるゆずるとの間の、
思春期特有の感情に振り回される日々を綴ったストーリーです。

この年頃の男女だと、精神的には女の子の方が成熟しているものですが、
ゆずるはある事情によって精神的には明日花より成熟せざるを得なくなってて、
まぁ、それでも未熟なトコは未熟なもんで、そこがまた可愛かったです。

明日花はこういっては可哀想かもだけど、
涙を流している顔が一番魅力的な気がするなぁ…
表紙にあるような意識せず溢れ出す涙というのも良いけど、
描き下ろしのロリ時代の明日花の泣き顔はまた別の趣がありましたね…!

ちなみに短編の方ですが「女の子の下着」が良かったです。
F70とかどんな感じのおっぱいなんだろう…
是非生で見てみたいですね…(ぉ

ちなみに仙石寛子さんが凄く描きたがっていたBL要素有りの漫画ですが、
来月末に発売になりますね。
タイトルは「夜毎の指先/真昼の果て」になりますけど、
それほどBLっぽいBLではないので、男性でも楽しめるかと思います。

:: 2012/6/10 日曜日::

■[漫画]甘くて切ない恋の果実「この果実は誰のもの」

この果実は誰のもの (まんがタイムコミックス)
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:芳文社( 2012-06-07 )
コミック ( 140 ページ )
作者サイト:空豆人間

本当に仙石寛子さんの描かれる4コマ漫画の中に流れる雰囲気が良いです。
独特のリズムが心地良く、読んでいると知らぬ間にその世界に取り込まれていき、
気付けば全部読み終わってしまい、その面白さを反芻し、
そしてもっと読みたくなるんですよね。

今回は表題作になっている中編「この果実は誰のもの」と、
1話のみの短編が10話、そして「この果実は誰のもの」特別編と、
前作「三日月の蜜」特別編が収録されています。

「この果実は誰のもの」は気付けばいつも目で追っていた好きな子に告白したら、
ダメ元だったはずなのに何故かOKされたんだけど、
実はその子は部活の同性の先輩と先日まで付き合っていて…

という話なんですが、告白した野球少年の矢川くんが純朴で応援したくなるんですよね!
瀬谷さんのことが好きで好きで一生懸命なのが読んでるこちらまで伝わってくるんだから、
その好意の向き先である瀬谷さんはそりゃー、ほだされるよなぁ。
まぁ、何だかんだで振り回される矢川くんがちょっと可哀想であり、
ちょっと羨ましくもあって面白かったです。

その他短編は勇者と亀の話だったり女の子と羊の話だったりと、
もうホント独特かつ雑多な作品群なんだけど、個人的にクリーンヒットを打つ話もあるんですよね。
「ぜひ、今年の抱負に」なんて酒の勢いと告白なんていうグダグダなだけの話なのに、
何か心にサクっとくるものがあったというか…
「ハルハル卒業」は鈍感な男教師と切ない恋心な女生徒の話だったんですが、
最後の「私の青春かすめてったんですよー」は本当に良い台詞だと思うんですよ!
自分の青春時代を思い出させられる、心にじんわりと染みてくる良さがあります。

あと「お嫁さん欲しい」ですが…
その…、大変なんだなぁ、と…
私もお嫁さんとか贅沢を言いませんから、
疲れてる時に慰めてくれる女の子のお友達が欲しいです。(笑

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