僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2013/10/12 土曜日::

■[ラノベ]青春に、ありがとう。「ココロコネクト プレシャスタイム」

ココロコネクト プレシャスタイム (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田定夏
出版社:エンターブレイン( 2013-09-30 )
文庫 ( 350 ページ )
絵師サイト:enfance

ココロコネクトのエピローグにして最終章「ココロコネクト プレシャスタイム」が発売になりました。
<ふうせんかずら>が巻き起こす超常的な事態はなくなったけど、
高校生の瑞々しい若さと、それ故の悩みが赤裸々に綴られる青春という、
このシリーズの根幹となる所は変わらず、むしろより顕著になっています。

太一の妹が文研部の面子を一人ずつ面談する「わたしだけのお兄ちゃん」
藤島さんが企画して決行されたトンデモイベント「カップルバトルロイヤル」
自分自身に自信がない少年が可能性を掴み取ろうとする「新入生よ、大志を抱け」
一足先に推薦で進路を決めた永瀬が思い悩み、前に進む「未来へ」
の4編が収録されているんですけど、どれも面白かったです。

「カップルバトルロイヤル」は一番ページ数を占めているだけに盛り上がってましたね。
太一と稲葉がバカップルっぷりを見せつけたり、
まさかの唯の空手バトルがマジで繰り広げられたり、
藤島さんの最後のどんでん返しで爆笑させられたりと、
読んでて凄く楽しかったです。

でも、このシリーズの内容を色濃く反映しているのは「新入生よ、大志を抱け」と「未来へ」だと思うんですよね。
成功体験がないから自信が無く、だからこそ目の前のチャンスをモノに出来ずに見送るだけ。
そんな新入生の背中を押してあげる文研部が綴られた「新優勢よ、大志を抱け」には青春を感じさせられましたし、
「未来へ」では卒業してしまうけれど、そこにしっかりと残る絆とその大切さを噛みしめさせてくれます。

それと、ごっさんの言ってた旧友との間のエピソードはよく判ります。
私も8月に20年ぶりに中学校の同級生と同窓会で会ったんですけど、
本当に当時より仲良く話せましたしね。
だから永瀬も卒業しても大丈夫だと思いますよ。

これから門出を迎える若者たちに幸多からんことを。

:: 2013/4/10 水曜日::

■[ラノベ]一歩一歩、少しずつでも前へ。「ココロコネクト アスランダム 下」

ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田 定夏
出版社:エンターブレイン( 2013-03-30 )
文庫 ( 414 ページ )
絵師サイト:enfance

最終巻に相応しい、素晴らしく青臭い、そして何よりも面白い傑作でした!

正直、中盤までは読んでて辛いほどにストレスフルでした。
「分かって貰えないもどかしさ」がどんどん積み重なって、
間違った方法に訴える香取生徒会長のやり方を止められないフラストレーションが凄く溜まりましたが、
クライマックスではそれをちゃんと解消しているのが爽快でしたね。

『孤立空間』に閉じ込められてグループ毎に現象が発現する100名超の集団と、
”詳しい事情が言えない”文研部が、立場が違う故に疑いの連鎖を生んで、
何とかリーダーシップを取ろうとする香取の思惑と絡み合って不審スパイラルに陥ったのを、
今まで培ってきた信頼をもってゴールに突き進む姿が格好良かったです。

この手の青少年の閉鎖空間での殺伐としたシチュというのは昔からあります。
「無限のリヴァイアス」でもそうでしたが悲劇的な展開になる事が多くて、
今回もそういった方向に進むのかと思いましたが、
太一がみんなを”群衆”ではなく”一人ひとりの個人の集まり”と認識を変えることで、
文研部みんなが身近な人たちに真摯に向き合うことで結果として劇的に状況を改善していく、
という当たり前なんだけど難しい発想の転換で乗り切ったのが素晴らしかったです。

その中でも今まで物語に深く関わってきた藤島さんが良いポジションでしたね。
スーパーマンには成れないけれど、ウルトラマンには成れるという会話から、

「三分間で世界を変えてやるわ」

というくだりは最高に輝いていて、まるで主人公のようでしたね。

『孤立空間』から出た後も一騒動あったけど、こちらはまぁ「文研部なら何とかするだろう」
という割と安心感を持って読むことが出来ました。(笑
流石にハッピーエンドになるだろう、という確信もあったと言えますが。

今回で「ココロコネクト」シリーズは完結ということで、
ラストエピソードとして綺麗にまとまりましたねー
シリーズ通して、人と人とのコミュニケーションの重要さと青春の青臭さが漂ってきて、
良い作品だったと思います。
一応この後、番外編的な短編集が出るみたいなので、
エロゲのファンディスク的に楽しみに待ちたいと思います。(笑

:: 2012/10/7 日曜日::

■[ラノベ]これは別の誰かの物語だ「ココロコネクト アスランダム 上」

ココロコネクト アスランダム 上 (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田定夏
出版社:エンターブレイン( 2012-09-29 )
文庫 ( 350 ページ )
作者サイト:enfance

デビュー作が某有名アニメーターに挿し絵を担当してもらって、
更に人気が上々でアニメ化も決まって正に絶好調!
…なのに原作の面白さとアニメの出来云々ではなくて、
別の事件で話題になってしまったのが本当に惜しい…

嫌な事件は兎も角、シリーズ最終章のアスランダム開始!
今回は前巻から伏線が張られていた通り学校全てを巻き込んだモノで、
自分たち文研部だけが頑張れば何とかなるというものではなく、
その無力感にさいなまされる太一たちだけど…

相変わらず心を抉る展開と台詞のオンパレードでキツイものがありますね。
しかも自分たちの記憶が、記録が失われるという、
今まで築き上げてきた信頼関係や恋愛関係までリセットされるという、
まるでギャルゲ―のリセットして再プレイみたいな状態はキツイというか…

しかしラスト、このままどうなるんだろうと思ってたら
まさかキッカケがシスコンになるとは思いもしませんでした。(笑
稲葉よりも何よりも妹かよ! と。
やはり妹は最強の属性なんだろうか…

:: 2012/3/19 月曜日::

■[ラノベ]少年が大人になるプロセス「ココロコネクト ユメランダム」

ココロコネクト ユメランダム (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田 定夏
出版社:エンターブレイン( 2012-02-29 )
文庫 ( 350 ページ )
絵師サイト:enfance

今までは<ふうせんかずら>が起こす変な現象に巻き込まれてばかりだった太一たちですが、
今回は一風変わって、<ふうせんかずら>曰くボーナスステージに。
太一たち文研部2年生5人は<ふうせんかずら>から他人の願望を白昼夢で見ることができる、
「夢中透視」という能力が与えられることに…

まぁ、前回の千尋と同じようなポジションに2年生がなったという形なんですが、
その力を廻って使う派の太一と唯、絶対に使わない派の稲葉と青木、そして中立の伊織という派閥に分かれて、
文研部の5人がギクシャクして、更に太一たちは能力の行使のせいで恋愛マスターと担ぎ上げられて、
太一と稲葉の仲も険悪になってきている所で北海道に修学旅行に行くことになるんだけど…

ぶっちゃけ、太一に「夢中透視」を使うなというのは、夜神月に「デスノート」を使うな、というくらいナンセンス。
稲葉もそれを認識した上で説得にあたればまだスムーズだったと思うんだけど…
更に頭ごなしに怒りの波動まき散らしながらとか逆効果なのが判らないとか、
何だかんだで稲葉もまだまだ高校2年生なんだなぁ、と思わされましたよ。
まぁ、それ以上に太一が成長する話だったとは思わされもしたのですが。

今回は修学旅行ということもあって脇キャラが大活躍でしたが(特に藤島さん)、
その分、伊織が中立派だったこともあって割りを食った印象があったのがちょっと残念だったかも。
まぁ、今まで中心にいることが多かったからこんくらいが丁度良いかも知れませんが。
それとやっぱりアホの青木はムードメーカーだったんだなぁ、としみじみ思いました。
今後も青木のアホっぷりに癒されたいです。

:: 2011/11/8 火曜日::

■[ラノベ]1年生が主軸な「ココロコネクト ニセランダム」

ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田定夏
出版社:エンターブレイン( 2011-10-29 )
文庫 ( 317 ページ )
絵師サイト:enfance

今までは太一が主軸となって物語が回ってましたが、
新入生が入ったことで今回のココロコネクトは新入生二人が主軸に!
とはいえ、キャラが被っていると言われた千尋は太一ほど魅力がないと言いましょうか、
序盤の千尋が高二病すぎて読んでいていたたまれなかったです。

<ふうせんかずら>から与えられただけの能力に舞い上がり、
自分は特別だと勘違いして暴走しまくりの千尋を見てると、
「もうやめて! 揺り返しでとんでもないことになるよ!」
と読者的にハラハラしてましたが、実際最後の方は懸念したとおりでしたね。
とはいえ「千尋ざまぁw」と思ったのは否定できない。(笑

そんな千尋ともう一人の新入部員の紫乃は、
二人共似てるところは確かにあったなぁ、と読んでて感じました。
今までの文研部の5人は個性が強くて問題も多かったけど、
前へと進むエネルギーはあったので、
新入部員二人みたいな所謂「明日から頑張る」系の人種は新鮮味がありましたね。
心を入れ替えたと言う千尋の態度は社会人一年目の新入社員とか見てるようで、
なんかデジャヴったりも。

物語の視点がこの二人だったのでデレばん好きの私としては少々物足りなかったのも事実。
まぁ、あのシーンに挿絵があるのは良いですが、シチュエーションがなぁ…
紫乃の素直な毒舌は結構好きなんですけどね。
今回は新入部員を掘り下げるためにそうなったんだと思いますが、
次回以降はまた太一主体に戻って欲しいと思います。
シスコンと稲葉への愛が大変なことになっている太一の活躍に期待です!

あ、それとTVアニメ化だそうで。
まぁ、この面白さならくると思ってましたよ。
挿絵が白身魚さんですから出来れば京アニで…
と思いますが、無理でしょうね。(笑

:: 2011/6/8 水曜日::

■[ラノベ]自覚する気持ち 交錯する想い「ココロコネクト キズランダム」

ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)
著者/訳者:庵田 定夏
出版社:エンターブレイン( 2010-05-29 )
文庫 ( 314 ページ )
絵師サイト:enfance

<ふうせんかずら>によって再び不可思議な現象に襲われる文研部。
今度の現象は『欲望解放』というエロ同人誌にでも使われそうな現象で、
事実初っ端から稲葉が下着姿になって太一に迫ろうというサービスシーンに突入したりと、
読者のハートをガッチリキャッチする展開があります。

とはいえ、そんな一種ほのぼの(?)とした展開が続く訳がなく、
いやまぁ、実際初期は教室で突然叫んだりといった牧歌的な現象だったんだけど、
唯の痴漢撃退事件から少しずつ歯車がズレていって…
と、相変わらず胸を締め付ける事態に陥っていきます。

しかし、そんな不可思議な現象に襲われようとも世界は文研部以外でも勿論廻っていて、
立ち止まってしまっていた太一がたまに担任として、人生の先達としての言葉をくれる後藤や、
恋愛マスター委員長の藤島からの助言で、傷付けあっても、迷惑かけあっても、
それでも一緒にいるのが友達だと邁進するのが何とも主人公らしかったです。
あと、アホの青木が愛すべきアホっぷりでそこに救われることも。(笑

そして終盤、この2巻で一番の盛り上がりにしてこれからのココロコネクトの方向性を決める稲葉のターン!
精神状態がおかしくなって自分に絶望し、更に自分の中の恋心を自覚させられる稲葉と、
同じ気持ちを持つからこそ気付いてしまう伊織の言葉合戦は中々に盛り上がりますなー
いやー、好きな男を取り合う女の友情とかカッケーっすよ。
太一…、羨ましいヤツ…!

1巻でのTS的な面白さは皆無になってしまいますが、これはこれで違った面白さを見せてくれますよ。
まぁ、面白さの本番は3巻からなんですけどね…!

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