僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2022/4/15 金曜日::

■[ラノベ]アーレンスバッハでの戦い「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身 VIII」」

アーレンスバッハ供給の間でディートリンデに毒を盛られ動けなくされたフェルディナンド。
エーレンフェスト首脳陣を威圧したり、ダンケルフェルガーも巻き込んだりと、
フェルディナンドを助ける為に手段を選ばないローゼマイン。
ユストクスとエックハルトとも合流し、グルトリスハイトという裏技を使い、
一気呵成にアーレンスバッハに乗り込むことになるんだけど…!?

Web版から改稿されている箇所が多い上に、書き下ろし短編も多数収録されているので、
Web版読者としても満足度が非常に高い一冊でした。

特に良かったのはフェルディナンド様を救出したシーンですね。
みんなの前では気丈に振る舞っていたけれど、
間に合うかどうか不安でならなかったということと、
その不安が解消されて安堵したシーンは実に良い描写だったと思います。
あの加筆のお陰でローゼマインの涙がとても心に響きましたね…

それと歴代ツェントの過ちがフェルディナンド様との会話に置き換わったことで、
理解がスムーズになったので、良い改稿だったと思います。
Web版だと一気に情報がでてきて理解するのにちょっと手間がありましたからね。
それにしてもフェルディナンド様はメスティオノーラの書が3割しかないのによく知ってたよね…
地下書庫の石板や今は亡き上級司書の人たちから話を聞いたり、閉架書庫で情報を集めたんだろうか…?

ランツェナーヴェとの戦いではローゼマインはアウブとして大活躍でしたが、
アーレンスバッハの扱いに関してはフェルディナンド様の手の平の上でコロコロと転がされてましたよねw
フェルディナンド様がローゼマインの扱いを熟知していたっていうのもありますが、
図書館都市と下町の家族というワードはローゼマイン特攻だしさもありなん、という感じではあります。

そして書き下ろし短編でのエーレンフェストの戦いでは、
ダームエルがとても活躍していましたね。
下町の兵士だけでなくブリギッテとの縁もあって、
ダームエルはハブとしてとても有能だと思うのですよ。
流石はローゼマインに一番の騎士と言われるだけあります。

それと、ゲオルギーネ視点のエピローグを読むと彼女に同情しちゃいましたね…
自分は厳しく躾けられたのに弟は甘やかされており、その差に心が荒むとかはあるあるですよ。
それだけに共感できてしまい、同情心が湧き出てきました。
かつてはトゥーリもマインに対しては色々思っていたこともあるように、
どの姉弟でも起こりえることではあるんだけど、
ゲオルギーネの場合はヴェローニカという毒親という要因が強すぎる上に、
リヒャルダとの強制的な別れという悲劇が決定的だったんでしょうね…

ジルヴェスターもヴィルフリートと同じで自分が甘やかされていることに気付かず、
それが他者に対してどれだけ憎悪を掻き立てることが理解できてないあたり、
この親子は本当に問題児なところが似ているな、と思いました。
まぁ、10歳かそこらの子供に理解しろ、というのも酷だとは思いますけどね…

フェルディナンド様視点での書き下ろし短編もありましたが、
こちらは次回作であるハンネローレ貴族院五年生の伏線にもなってますね。
本当にこの物語は構想段階からかなり練り込まれているんだな、というのが感じられます。
イルムヒルデ様は未来のアウブ・アレキサンドリアと面識があったということなのかな…?

さて、アーレンスバッハでの戦いも一段落しましたが、
次巻ではエーレンフェストでの戦いもありますし、
ディートリンデが乗り込んだ貴族院での戦いもありますよ。
まだまだ戦いは終わりません…!
8月の新刊が今から楽しみです。

:: 2022/3/13 日曜日::

■[ラノベ]それぞれの価値観「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集 II」

本編は正に佳境という感じですが、今回はお久しぶりの短編集2巻です。
第2部から第5部の短編を19本収録しているのですが、
これを読むと本編を読み直したくなって時間があっという間に溶けてしまうので注意が必要です。
私は土日の大半が本好きの下剋上で溶けました。

短編集はローゼマイン以外の視点で語られるのでどれも新鮮な面白さがあるのですが、
特に上級貴族としての観点から見るブリュンヒルデ視点の2本が良かったです。
ローゼマインの独特な感性と社交に振り回されながら、
それでも何とか理解しようと努力する姿は健気であり、応援したくなりますね。
ブリュンヒルデ視点から見ると本当にローゼマインが貴族として特異的なのがよく分かります。

あと、トゥーリ視点の2本も良かったですね。
少女漫画の主人公みたいに恋をして、失恋してるところにキュンキュンしたし、
ベンノさんとカーリンが意外と良い感じだったのには驚きました。
それにしてもルッツとの婚約に関してはあっさりしていて逆の驚きがありましたね…
まぁ、そこから少しずつ愛を育んでいって本編のようになっていったんだろうなぁ…
うーん、それもまた良し…

ユストクス視点に出てきた木札に関しては、
現在ゆっくり連載中のハンネローレの貴族院五年生の伏線ですね。
Web版で読んでた時には意味不明の設定でしたが、まさか続編の伏線だったとはなぁ…
それにしてもユストクスたちから見るとローゼマインって本当に救世主みたいですね。
大丈夫、ローゼマインは何度もフェルディナンド様を助けてくれるよ…!

今回意外だったのがバルトルトですね。
ヴィルフリートを唆したりと暗躍していたのは本編読んで知っていましたが、
ここまでガチガチなヴェローニカ派だったとは思いませんでした。
視野が狭く、凝り固まった価値観を持っていたとは…
それに気付かずに操られていたヴィルフリートって本当に領主に向かないなぁ、と思いました。

それと中央騎士団副団長のロヤリテートですが、
良いところまでは推理出来てたんですが、
コナン君の麻酔銃ばりに便利に使われているトルークにあっという間に絡め取られていて、
本当に中央貴族は頼りにならないな、と思いました。
アナスタージウス視点でも王族の周りは本当に陰謀論にハマる頭の弱い人たちばかりみたいだし、
これだからユルゲンシュミットは崩壊しかかってるんだろうな、と無駄に説得力が高かったです。

さて、来月は本編が刊行ですね!
活動報告によると書き下ろし短編も多めなので楽しみです。
ただ、一番読みたいハイスヒッツェ視点が特典SSなんだよなぁ…
くぅ…! 電子書籍派の私は短編集IIIまで待つべきなのか…
それとも今回だけはTOブックス通販で買うべきか…
悩ましいところです…!

:: 2021/12/14 火曜日::

■[ラノベ]メスティオノーラの英知とフェルディナンドの危機「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身VII」」

傲慢で怠惰で独善的な王族の要請で養女となることが決定しているローゼマイン。
聖地である貴族院で数々の神事を行ってきたため、グルトリスハイトへと至る道が整備され、
クラッセンブルクとの共同研究で奉納式を行ったことで最後のピースをはめてしまい、
始まりの庭へと転移し、メスティオノーラの英知を授かることになるんだけど…

今回はかなり物語が動きますよ!
Web版で何度も繰り返し読んだシーンが目白押しなのです。

表紙にあるようにエアヴェルミーンに頼まれた育成の神の能力で、
強制的に成長したローゼマインの姿を見られるんですね。
こうして絵として表現されると、その成長具合には本当に驚かされます。
あんなにちっちゃかったのに…
育ったなぁ、マイン…

エアヴェルミーンも想定外だったローゼマインとフェルディナンド様の魔力が同質な件ですが、
まさか第二部のシーンが伏線になっているとは本当に思いませんでしたね。
四年生の授業でもう一度伏線を掘り起こしたからわかりやすかったです。
こういった物語の構成の上手さにはとても感動します。

ゲオルギーネの深慮遠謀と容赦の無さには腹立たしさと恐ろしさを感じますが、
そのどれもがローゼマインの想定外と規格外に翻弄されているのにはちょっとスカッとしましたw
まさか王の養女となるためにアダルジーザの離宮が整備されているのが邪魔になっていたとは…
それにグルトリスハイトを得るという規格外の手段を使われたことで策が看破されるわ、
フェルディナンドに渡していた強力なお守りで即死毒が効かないとかね…
ローゼマインは本当に良い仕事をしてくれるなぁ。

かつてのマインにとってのルッツのように、
今のフェルディナンドにとってローゼマインは全幅の信頼を寄せられる相手なんだな、
というのがわかるのはほっこりするけれど、
事態はそんな悠長なことを言ってられないのでハラハラします。

焦るローゼマインを後押しするヴィルフリートは良い兄をしてると思うんですよ。
成長したローゼマインの姿に気後れすることなく話しかけてるところとかは、
ジルヴェスターの美点を受け継いでいるとは思うんです。
とはいえシャルロッテ視点から伺える無神経な発言の数々は、本当にどうかと思うんですよね…
指摘して矯正してくれる側近が居なかった、というのが一番駄目なんだろうなぁ…
リヒャルダに叱られて育ってさえいればね…

フェルディナンドの救出という絶対的な目標を持ち邁進するローゼマインは頼りがいがありますよね。
ダンケルフェルガーを煽って協力を取り付ける交渉の上手さと、
グルトリスハイトを得ていることを暗に示すところとか、
読んでいてとても面白かったです。

それにしてもレティーツィア様は可哀想でしたね…
あの年齢だと甘えたいざかりだろうに、唯一安心できる存在が行方不明で、
心が乱れまくってるところにフェルディナンド様に冷静に却下されましたからね…
フェルディナンド様もローゼマイン相手だとあれだけ親身になってくれるのになぁ。
もちろん操られたレティーツィア様にも非はあるけれど、
フェルディナンド様もローゼマインに言われた通りに優しく接してあげてたら、
もう少し違ったんじゃないかな、と思います。

さて、次巻ではローゼマインによるフェルディナンド様救出作戦ですよ。
クライマックスは近付いてきてますが、完結まではもう少し掛かると思います。
このペースだと本編は2023年くらいに完結するんじゃないかな…?

:: 2021/8/16 月曜日::

■[ラノベ]内部調整のエーレンフェストと外患誘致のアーレンスバッハ「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身Ⅵ」」

グルトリスハイトを得る可能性が一番高いローゼマインを取り込もうと、
王の養女とすることを強制されたエーレンフェスト。
ユルゲンシュミットを救うためとはいえ無理難題の対価を得る条件を飲ませはしたが、
ローゼマインを出すエーレンフェスト内部では色々と問題が起こり…

今回は椎名優さんの挿し絵がとても良い仕事をしてくれましたね。
ローゼマインからリーゼレータへの告白シーンとか最高でしたよ。
文字から想起させてくれる可愛らしさを300%表してくれていて、
プロのイラストレーターさんって凄い! と思いました。

それで言うと大人の格好をしたトゥーリも良かったですね。
ちっちゃなマインより少しだけお姉さんだったあのトゥーリが、
ルッツも見惚れるほどの美少女に成長した姿とか、感慨深いです。
どことなくエーファ母さんに似た雰囲気なのも良かったなぁ…

本編ですが、ヴィルフリートの青春の発露というか…
甘やかして育てられたお坊ちゃまの視野の狭い激昂っぷりには残念なモノを見る目になりますね。
プロローグでフロレンツィアが語っていたように、側近の悪影響を受けていたのが原因でしょうし、
ローゼマインとの魔力差に劣等感もあったんでしょう。

とはいえ、ライゼガング相手に無神経な対応をして嫌味を言われるのは自業自得だと思うんだよなぁ…
フェルディナンドからのお土産が自分になかった理由をローゼマインに解説され、
シャルロッテに追認されたことに衝撃を受けてましたが、
「今更?」とも思えるんですよね…
本当に甘やかされて育ったことに自覚がなかったんだなぁ…
ローゼマインにはあれだけ規格外と指摘してたのに、自分も特別扱いされてたことに無自覚なのはね…
確かにヴィルフリートは領主として相応しいとは思えないんですよね…

ただ、ディートリンデよりはマシだと思ってしまいますね。
視野の狭さ、教養のなさ、脇の甘さ、どれをとってもディートリンデはヒドい。
トルークを使われて簡単に籠絡されてたり、本当に残念で、
アーレンスバッハの人たちは大変だな、と同情してしまいます。

さて、次回ではフェルディナンド様大ピンチ回であり、
ローゼマインが凄いことになる回でもあります。
育成の神アーンヴァックスと椎名優さんの手腕が今から楽しみでなりません。

:: 2021/6/27 日曜日::

■[ラノベ]メインヒロインとライバルの登場「水属性の魔法使い 第一部 中央諸国編」2巻

水属性の魔法使い第一部 中央諸国編 2巻水属性の魔法使い第一部 中央諸国編 2巻
出版社:TOブックス
作者名:久宝忠
作者サイト:久宝 忠
絵師名:ノキト
絵師サイト:RHr|Nokito
絵師twitter:ノキトさん(@nokito27) / Twitter
Web版:水属性の魔法使い
紙書籍通販:水属性の魔法使い 第一部 中央諸国編II
Kindle版まとめ買い:水属性の魔法使い
DMM電子書籍:水属性の魔法使い 第一部 中央諸国編II

剣と魔法の世界ファイに異世界転生してスローライフとは名ばかりのサバイバルライフをしていた三原涼。
遭難したアベルと知り合い、人跡未踏の地から文明のある街に出てきて早々に、
カレーといった人類の文化と再会して喜んでいたら、
悪魔と遭遇して死闘を繰り広げたりと大変で…

2巻ということでやっとエンジンが掛かってきた感がありますね。
具体的に言うとメインヒロインがやっと登場です。
そのメインヒロインはB級冒険者にしてエルフの魔法剣士のセーラ。
涼と同等の剣の技量を持ち、精緻な魔法も使い、図書館の主であり、神秘的美女!
しかも、涼のことを気に入って、涼が長期依頼で不在になったらショックを受け、
涼の姿を求めてウロチョロするとか、まるでというか恋する乙女そのものですよ。
うーん、可愛い。

そして水属性の魔法使いと対を為すような魔法を使う爆炎の魔法使いオスカー・ルスカ。
帝国で重宝されている要人なんだけど、かなりの実力者ですね。
涼とは邂逅したシチュがアレだっただけに殺伐とした関係だったし、
前哨戦では互角でしたが、果たして二人の実力はどこまで伯仲しているのか…
これは今後が見逃せませんね。

Web版とはちょこちょこ改変しているのですが、
妖しい紫の人とか新キャラなので、今後どう関わってくるのか読めないですね。
アベルも海で遭難するわ、ダンジョンで転移させられてデビルに殺されそうになるわ、
他国のスパイを捕縛しようとしたら紫の人に襲い掛かられるわ、散々ですね…
涼を便利に使って切り抜けて欲しいものです。

:: 2021/4/26 月曜日::

■[ラノベ]怠惰で愚かな王族の傲慢「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部 女神の化身 V」

王族の要望で星結びの儀式の神殿長の役割をすることになったローゼマインは、
領主会議中でも図書館地下書庫で翻訳作業に勤しむことになるんだけど、
そこにやってきたディートリンデを避けて図書館裏庭に出た先で祠を見つけ、
そこでツェント候補へ到る道筋へ辿り着いてしまい…

このV巻ではどうしても王族へのヘイトが溜まってしまいますね。
アナスタージウス王子はまだ謝ってくれましたし、
何よりエグランティーヌ第一主義なのはわかってたのでまだ割り切れますが、
エグランティーヌがちょっとね…

ローゼマインが憤懣やるかたないように漏らしていたように、
あれだけ貢献していても王族の論理で無理強いするとかね…
身近な争いを避けるためにエーレンフェストに圧力を掛けるとかヒドすぎです。
本社内での派閥争いに辟易したから支社に仕事を丸投げした上で、
有能なエースを引き抜きまくるようなもんですよ。
それに何も罪悪感を持ってないのが更にヒドい。

特にヘイトが溜まったのはジギスヴァルト王子ですね。
商人聖女ローゼマインとの話し合いでも傲慢なところが目立ちましたが、
巻末書き下ろしのアドルフィーネ視点の短編では更にその傲慢さが顕著でしたね。
狭い世界で生きてきて、そこから出てこなかった弊害なんでしょうが、
それにしたってこれはヒドいというか…
ヴィルフィリートとは違った困った所が目立つ王子様ですね…

商人聖女としてのローゼマインにやり込められていましたし、
私はWeb版読んでるのでこの先にちゃんと報いを受けるのは知っているので溜飲は下がりますが、
書籍版しか読んでない人にはキツいと思います。
書籍版でこの後スッキリする展開までは後2,3冊はかかると思いますので、
それまで耐えるか、積ん読にしておいて後で一気に読むかしかないと思いますね。
私のお勧めは我慢できずにWeb版を読むというものですね!w

それにしてもアドルフィーネ視点の短編やオルタンシア視点の短編を読んで痛感しましたけど、
どの登場人物も本当に色々と考えて動いてるんだなぁ…
この本好きの下剋上は飽くまでもマイン視点で見聞きしたことを綴っているだけで、
裏側には本当に色々な物語があるんだな、と感心することしきりです。

今回もハンネローレ様がフェルネスティーネ物語について語っている時のセリフから、
ダンケルフェルガー内でフェルネスティーネ=フェルディナンドという認識になってそうですよね。
そこに到るまでのダンケルフェルガー内での情報共有の話とかもあるんだろうなぁ…
いつか読んでみたいものです。

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