その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2015/10/3 土曜日::

■[ラノベ]READ AND DIE「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~」第一部 兵士の娘I,II,III

大の本好きで仕事も司書を選んだ本須麗乃22歳。
死ぬなら本に埋もれて死にたいと思っていたら、
地震で倒壊した本に埋もれて死んでしまい気がついたらマインという名の少女に転生しており、
しかもその世界は中世風の魔法があるファンタジー世界な上に識字率も低く、
本も平民の兵士の娘でしかないマインには手が届かない高価な物で…

小説家になろうに連載している作品の書籍化なだけに、
異世界転生で内政モノという人気要素を持ちながら女性主人公というのが特徴的ですね。
女性主人公故に天然素材でリンスインシャンプーを作ったり、
糸で編んだ髪飾りや簪、それにお菓子のレシピで儲けたりするあたりがとても新鮮です。

何よりマインというキャラクターが魅力的なんですよね。
生来の虚弱な身体な上に”身食い”という不治の病に冒されながら、
本を読むために不屈の精神で前のめりに前進する姿から熱さは感じますが、
それ以上に見た目が幼女なので愛らしいですね。
精神的に大人とはいえ、結構ミスをしまくったり不器用だったりするのも、
外見幼女だからむしろ愛らしさの方が先にきます。

そんなマインを取り巻くキャラクターたちも実に生き生きとしており面白いです。
一つ年上の姉であるトゥーリに裁縫上手な母のエーファ、
そして子供のためなら貴族だろうと敵に回す子煩悩でな父のギュンター
幼馴染みでマインの物作りのパートナーになってくれるルッツに、
マインの特異性に目をつけた商人のベンノなど、
どの人物もキャラが立ってるんですよね。

何度も失敗や挫折を繰り返しながらも少しずつ頑張って、
周囲の人たちもどんどん巻き込んで目的に向かっていくストーリーに魅せられます。
それぞれの巻末にマイン以外のキャラ視点で番外編が載っているんですが、
それを読むとご都合主義すぎるかな? と思った話の展開にも、
ちゃんと理由があるんだと判って納得できる面白さがあります。

また、椎名優さんの絵柄も凄くマッチしてるんですよね。
美しさと優しさが同居した絵柄のお陰でマインが愛らしいですし、
マインが生み出した髪飾りや晴れ着を見事に描き出してくれて、
文章を読んだだけでは想像しにくいところを補完してくれてます。
3巻の表紙ではマインと母エーファの顔がよく似ていることが判って、
家族なんだなぁ、と思わされましたし、本当に良い仕事をして下さってます。

唯一欠点があるとすれば非常に長いといことでしょうか。
第一部だけで3冊も使っているんですが、
実はWeb版は第五部までいっており、書籍換算であと15冊ほどのストックがあります。
ここら辺はどこまでも続けていけるWeb小説ならではなんですが、
いくらハイペースで刊行しているとはいえWeb版に追いつくのは大変だろうと思います。

ただ、あとに行くほどますます面白くなっていくので、
是非ともこのまま完結までずっと書籍化して欲しいと思います。
TOブックスという少々マイナーなレーベルですが、
Kindle版も紙版から1ヶ月遅れとはいえ順調に刊行しているので、
Web版を読んで気になるようでしたら是非買って読んで欲しいですね。

また、今度コミカライズが始まるらしいのでそちらから読むのもアリかもしれません。

ここ最近の小説家になろうからの書籍化作品の中では一番好きな作品なので、
多くの人に知って欲しい作品です。

:: 2012/3/21 水曜日::

■[雑記]鮮烈な赤「椎名優画集III ガーネット」

椎名優画集Ⅲ ガーネット
著者/訳者:椎名優
出版社:アスキー・メディアワークス( 2012-03-19 )
大型本 ( 191 ページ )
作者サイト:天球堂画報

画集のタイトルになっている通り柘榴石の色が眩しい椎名優の3冊目の画集「ガーネット」
柘榴の花に柘榴の実、そして赤い服に赤い瞳の少女が持つ白い髪が鮮烈で、
何というか存在感が凄いですよね。
ちなみによく見るとケモ耳さんですね。

アスキーメディアワークス発行ということで角川系列の作品がメインで収録されていますが、
多作な椎名優さんなのでその仕事量も多岐に渡っているのでイラストも様々です。
やはりメインは「偽りのドラグーン」や「サクラダリセット」のようなラノベが多いですが、
中には児童書の作品など、この画集で読むまで知らなかった作品なんかもチラホラあります。

個人的に嬉しい発見は電撃文庫MAGAZINE増刊付属についていた「猫の地球儀」のイラストでした。
2008年になって描かれたポスターなんですが、
10年以上前の心に残る作品との意図しない再会は当時の思い出が甦ってきて感慨深くなりますね。
しかし相変わらず表紙詐欺というか、イラストだけ見るとただただ可愛いなぁ。(笑

美しく、可愛く、そして目に鮮やかなイラストばかりなので見ていて飽きません。
しかし途中で電撃hpで描かれていた漫画作品が収録されていたのはビックリですね。
最近は漫画関連の仕事も幾つかおやりになられてますが、こういった時代もあったんですねぇ…
現在の作品と見比べるのは…、止めた方が椎名優さんのためかもしれません。(笑

■[漫画]黒い霧と魅入られた少女「Monochrome Myst」1巻

Monochrome Myst 1 (電撃コミックス)
著者/訳者:椎名 優
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-07-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:天球堂画報

椎名優の漫画作品と言えば昨年夏に発売されたこの「Monochrome Myst」
後書き漫画で担当さんに「もうちょっとです!」と言われてますが、
初めてのコミックスにしては充分漫画になっていると思いますよ。
まぁ、知名度的にはイラストレーターとしてのソレの方が圧倒的に上でしょうが、
それはキャリアから考えて当然なので仕方ないかと。

電撃大王GENESIS連載のこの作品は近代のヨーロッパ(と思われる)を舞台にした、
”人に見えないものが”見える少女・アンジェリカと、
彼女に頼られた売れないオカルト小説家・シルフレイヴの二人を軸とした物語です。

”人に見えないものが”見えることと、過去のことから影があるアンジェリカが、
シルフレイヴと出会うことで明るい表情を取り戻していく様は心温まるし、
何より美少女は明るい表情が似合うと思う訳ですよ!
シルフレイヴの指輪の女の子は表情がコロコロ変わって可愛いですしね!

最後は勝ち気な少女・ベロニカの登場に、
アンジェリカの身に迫る危機と中々気になるところで終わっています。
続きが待たれる所ですが…

いや-、それにしても表紙のイラストは流石の一言ですね。
ちなみにこのイラストも画集「ガーネット」に収録されていますが、
そっちはトリミング前なので雰囲気が違うのでよく見ると面白いと思います。

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