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夏! 海! 青春!
:: 2012/10/26 金曜日::

■[ラノベ]ローマで一番長かった夜「ケモノガリ」5巻

ケモノガリ 5 (ガガガ文庫)
著者/訳者:東出 祐一郎
出版社:小学館( 2012-10-18 )
文庫 ( 295 ページ )
作者サイト:From dusk till dawn of the dead – livedoor Blog(ブログ)
作者twitter:東出祐一郎 (Higashide_Yu) on Twitter

コンクラーベが近いローマで次期教皇候補のヴァレリオがクラブの一員と目されるけれど、
それがおかしいと気付いた一行と、楼樹に差し向けられる12組の娯楽提供者。
必ずしも万全とは言えない体調の中、今までに無い最強の敵が待ち構える中、
あやなを救う為に楼樹は殺して殺して殺しながら突き進んでいく…

しかし初っ端の娯楽提供者には笑わされたなぁ…(笑
ある意味高二病くらいには美味しい設定の敵だし、インパクトある挿し絵なだけに、
そのギャップには作者の意図通りにやられた感じがしますですよ。
それにしても本当にククリナイフ好きですねぇ…

イヌガミも瞬殺される相手にどうやって挑むのかと思いましたが…
初めから強いベジータより、同じ実力のライバルを超えてきた悟空の方が強いのと似たようなものかな。
そして最後の最後で出してきた娯楽提供者が特にそうだけど、
本当に容赦ないよね! というか勿体ない!
良いキャラだったのになぁ…

そしてあやなさんの方ですけど、相変わらず気丈ですし、
まさか無事に解放されてまずグレタの所に行くとは。
今後もグレタと共に登場するということなのでしょうか。
女性が少ない作品なだけにちょと期待です。
シャーリーも良いんだけど、ラノベなんだからヒロインは若いに限るしね!(ぉ

:: 2012/9/26 水曜日::

■[ラノベ]七人の飛空士「とある飛空士への誓約」1巻

とある飛空士への誓約 1 (ガガガ文庫)
著者/訳者:犬村 小六
出版社:小学館( 2012-09-19 )
文庫 ( 335 ページ )
作者twitter:犬村小六 (inumura569)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:ALL GREEN

「とある飛空士」シリーズの最新作。
今回はシリーズ最長にして最大スケールでお送りするとのことですので、
今まで以上に濃く熱い群像劇が繰り広げられることになると思います。

今回の舞台は世界観は同じだけど、レヴァームやバレステロスとは違う国々、
大瀑布を挟んでセントヴォルト帝国と秋津連邦、そして二つの間にある多島群で構成された地域が舞台。
恋歌に登場した「空の一族」が暗躍する世界で若き七人の学生たちが織り成す、
熱く気高き恋と空戦の物語。

七人それぞれに込み入った事情があり、冒頭で既に二人裏切ることが示唆されているし、
何よりそこかしこに伏線が張り巡らされているので1巻から既にドキドキですよ。
そりゃ、ある程度は予想は立てられるんですけど、だからこそ裏をかかれるのではという疑心暗鬼状態。
冒頭の語り部ですら、主人公格の坂上清顕であるかは分かりませんしね…

しかし幼馴染みのミオが報われないフラグに思えるのは昨今の風潮のせいなのか、恋歌のせいなのか…
というか、清顕が親同士の因縁があるイリアと初めはライバル的ポジションだったのが、
敵中突破という窮地で発揮される操縦技術から互いに認め合い、
更に島でのギャルゲ―的ギャップ萌えイベントが発動して急速に狭まったのがなぁ…
うーむ、二人には別のフラグが立ってるしこれは一筋縄ではいかないですよね。

誓約というタイトルからして分かるように今回は色々な約束が交わされています。
特にラストで高い空の下、友情を確かめ合った若い七人の約束が、
今後の物語にどういった方向性を持たせるのか気になって仕方ないです。
一体何巻まで続くのか分かりませんが、楽しみに待とうと思います。

:: 2012/7/28 土曜日::

■[ラノベ]学級は崩壊しました「人類は衰退しました」7巻

人類は衰退しました 7 (ガガガ文庫)
著者/訳者:田中 ロミオ
出版社:小学館( 2012-07-18 )
文庫 ( 280 ページ )
絵師サイト:FRAGILE

イラストレーター変更のドタバタで色々とあった「人類は衰退しました」ですが、
7巻にしてやっとの新刊となります。
現在アニメ放映中なので内容を知っている人は多いとは思いますが、
現行人類がホモサピエンスから妖精さんたちに交代して久しい、
そんな時代のわたしと妖精さんたちのアヴァンギャルドでブラックユーモアに富んだ物語です。

…なのですが、今回はちょっと趣向が変わっていて妖精さん分が少なめで、
それでいて相変わらず世相を斜めにぶった切る内容になっております。
特に「妖精さんたちの、ちいさながっこう」は大津のいじめ事件が騒がれている昨今だと、
かなりタイミングが良いのか悪いのか判断に苦しいものです…

保護者たちの権利を肥大化させて要求する醜さとその家庭の実態。
学級崩壊する様相に、それに対処する様々な手法と、
妖精さんのミラクルで解決するわけではなく、あくまで手助けして貰うだけで、
しかもその解決法が中々にシュール且つ現実的というのにもにょもにょします。

後編の「人類流の、さえたやりかた」というのもAIと自我を考えさせられる、
意外とSF的な内容でしたが、総じて見ればやはり田中ロミオだなぁ、
と思わせられる内容です。

今回は田中ロミオの原液を妖精さんで殆ど薄めることがなかったので、
田中ロミオのディープなファンの人向けな内容だったかも知れません。
「AURA~魔竜院光牙最後の闘い~」が劇場アニメ化ということですし、今後は田中ロミオファンが増えると良いなぁ。
知る人ぞ知る状態だった虚淵玄があれだけ売れたんだから、田中ロミオもきっと売れるに違いない…!
と期待しております。(笑

:: 2012/1/23 月曜日::

■[ラノベ]ローマの一番長い一日「ケモノガリ」4巻

ケモノガリ4 (ガガガ文庫)
著者/訳者:東出 祐一郎
出版社:小学館( 2012-01-18 )
文庫 ( 280 ページ )
作者サイト:From dusk till dawn of the dead – livedoor Blog(ブログ)
作者twitter:東出祐一郎 (Higashide_Yu) on Twitter

ケモノガリの次の標的は教皇選挙で次期最有力候補のヴァレリオ。
現在のローマ教皇が病に伏している中、
一刻の猶予もない楼樹たちはローマに潜伏しているが、
当然アストライアはそれもお見通しで、
クラブ主催のゲームを持ちかけてくる。
楼樹が決して断れないようにあやなという人質を持って…

という訳で久しぶりにあやながメインヒロインとして復帰。
まぁ、今まで見逃されていたのが不思議だった彼女ですが、
あのケモノガリな楼樹と相思相愛なだけあってどこかおかしくて、
でもそこが魅力だと思うんですよね。

今回はローマ全域を舞台にして容赦なく剛毅果断にクラブが仕掛ける訳ですが、
相変わらず凄いギミック付きの娯楽提供者が外連味溢れまくってカッケーです。
もちろんそれを次々と狩っていく楼樹やイヌガミにシャーリーはもっと凄いですが。
しかしシャーリーもシャーリーでやっぱり少しおかしいトコありますよね。
楼樹と一緒に行動している時点で判ってはいましたが…

しっかし良いトコで終わるなぁ。
謎が結構残ったまんまだし、次の戦いの絶望度が半端無いです。
それに表紙になっているシスター・セシリアもまだまだ活躍してないですし!
ヒロインであるあやながどうなるのか気になるしで早く続きを読みたいですよ。
早く5巻出ろー

:: 2011/10/3 月曜日::

■[ラノベ]大空のラストサムライ「とある飛空士への夜想曲」下

とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)
著者/訳者:犬村 小六
出版社:小学館( 2011-09-17 )
文庫 ( 376 ページ )
作者twitter:犬村小六 (inumura569)はTwitterを使っています
絵師サイト:ALL GREEN

現在劇場上映中の「とある飛空士への追憶」のスピンオフ的な「とある飛空士への夜想曲」
その下巻にして完結巻ですが、相変わらず凄かったです。

ライトノベルとは思えない骨太で男気が溢れすぎる内容で、
表紙からして萌えとは隔絶した雰囲気を醸し出しています。
とはいえ、「恋と空戦」が「とある飛空士」シリーズのテーマですので、
千々石とユキの二人の恋物語も綴られていますが…
うん…、相変わらず切ない終わり方でしたね…
どこか「イリヤの空 UFOの夏」を思い出す読後感でした。

上巻の頃から伏線が張られてますし、「追憶」「恋歌」にも伏線があるので、
大雑把な先の展開は読めるんですが、詳細が判らなくてもどかしいんですよね。
面白いから早く次のページを読みたいんだけど、
「もしかしたらあいつが死ぬかも…」「上官が判断ミスするかも…」
と予想が先にたってしまい、ページをめくるのが怖くなるんですよ。
でもやっぱり気になって先を読んでしまうんですよね。

特に千々石がユキと最期に会うシーンは胸がしめつけられるようでした。
負けん気が強くて酒癖悪くても、ユキが一途で健気で愛おしく、
そんなユキのことを戦争で焦燥感が募れば募るほど思い出す千々石もまた切なくて…
二人とも夢を叶えたはずなのに幸せになれない”戦争”という無常さが悲しかったです。

そんな悲しくて愚かしい戦争の中で、戦友と共に大空を駆け、
宿敵との一騎打ちの果てに多大なる戦果をもたらしたサムライの英雄。
不器用だったけど、誇り高く、何よりも幼馴染の少女を大事に想っていた、
そんな最後のサムライの生き様が熱い一冊でした。

:: 2011/9/19 月曜日::

■[ラノベ]氷の俺と空気を読む衆愚と「灼熱の小早川さん」

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)
著者/訳者:田中 ロミオ
出版社:小学館( 2011-09-17 )
文庫 ( 264 ページ )
絵師サイト:「ni」のプロフィール [pixiv]

ヤバイ、面白すぎて死ぬ…!

これだ! これだよ! 田中ロミオはこれだから侮れないんだよ!
人類は衰退しました」のように毒を何重にもオブラートで包んだ作品ではなく、
AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~」のような禍々しい美しさが光り輝く作品が、
この「灼熱の小早川さん」でした。
いや、マジで田中ロミオぱねぇな!

空気を読んで上手く立ち回り、実家も裕福で勝ち組人生だったはずの飯嶋直幸が、
空気を気にせず規律と正論を以て集団の和を破壊する小早川千尋を観察するだけのはずが、
クラス代表になった小早川さんの独裁に対する緩衝材としてクラスの空気によって選ばれ、
内心嫌々だったけど、小早川さんが空気を読みながら行動していたことを知り、
そこから興味をもっていくと、クラスの別の面が見えてきて…

もうね、とにかく現代日本における空気を読むことを強制する雰囲気というものを的確に浮かび上がらせ、
それによって起こるクラス崩壊という小規模ながらも生々しい絶望が感じられて鳥肌モノですよ!
こういったことは現代日本では別に高校の一クラスだけに当てはまるものではなく、
帰納法的に考えれば現代日本そのものなのではないかな、と思ってしまいます。
それくらいに田中ロミオさんの文才っぷりは素晴らしかったです。

何度も作中で直幸が言ってますが、クラスメイトの一人ひとりは悪人ではなくむしろ良いヤツなんだけど、
空気を読む集団となると途端に問題児たちばかりになるという不思議。
しかも、数年前にモンペが起こした抗議活動により熱血教師達は牙を折られ、
生徒の自律によって運営されるはずが、空気を読むことを至上とする他律的な同調圧力がクラスを支配し、
現代の世知辛い友達地獄が醸成され、いじめが悪ふざけとされる怖ろしい雰囲気になってるんですよね。
閉じられた狭い世界だけしか知らない、ということの恐ろしさを実感させられます。

実際、何度か直幸はクラスメイトに委員会を頼んでいる時も、
頼まれた当人はこれっぽっちも罪悪感がなく「みんなやってるから」「これくらい大丈夫」
といった軽い気持ちで「まわりの流れと関係なく行動するのって幼稚」だという考えに流され、
それを当然として行動している様は、群青色な人よりも空恐ろしい透明っぷりでしたね。
空気を読むことの恐ろしさの片鱗を味わいました…

そしてそんな大衆を衆愚として認識せざるをえなかった中学生時代を乗り越えた小早川さんが、
必死になって規律を以てクラス崩壊を食い止めようと奮闘しているんだけど…
直幸の視点から語られる小早川さんの奮闘が全くクラスの衆愚に届かないのがもどかしくて腹立たしい!
生徒会とかクラス代表会議だとむしろ小早川さんみたいなのが当然なのに、
問題児クラスの1-Bでは孤立無援なのが読んでいて胸が締め付けられそうで、
だからこそ、直幸には頑張って欲しくて続きを熱望して読んでしまうんですよね。

というか小早川さんが実は可愛すぎる女の子であるギャップが素晴らしいんですよ。
いや、ラブコメ成分が少ない本作ですが、それでも充分萌えられるギャップ萌えでした。
6時に起床してまずやることが「啓蒙活動」という名の掲示板荒らしだとか、
直幸にヲチされる痛いブログ運営者でクラスの独裁者なのに、
一人でネコミミ&ネコしっぽをつけてたりするなんて正直反則ですよ!
そして、それまでの小早川さんの印象を吹っ飛ばすバレンタインでのあの台詞には、
正直キュンってきちゃいましたよ。

もう幾らでもこの面白さを語れそうなんですが、とにかく面白いから買って読んでください、
としか言いようがないです!
いやー、本当に素晴らしかった。
これだからガガガ文庫は侮れない…!

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