僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2017/5/11 木曜日::

■[萌え]自分への信頼「ラジエーションハウス」3巻

ラジエーションハウス3巻ラジエーションハウス3巻
出版社:集英社
原作者名:横幕智裕
作者名:モリタイシ
作者サイト:モリタイシ | note
作者twitter:モリタイシ (@moritai4) on Twitter
Kindle版:ラジエーションハウス (3)
Kindle版まとめ買い:ラジエーションハウス
DMM電子書籍:ラジエーションハウス (3)

リ・フラウメニ症候群で先天的な癌のリスクが高い患者に、
超音波エコーだけでなくMRIでの検査も提案する五十嵐。
杏は「一人の患者だけ特別扱いするべきではない」という正論の陰で、
自分の実力への不信を募らせていく…
そして、MRIの結果は…

デンスブレストと乳がんに関する話もこれで終わりです。
患者である千葉さんも頑張ったけど、五十嵐も頑張ったと思います。
幼い頃の杏にもらった勇気で、患者のために全力を尽くすんだけど、
その行動の結果で現在の杏を追い詰めていくのは無情でしたね…

これは… 辛い…
杏もこの若さで医師として期待されるくらいには勉強家なんですよ。
ただ、五十嵐はそれ以上に密度と質が高い勉強をしていただけで…
本人的には杏との約束を果たしたいという強い想いを原動力として頑張ってきたんだろうけど、
結果としてそれが杏を追い込んでいるのが辛いなぁ。
まだ精神的に破綻するところまではいってないけれど、
割りと危うい兆候だと思うのでこの先が気になります。
それと、五十嵐の想いが報われるのかも気になるところです。

そして自分への自信がないのは杏だけではなくて、
自分の実力以上の結果で就職できてしまった広瀬ちゃんも同じ想いを抱いているんですよね。

仕事をしていると自分の不勉強さを日々痛感するというのはかなり辛いです。
私も特に新人の頃は同じことを感じていただけに、
広瀬ちゃんには圧倒的な共感を抱いてしまいます。

結局、その自信のなさは自分が頑張るしかないんですよね。
もちろん五十嵐が患者に伝えたように一人が全能である必要はなく、相互補完で良いんですが、
自分への信頼は、周りが支えてくれてる間に頑張って成長するしかないわけで…
不勉強さが人命に直結する医療現場では悠長なことは言えないかもだけど、
杏も広瀬ちゃんも頑張って欲しいものです。

:: 2016/11/19 土曜日::

■[漫画]1分の1のあなたへ「ラジエーションハウス」2巻

ラジエーションハウス 2 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:モリ タイシ
出版社:集英社( 2016-10-19 )

原作者twitter:横幕智裕(@t_yokomaku)さん | Twitter
作者twitter:モリタイシ(@moritai4)さん | Twitter
Kindle版:ラジエーションハウス (2)
Kindle版まとめ買い:ラジエーションハウス

レントゲン、MRI、CTスキャン…
高度に発達した診断機器を駆使する放射線技師であり、
実は放射線科医の資格を持つ五十嵐唯織が、
幼い頃に交した甘春杏との約束を胸に、
医者として技師として患者と関わっていくドラマの第2巻です。

放射線技師が主人公の漫画とはいえ医療ドラマですので、
そういった意味での面白さは充分にあるんですよね。
滅多に見られないレ・フラウメニ症候群の患者と出会うとか漫画的ですし。

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でもそれに気付くことが出来た上で、
それに対処できるのは唯織が渡米して勉強した下地があってこそだし、
何より放射線技師としての腕が卓越しているからこそなんですよね。

杏ちゃんも医者としては充分に及第点だと思うんですよね。
唯織が撮影した病変を見てすぐに病気を見付けることができるし、
何より患者の心に寄り添った言葉をかけてあげられているし。
ただ、父親の後を継ぐという重責と経験不足が足枷となっているだけで…

唯織の方は同じ年齢でも渡米経験があるのが大きいですね。
マンモグラフィーだけでは乳癌を見付けられないデンスブレストの件もそうですね。

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熟練の医者が持つ勉強の時間を量と質で補っている感がありますね。
まぁ、そのせいで今後更に杏ちゃんにプレッシャーを掛けることになってしまうのですが…

しかし1巻の頃は唯織のことをただただ不憫としか思えなかったわけなんですが、
2巻になり杏ちゃんや患者さんの事情を知ることで、
一人一人に人生と悲劇があることが分かって、
どれも仕方が無いのかなぁ、と思いますね。

それら悲劇に触れないようにするのが大人の処世術の一つなんだろうけど、
思いやりがありすぎるというか、感受性が高すぎるが故に唯織はコミュ障なんでしょうね。

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でも、だからこそ、他人のためを思って素直に涙が流せるほどに優しい唯織だから、
医者としても技師としても優秀なんでしょう。
まぁ、それで損をしているのはやっぱり不憫だと思いますが…

不憫な唯織が報われる日が来るのか不安ではありますが、
何とか幸せになって欲しいですね。

:: 2016/7/19 火曜日::

■[漫画]医者をリードする医者の物語「ラジエーションハウス」1巻

聴診器、内視鏡、そしてレントゲンにMRI…
医療技術の進化に伴い仕事は細分化し専門家に任されることになった現代。
外科医や内科医と違い表に出てくることはないけれど、
患者の病気を診断する上で必要不可欠な専門家”放射線科医”

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この物語は放射線科医とそれを支える放射線技師の物語です。

主人公の五十嵐唯織は放射線技師としての腕だけでなく放射線科医としても有能ながら、
医師免許を持つことを秘密にしている事情とコミュ障なことから誤解されてばかりいて、
日本の医療現場からは爪弾きにされてばかり。
そんな状況でも放射線技師として働くのは幼い頃に交わした約束のため…

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約束を交わした相手である幼馴染みの甘春杏への想いも忘れられずにいたある日、
ダメ元で確認した甘春総合病院に放射線技師募集が出ていてたため喜び勇んで応募し、
無事採用されて杏と再会するも向こうは気付いてくれないばかりか、
子供の頃とは別人のように放射線技師のことを見下すようなことを言ってきて…

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グランドジャンプでモリタイシさんが作画をするということで興味を持ったんですが、
期待したラブコメ濃度は低いながらも予想しなかった面白さがありましたね。
実力がありながらも一部の人間以外誰も気付いていないシチュは漫画的に盛り上がりますし、
医療漫画としてのヒューマンドラマもしっかりとあって面白いです。

それにしても… 唯織の現状が中々に不憫だなぁ…
幼い頃の約束を果たすために努力を重ねて医師免許を取るだけでなく、
海外で学んで超一流の技術を持ちながらもコミュ障で誤解されてばかりで辛い…
それでも評価してくれる人がいるのには救われるんだけど、
肝心要の杏に誤解されてばかりなのが不憫で…

まぁ、杏も体調を崩して一線を退いた父を尊敬するからこそ肩肘を張り、
余計なプレッシャーを感じているからっていう理由もわかるんだけど…
うーん、なんとももどかしいなぁ。
でもそのもどかしさが面白さに繋がっているんだよなぁ…
面白さともどかしさの二律背反…!

また、医療技術的な面ですが初っ端の話がMRIで、
その次がマンモグラフィーというのがマニアックですね。

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最近は乳がんが巷間で話題になっている気がしますし、
そういった意味でもマンモグラフィーという題材は有りだと思います。
おっぱいを守るためにおっぱいに120Nも圧力を掛けないといけないとか、
見てるだけで痛いですがこれも必要なことなんだよなぁ…

技術的な意味での補足ですが、マンモグラフィーの被曝量が少ない理由ですが、
最近のマンモグラフィーの受像機はフィルムじゃなくてセンサーだからですね。
原理的な意味ではデジカメのCMOSセンサーと似たようなものなんですが、
X線はレンズじゃ曲がらないため撮影したい面積と同等のセンサーが必要になり、
シリコン基盤だと高価になりすぎるため液晶ディスプレイの工場で作ってたりします。
10年くらい前に仕事の関係で少しかじったことあるのでちょっと懐かしかったです。

医療漫画としてのヒューマンドラマも面白いですが、
モリタイシさんなので唯織と杏の関係にも注目していきたいですね!

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