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夏! 海! 青春!
:: 2013/7/12 金曜日::

■[漫画]今そこにある農業の現実「銀の匙 Silver Spoon」8巻

銀の匙 Silver Spoon 8 (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2013-07-11 )
コミック ( 186 ページ )

少年漫画っていうのは読者に夢を見せないといけないと思うんですよ。
冒険だったりラブコメだったりと色々な夢を少年に見せて魅せるのが少年漫画だと思うんです。
でも、農業というものはやろうと思えば手が出せる身近なものだからこそ、
下手に夢を見せて現実との違いを見せてもダメだとも思うんですよね。
そういった意味でもこの8巻は農業の残酷なまでのリアルをちゃんと見せていると思います。

野球に自分だけではなく、家族の人生を賭けていた駒場が大会敗退を契機に、
駒場牧場が倒産を決意するという残酷な現実が描かれてかなりキツイものがあります。
高校生というまだ子供な年代なのに現代日本の農業のもう一つの側面を、
きっちり描いているのは厳しいけど、正しいと思います。

そして高校生だからこそ、将来のことを考え始める訳で、
ここできちんと家族とコミュニケーションを取って人生の舵取りをしないと、
この後ずっと後悔することを考えるとアキは隣りに八軒という友だちが居て良かったですよ。
キッカケが駒場牧場の倒産という悲劇だったとはいえ、
ここで後悔しないようにアキが一歩踏み出せたのは良かったことだと思います。

しかしアキは本当にお馬鹿さんというか勉強が出来ない子なんですねぇ…
何となく見た目からそこそこ出来そうな気がしてたんだけど…(笑
そんなアキを相手にマンツーマンで家庭教師とか青春ラブコメとしては凄く美味しいけど、
御影父のことを考えると甘い雰囲気に持っていくのは難しいと思うし、
責任感の強い上にヘタレな八軒だと一歩踏み出すのは難しそうだなぁ。
でもまぁ、割りと相思相愛っぽいので将来は明るいんじゃないかな!
今後にも期待であります。

:: 2013/4/17 水曜日::

■[漫画]失敗してもまた跳べるよ「銀の匙 Silver Spoon」7巻

銀の匙 Silver Spoon(7) (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2013-04-18 )
コミック ( 176 ページ )

エゾノー祭開催当日、過労で倒れてしまった八軒。
誰よりもエゾノー祭の為に全力を傾けて頑張ってきた八軒に対しての無情な結末。
この7巻では八軒と駒場の二人が「どれだけ頑張ろうとも報われるとは限らない」
という残酷なまでに無慈悲な現実に直面することになります。

過労で倒れた八軒を見舞った父親との対面は今の八軒にはまだ辛くて…
まぁね、あんな強面で弱さを見せない父親が相手だとコンプレックスが刺激されるのも分かります。
八軒の父親は先生相手でもそうだけど正論を直裁に切り込んでるだけで、
特に間違ったことを言ってないんですよね。
でも、だからこそ八軒はコンプレックスを感じてるんだろうなぁ…
精神的マッチョには挫折して心を折られる精神の持ち主の気持ちを理解するのは難しいんだろうな…

誰も見舞いに来てくれない入院生活と、父親のことで凹んでいた八軒が、
仲間たちによって励まされて元気が戻っていったのは単純に嬉しいですね。
父親には伝わらなかったけど、仲間が出来たことで得られたことがちゃんとあるのは嬉しいことです。
まぁ、恋愛方面は仲間の助けがありながらも順調とは言いがたいのはアレだけど…(笑

そしてもう一人、野球に全力を注ぎ込んできた男、駒場一郎。
八軒も全力を振り絞ってましたが、駒場は”人生”を賭しての全力。
しかも自分一人どころか、親と妹たち含めての”人生”が掛かった頑張りすらも、
一瞬の突風のせいで全てご破算になってしまうという無慈悲さの本質には、
次の8巻で八軒たちも知ることになるでしょう。

今回は農業ネタは少なめで、少年たちの青春が描かれてましたね。
しかも「努力が必ず報われるとは限らない」という残酷な現実が。
それでも「失敗してもまた跳べるよ」という希望もちゃんと示唆されてるんですけどね。

これからもそういった重いネタがあるとは思いますが、
それ一辺倒にならない、少年漫画らしさを失わせない面白さがありますので、
今後とも楽しみにしていきたいです。

:: 2013/1/22 火曜日::

■[漫画]いずれ菖蒲か杜若「銀の匙 Silver Spoon」6巻

銀の匙 Silver Spoon 6 (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2013-01-18 )
コミック ( 186 ページ )

「銀の匙 Silver Spoon」がノイタミナ枠でTVアニメ化とのことでおめでとうございます。
漫画の面白さを考えるとTVアニメになっても充分映えるでしょうし、
これでより多くの人に知って貰えるかと思うと歓迎すべきことなんですが…
夕方のゴールデンタイムでやって欲しかったなぁ、とも思ってしいます。
できれば家族揃って見て欲しいなぁ、と。

さて、漫画本編はエゾノー祭を控えての馬術部の秋季大会。
ここで新キャラである南九条あやめが登場するんだけどこの娘のキャラが濃くて凄い!
アキの幼馴染なんだけど金髪縦ロールというド派手な髪型で、
貴族的な振る舞いをしつつも実家はただの農家というギャップ!
そして全体的に漂う愛すべきバカっぽさは見ていると和んでしまいますね。(笑

そんな新キャラが登場する大会はどちらかというと長閑で緩やかな雰囲気とはいえ、
そこは八軒を含むエゾノーの初心者集団はどうしても緊張してしまいますよね。
そんな中で八軒は相棒であるマロン号と健闘するんだけど後一歩で届かず…

緊迫感が漂う大会ではないし、みんな和気あいあいとしたものなんだけど、
それでも精一杯やって上位に届かないという現実は悔しいことこの上ないんですよ。
それが勝負というものだし、本気でやっているという証左な訳で…
八軒はこの悔しさをバネにしてより努力を重ねることが出来る奴だと思うので、
次こそは上位に食い込んで欲しいですね。

そしていよいよエゾノー祭の準備が本格化する中で、
遂に八軒が一歩踏み出してアキとの仲を深めようとするもアキは相変わらずニブい!(笑
女子寮の面子が色々とダメ出しや助言をしたことで、
やっとアキも八軒からの好意を自覚するようになるんだけど、
そうなってからのアキのリアクションにはニヤニヤしっぱなしでしたね。(笑
それはそうと、女子同士ではこういった赤裸々な会話がなされているんだなぁ…
と別な意味でも感慨深かったです。

しかしそんな青春模様の真っ最中に過労で倒れる八軒という、
ショッキングな出来事が起こってこの6巻は終わるわけでして、
7巻が待ち遠しい構成になっています。

:: 2012/10/19 金曜日::

■[漫画]跳べ! 若人よ!「銀の匙 Silver Spoon」5巻

銀の匙 Silver Spoon 5 (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2012-10-18 )
コミック ( 186 ページ )

エゾノーは秋になってもやるコトがいっぱい!
アキと駒場のことが気になっても待ってくれないイベントラッシュ!
秋の野球大会に馬術部の新人戦に実習での牛の直腸検査にエゾノー祭の準備!
しかしそんな中でもサラっと面倒事を背負い込むのが八軒なのであった。

今回は掃除中に拾った犬を八軒が面倒見ることになって、
犬を飼うことのリアルな負担(金銭的な意味で)だったり、
エゾノー生の逞しき自立性が垣間見えたりと色々な面が見えてきて面白いです。
常磐の頭の悪さも見えてきたりね…(笑

秋の野球大会での駒場の頑張りに触発されるとか、
何とも若人らしいけど、八軒は馬術で壁にぶち当たって…
そこで中学時代のコンプレックス故に焦れば焦るほどドツボにハマるとか、
何とももどかしいんだよなぁ。
ただ、周りの助けもあって、そこを乗り越えるのは何とも青春して清々しいです。

エゾノー祭での出し物も甘い見積もりで問題は次々出てくるけど、
簡単に諦めたりせずに一つ一つ乗り越えていくのも気持ち良いんだよなぁ。
それはそれとして、次々に集中していく八軒の仕事量は社会人でも潰れちゃうよね!
若い内の苦労は買ってでもしろというから、将来に糧になるよ! きっと!

それはそうと方言コンプレックスなアキは萌えポイント高かったです。
それと表紙ですが、多分6巻とひとつなぎの左右対称になる予感。

:: 2012/7/20 金曜日::

■[漫画]豚丼の思い出「銀の匙 Silver Spoon」4巻

銀の匙 Silver Spoon 4 銀のスプーンつき特別版 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2012-07-18 )
コミック ( 186 ページ )

頼まれたら断らない男、八軒が苦労を無駄に背負い込みながらも導き出した当面の答え。
それが丹精込めて育てた豚「豚丼」が精肉されたものを買うことだった!
生命を育て、その生命を自らの手で奪うことで食を得るという正解がない命題に、
「ここでいい」と諦めることなく藻掻き続ける青春農業物語!

今までも近い命題を描いた漫画作品は多々ありましたが、
「農業高校」と「豚」という比較的身近に感じることができる題材で、
それに元進学校という一般人に近い主人公だからこそ感情移入もよく出来るんですよね。
こういった漫画が少年誌でやっているというのは非常に有意義だと思う訳ですよ。

とはいえ、命題(テーマ)が重いせいで読みづらかったら意味がない訳でして、
そこを考えるとこの作品はコメディとのバランス感覚が本当に優れているなぁ、
と感心することしきりです。
今回もベーコンを買いに来た女子生徒が八軒への恋の告白っぽくて笑えたし、
それを見てまたも固まっているアキとか凄く萌えましたしね!

何より八軒がちゃんと男子高校生的なトコを見せてくれるのがより親近感を持つというか。
勉強を押しつける親への反抗心、友だちと一緒にやるバカなこと、
気になるあの子に一歩踏み出してみたら拒絶される絶望感、
そして気になりだしたら止まらない悶々とした思いにブラという単語にドキドキする下心!
いやー、八軒ってばやっぱり男の子だよなぁ。

農業に縁のある人にとっても面白いですけど、
それ以上に農業に今まで縁がなかった人にこそ読んで欲しい漫画です。

:: 2012/4/22 日曜日::

■[漫画]豚丼、豚になる。そして八軒が下す決断は?「銀の匙 Silver Spoon」3巻

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2012-04-18 )
コミック ( 192 ページ )

マンガ大賞を受賞した「銀の匙」3巻は夏休み終盤から新学期の始めまでが収録されています。
農業高校に通う少年少女たちが進路に悩み、家畜を通して命との付き合い方を考え、
そして時には男女の仲が気になったりする農業青春グラフィティーです。

八軒がバイト先で駒場のトコの双子幼女から採れたてトウキビを貰ってその美味しさに驚いてましたが、
野菜とか果物は採れたてが基本的に一番美味しいですよね。
イチゴ狩りで苺を食べたことある人とかは少しは判るんじゃないでしょうか。
牛乳の美味しさとか、ココらへんは「百姓貴族」でも同じ事言ってましたよね。
そんな天然で美味しい食材すら不味く調理する八軒の兄貴はある意味凄いと思います。(笑

そして学校に戻ってきたら豚丼を中心とした命を貰うことに考える日々を過ごすことになるんだけど、
最後に八軒が出した結論は単なるセンチメンタルな理由ではないとこが面白いです。
また、その結論を出すために苦行とも取れる行いを積極的に行ったりして、
不器用なのかも知れないけど、愚直なトコは案外悪くないと思います。
こういうバイト代の使い方は全然アリだよなー

それはそうと3巻にして遂にラブコメの片鱗が見えてきましたよ!
夏休み中、一つ屋根の下で過ごしておきながら全く何もなく、
同じクラス、同じ部活で一緒に過ごすことが多いのに、
何の進展もなかったのに、常磐が流した噂を聞いたアキのあの表情!
やっぱり青春の醍醐味は恋ですよね!(結論

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