フラン☆Skin

国交樹立記念パーティーにアンヘルに伴われて参加することになったレミリア。
「エミのレミリア」として、善性の塊のような行動を取りながらも、
その裏では性悪聖女のピナを断罪するための段取りを完璧に整え、
復讐を完遂するための行動を開始するのだった…！

ついに完結巻です！
連載が更新されたらSNSがそれ一色になるくらいに毎度盛り上がったし、
最終回はトレンド1位を取るくらいに面白かったですからね！
それを体験していると、単行本では当時の盛り上がりを追体験できて二度美味しいです。

この最終巻では、まず竜虎相打つ的な表紙にはちょっと笑っちゃいましたけど、
話の展開もそのまんまな内容なので、何も間違ってないんですよねｗ
もっとも、レミリアはパーティーではこんな本性を曝け出すような表情を見せてないので、
そこはご安心下さい。

まず、ピナの「小学生女児が考えたような色々と盛り盛りなドレス姿」のお陰で、
レミリアの「エミが育ててくれた身体の魅力を引き出すドレス姿」が引き立つんですよね～

そしてその見せ方がとても上手い！
ここぞという時に登場してくるレミリアが最高なんですよ！

そして悪役令嬢たるレミリアが行う断罪劇ですが…
ピナの性根の悪さがこれでもかというほどに伝わってくるので、
罪悪感なく、とてもスカッとするんですよね！
今まで散々悪事を働いてきたのに「なんであたしがこんな目に！」と本気で思えるとか、
本気で頭がおかしいし、そこがまた笑えるんですよね…ｗ

そんなピナを完膚なきまでに叩きのめすために、
スフィアの正義感まで計算に入れて、公衆の面前で子細を詳らかにし、
更には「エミのレミリア」らしい善性を見せつつ煽るとか…
レミリア様、とっても良い性格をしていらっしゃいますよね！
善の皮を被った悪って感じがして最高です！

そして断罪されるピナですが、頭の回転が悪い子なので、
簡単にレミリアの手玉に取られてて笑えるし、
「は？」の四段活用からの顔面から大量に汁を振りまきながらの悪あがきは、
もう最高にエンターテインメントでしたよ！ｗ

断罪されるのはピナだけど、
原作者の性癖もあって「自業自得で失恋して泣いてしまうイケメン」がこれでもかと描かれてて、
そっちの味わいも素晴らしかったですね～…

ウィル王子が思い出すレミリアの姿はエミの面影が深いけれど、
今のレミリアは本来のレミリアだからねぇ…
過去にばかり目を向けて、今を直視していないという暗喩なのかもしれません。
それはそれとして、イケメンたちの見事な散りっぷりが最高でした…ｗ

断罪劇では原作にはなかったドレリアス夫人とロレーヌ子爵という観衆のお陰で、
劇としての面白さを見せてくれましたね。
まさかコミカライズで生えてきたモブキャラがここまで良い味を出してくるとは…ｗ
本当に、良いコミカライズをされましたねぇ…

最終回ではアンヘルの求婚という、乙女ゲーム的なクライマックスを迎えましたが…
レミリア自身はアンヘルのことを好ましく思ってはいるけれど、
愛しているというほどではなかったっぽいんですよね。
ただ、レミリアが演じる「エミのレミリア」から、
エミらしさをちゃんとアンヘルが受け取っていた、というのが琴線に触れたのでしょう。
レミリアにとって一番大切なのはどこまでも言ってもエミだけで…
でも、そのエミらしさを大事にしてくれるなら、愛することができるという事なんだなぁ…

エピローグではついにエミの魂と邂逅することができたレミリアなんですが…

今まで見ることができなかったレミリアの色々な表情が見られて良かったですね！
お互いが最推しという二人は尊かったし、
嬉し涙を流すレミリアたんには涙腺を刺激されました…

単行本描き下ろし漫画はレミリアの子供として生まれ変わったエミが可愛かったし、
そんなエミを可愛がるレミリアの表情が演技ではなく、素で嬉しそうで良かったです。
原作の番外編を上手く取捨選択して、とても綺麗にまとめてくれましたね！
素晴らしいです！

そんな本作もついにアニメ化ですか…！

┈┈┈⊹⊱❖⊰⊹┈┈┈#悪役令嬢の中の人
アニメ化企画進行中

┈┈┈⊹⊱❖⊰⊹┈┈┈ pic.twitter.com/LKBjqsSAUe

— 『悪役令嬢の中の人』公式 (@nakanohito_pr) June 25, 2025

まず間違いなくコミカライズ版準拠になるでしょうね。
全6巻なので1クールで綺麗に収まるでしょうし、今からとても楽しみです。

悪役令嬢レミリアの身体に転生した、レミリア激推しなエミ。
そんなエミからの無償の愛を10年以上受け続けることで、
そのまま魂の奥底で大人しく眠っているはずだったレミリア。
しかし、エミを貶めたピナと、裏切った元婚約者たちのせいでエミの魂が眠りについたため、
眠りから目覚めたレミリアがエミの善意を模倣しながら悪意100％で動き、
世界を救いながら復讐を行う物語の第5巻です。

遂にレミリアの復讐が始まったのですが、まだまだ前菜です。
元婚約者のウィリアルド王子を笑いものするだけでなく、
腹心の乳兄弟すらも切り崩していますが、これでもまだ序章でしかありません。

その序章で活躍するのは原作では殆ど描写されなかった側室の子である第一王子エルハーシャ。
このコミカライズでは表紙に抜擢されるほどの大活躍をされています。

エルハーシャ王子は王位継承で揉めないために道化を演じていただけで、
本来は有能で部下にも恵まれていた…
という設定がコミカライズで生えてきたみたいなんだけど、
それがまぁ、とてもしっくりくるんですよねぇ…

そんな有能なエルハーシャ王子ですら、
本人が気付かぬままレミリアの手駒になって活躍しているんですよ。
本当に、どこまでも広く、そして深く張り巡らされたレミリアの陰謀が凄い…！

で、一番驚いたというか、笑ったのがエルハーシャを見たピナのリアクションですねｗ

さすがは逆ハー志向の尻軽ビッチ…！
ゲームよりもイケメン度アップな王子様に簡単にトキめいてくれるとはね…！
原作にはなかったけれど、ピナなら間違いなくこうなるだろうな！
と納得させるだけの説得力があるんですよね！

元々顔芸が多彩なピナですが、
逆ハーと贅沢生活に胡座をかいている間にレミリアが完封したため、
後の祭り状態になって手玉に取られて、そりゃもうあほ面サラしまくりなんですよね！
それがもう愉快痛快で…！
これほど「ざまぁ！」と思わせてくれるものもないだろうって感じの顔芸でした。

でも復讐はまだ始まったばかりです。
レミリアの手によって、念入りかつ丁寧に組み上げられた復讐のフルコースは、
次の6巻でメインディッシュを迎えますよ…！

今までも極上のコミカライズを見せてくれた白梅ナズナさんですから、
クライマックスは我々読者の期待を軽く上回ってくれるでしょう！
今からメチャクチャ楽しみです！

乙女ゲーの悪役令嬢レミリア・ローゼ・グラウプナーに転生した女子大生のエミは、
悲劇の運命から最推しのレミリアを救うために奔走し、人徳を積み上げていた。
だが、ヒロインである星の乙女の身体を乗っ取って転生した悪女の悪意ある言動で貶められてしまう。
絶望したエミが深い眠りについたことで、エミの無償の愛に守られていた本来のレミリアの魂が覚醒し、
愛するエミを傷つけた者たちへの復讐を決意するのだった…！

4巻が発売されたのを機に全巻一気買いしたんですが、面白いですね！
思わずWeb原作まで遡って読んでしまいましたよ。
タイトルだけでは意味がわかりませんでしたが、
pixivで公開されている第二話まで読んだら意味が分かりました。
なるほど、悪役令嬢の”中の人”という意味はそういうことだったんですね。

主人公であるレミリアは属性：悪なんだけど、
属性：善のエミに身体を乗っ取られることで、
エミの惜しみないレミリアへの無償の愛を知ることで人の幸せを実感するんですね。

親には与えられなかった裏表のない愛情をたっぷりと享受することで、
属性に反してエミが幸せになって欲しいという気持ちを抱くことになるんですよ。

エミは不幸な境遇だったレミリアが幸せになって欲しくて奔走し、
レミリアはそんなエミの姿を見てエミとしてのレミリアが幸せになって欲しいと望むという、
とても良い至高の百合循環が形作られていたのです。

問題は乙女ゲーのヒロインであるピナに他罰的で性悪で考えが浅いクソ女が転生してきたことです。

ピナの中の人はこの世界をあくまでゲームとしてしか見ていないので言動が浅く軽いため、
エミが地道に培ってきた人徳には勝てないんですよね。
そこで課金アイテムと、悪意で捏造された証拠という卑怯な手段でエミを貶めるあたり、
本当に性根が腐っていると思います。

真っ正直な善人であるエミはこういった性悪なクズとは相性が悪いんですけど、
属性：悪であるレミリアならば話は別です。
愛するエミを絶望の闇に落としたピナと、それに賛同した元婚約者への復讐を誓い、
エミがレミリアのために鍛えてくれた肉体を使って行動を開始することになるのです！

レミリアの目的は復讐であり、ピナへの悪意100％で動くことになるんだけど、
エミが望むレミリアらしい行動様式が大原則となっています。

行動と結果だけ見れば間違いなく聖女だし、
実際に追放された先の村民たちには聖女だと慕われているんだけど、
全ての行動原理はエミへの愛情だけという歪さが面白いんだよなぁ…

そして白梅ナズナさんの作画力が素晴らしいのですよ。
原作はわりと淡々というか、情感が薄い描写なんですけど、
このコミカライズでは表情に感情が乗りまくっているんですよね。

それによって原作には無かった面白さが溢れているんですよ。
さながらレミリアがエミを深く理解し、愛しているように、
白梅ナズナさんが原作を深く理解し、愛していることが感じられるのです。

4巻までで復讐の下拵えがほぼ終わったので、
5巻以降はメインディッシュである復讐パートに入ると思います。
これからの展開が今から楽しみでなりません…！