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:: 2012/12/17 月曜日::

■[ラノベ]命の価値は「のうりん」5巻

のうりん 5 (GA文庫)
著者/訳者:白鳥 士郎
出版社:ソフトバンククリエイティブ( 2012-12-17 )
文庫 ( 360 ページ )
作者サイト:のうりんのぶろぐ
絵師サイト:ticketchan

カラー口絵がそのまんま機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-のジャケットだったり、
帯のキャッチコピーからも分かるように今回は機動戦士Zガンダムネタが多いです。
特に始業式での帰国したおっぱいさんもとい、良田さんと継の演説は正にZでしたね!
まぁ、今のライトノベル読者層のどれくらいが分かるのかは疑問なんですが…(笑

そういったパロネタが相変わらずところ構わず使われており、
BLEACHなんてまだメジャーな方で、変態仮面とか今の若い子に分かるのかと!(笑
今回は林檎ちゃんが部活に所属する必要が出てきたということで部活ネタになったんですが、
その際に他レーベルを含む新旧部活モノを次々にネタにするのは大丈夫なのかと!
そして「僕の股間はエレクトリカルパレード」は別な意味で危険球だと思います!

しかしそういった軽いネタをやりつつも今回は農業で避けて通れない重い畜産関係がテーマです。
ただ、誤解しないで欲しいのは説教くさいだけの内容にはなっておらず、
しっかりとしたエンターテイメント作品として成立しているということです。
銀の匙 Silver Spoon」という前例があるように重いテーマとエンターテイメントは両立出来るのです。

それにしても今回は林檎ちゃんの活躍は当然あったんですが、
メインヒロインは誰かと問われればやはり良田さんになるのかな、と思います。
ただのおっぱいキャラではなく、思わずクンカクンカしてしまうほどに継のことが大好きで、
それでいて牛のことを誰よりも真剣に考えている彼女はどこまでも可愛くて美しかったです。
まぁ、継の前で陰茎勃起とか言い出した時はどうしようかと思いましたけども。(笑

共進会での牛の調教の披露、といったノンフィクションネタも交えつつ、
マカダミアナッツといったトンデモ動物愛護団体のフィクションとノンフィクションの境目のネタ、
獣医の口から語られる日本の歪な生命倫理事情といった真剣な問題提起があるのは考えさせられます。

そして誰よりも真剣に考えているからこそ悩んでしまう良田さんを、
最後には林檎ちゃんの純粋な願いが動かす場面には本当に心を揺さぶられました。
もちろん、心が揺れたのは切符さんのイラストがあったればこそだとは思います。
元とはいえアイドルなのに、顔を真っ赤にして体面もなく涙を流す林檎ちゃんを真っ正面から描いたからこそ、
読者へ訴えかける何かが生まれたんだと思います。

今までの「のうりん」では笑いを取る手段として活用されてきた絵師とのコラボレーションですが、
この5巻では一歩先に踏み込んだ領域に入ったかな、と感じました。
あらゆる意味で既存のラノベ作品とは違った面白さがある傑作だと思いますので、
是非とも読んで欲しいです。

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