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:: 2025/11/9 日曜日::

■[漫画]ドグラ・マグラの物語「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と虚ろな夢」3巻

父・康明が遺した本が祖父によって売られようとする恭一郎と、
ビブリア古書堂の娘である扉子。
二人が古本市で出会い、ちょっとした事件を解決していたけれど、
恭一郎の両親の謎は残されたままで…

ついに栞子さんが本格登場ですね!

やはり栞子さんは若々しくていらっしゃる!
これで一児の母なんだからなぁ。
扉子みたいな快活さはないけれど、
このしっとりとした美しさは前シリーズから変わっておられませんね。

とはいえこのシリーズはこれで最終巻です。(扉子シリーズはまだ他にあるのですが)
恭一郎の視点でのみ語られることになったこのコミカライズですが、
お陰でかなり読みやすく、面白くなっていると思うのです。
だからこそ、栞子さんの登場シーンが少ないのが残念ですが…

この3巻で語られるのは「ドグラ・マグラ」という作品の奥深さと、
祖父が父・康明の蔵書を売ろうとした謎の解明ですね。
正直、後味としてはちょっと良くなかったというか…
原作を読んだ時もゾワリとしたものですが、
それはこのコミカライズでも同じでした。

まぁ、色々な意味で残された母・佳穂さんが心中穏やかではないのは理解できるんですが、
その行動原理は狂っているとしか思いませんでしたね。
「ドグラ・マグラ」を読んでいるとおかしくなる、という話ですが、
この結末も読んでいるとおかしくなりそうでした。

面白い作品であったことは間違いないのですが、
これで完結なことだけは残念ですね。
できれば他の扉子シリーズも読んでみたいのですが、
そちらは恭一郎が出てこない話もあるので、
完全に別シリーズみたいな感じで再構成しないといけないので大変だと思います。

ただ、読んでみたくはあるので…
続きができそうならば、お願いしたいところです。

:: 2025/1/20 月曜日::

■[漫画]扉子が可愛い…「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と虚ろな夢」2巻

父が自分に遺した千冊の本を祖父が売るのを手伝うことになった恭一郎が古本市で出会ったのは、
ビブリア古書堂の娘にして無類の本好きである扉子。
古本市で巻き起こる些細な事件を解き明かす扉子だけど、
恭一郎が抱える問題はまだ輪郭が見えてこなくて…

この2巻で恭一郎の両親の事情が少しずつわかってきますが、
これは誰が悪いというのではなく、運が悪かった、という話なんですよね。
誰もが悪くなくて、精一杯だったんだけどね…

物心ついた時には離婚していた両親だけど、
それも父が事故で記憶を失い、身元が分からない状態だったからだし、
母も貧困と不信で精神が参っていただろうし…
高校生の恭一郎には重い事情だったと思います。

そんな両親のお互いへの心遣いがわかる樋口一葉のエピソードですが、
樋口一葉について尋ねられた時の扉子が可愛かったですね。

ほのかに先輩風が感じられるし、
自分の好きなことに興味を持って、頼って貰えたことに対する喜びが窺えるし、
とても良い表情をしていると思うのですよ。

このコミカライズの素晴らしいところは、
扉子というキャラクターへの理解度と、
それを表現する扉子の表情だと思うんですよね。

さて、そんなコミカライズも原作3巻のエピソードも残り僅かになったので次巻で完結です。
できることなら1,2巻や4巻もやって欲しいところですが…
1,2巻はメインが栞子さんだし、4巻は3世代が主人公だし大変だろうなぁ…
でも、読んでみたいですね。

でも、まずは栞子さんが本格登場する次の3巻ですね。
楽しみです。

:: 2024/8/7 水曜日::

■[漫画]第二シーズン、コミカライズ開始!「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と虚ろな夢」1巻

根強い人気を誇る「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズですが、
贔屓目に見てもメディアミックスに恵まれているとは言えませんでした。
ただ、第二期とも言える扉子がメインとなるシリーズのコミカライズである本作は、
かなり成功している部類だと言えるクオリティになっていると太鼓判を押せる面白さです。

こちらのコミカライズは扉子シリーズの原作3巻から開始という思い切った始まり方ですが、
原作既読の私からしても、これは英断だと思います。
扉子が女子高生となり、本格的に事件に関わるようになったのはここからですしね。

扉子は母親の栞子さん譲りの美貌と本好きっぷりだけど、
性格は結構違うんですよね。
こういった愛くるしさは、確かに扉子らしいな、と感じます。

今回の物語は古書店「虚貝堂」店主の杉尾さんが息子の遺産である本千冊を古本市で売却するのに、
孫であり、遺産を受け取るはずの樋口恭一郎くんがアルバイトとして駆り出されるところから始まります。
生まれる前に離婚していた父のことに詳しくない恭一郎は当然古書のことについても不案内なんですが、
古本市のアルバイトで扉子と出会うことから、本の世界へと足を踏み入れていくんですよね。
名前の通り、扉子は恭一郎が新しい世界へと入るための扉の役割を担っているわけです。

まだ1巻ということもあり、ビブリア古書堂とはどういったものなのかの説明からやってくれますし、
それに発生する事件も古本市でのちょっとした窃盗なので物語に入りやすいです。
原作の事件がきちんと描かれているのはもちろんなんですが、
とても良い意味で原作を補完、というか、補強しているんですよね。

たとえばこのシリーズの魅力の一つはキャラクターの個性だと思うんですが、
それが漫画としてわかりやすく見せてくれているんですよ。

原作にはこういった描写はなかったのに、とても扉子らしいと感じましたし、
恭一郎が妹を寝かしつけるシーンも、原作で読んだことがあるような気持ちにさせられました。
作者の庭春樹さんは、とても原作を読み込んでいらっしゃいますよ。

原作の面白さは充分にある上に、それを崩さずに、新たな魅力を引き出せている良いコミカライズです。
次巻以降も、とても楽しみです。

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