僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2009/8/13 木曜日::

■[漫画]若人よ、どんどん藻掻け!「3月のライオン」3巻

3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)
著者/訳者:羽海野 チカ
出版社:白泉社( 2009-08-12 )
定価:¥ 510
コミック
ISBN-10 : 4592145135
ISBN-13 : 9784592145134
作者サイト:羽海野チカ________umino*chika

ほっこりするんだよなぁ…
この漫画を読むと凄くほっこりするんですよ。
こう、具体的にこの面白さを言葉で表せないのが凄くもどかしいんですけど、
兎に角面白いんですよね。

この漫画では将棋は重要なテーマの一つなんですけど、
「ヒカルの碁」や「月下の棋士」といった作品とは違い、
主人公の桐山零という人物のドラマを描こうとして、
桐山くんが棋士だから将棋を描いている、という感じがします。

風邪で倒れた時に触れた川本家のこたつのような暖かさに癒される。
そして、どうしても勝ちたい相手を前に全力を出そうとし、
視野狭窄に陥り、そこに気付いて恥ずかしくて堪らないとか若さだよなぁ。
今回は多くの大人たちに支えられ、僅かながら桐山くんは一歩前進したように思えます。

そして今回一番良いと思ったのは桐山くんの学校の先生の言葉。

「一人じゃどうにもならなくなったら 誰かに頼れ
 ―でないと実は 誰も お前にも 頼れないんだ

出席日数の計算間違ってることもあるけれど、重要なことを教えてくれる良い先生だと思います。

良いなぁ…
ほっこりする。

:: 2008/11/30 日曜日::

■[漫画]将棋とホームドラマと…「3月のライオン」2巻

3月のライオン 2 (2) (ジェッツコミックス)
著者/訳者:羽海野 チカ
出版社:白泉社( 2008-11-28 )
定価:¥ 510
コミック
ISBN-10 : 4592145127
ISBN-13 : 9784592145127
作者サイト:羽海野チカ________umino*chika

ハチワンダイバーのように熱さと勢いがメインの将棋漫画ではなく、
若くしてプロ棋士になった桐山零の人生とその孤独の痛みと、
それを癒す東京下町に暮らす川本3姉妹の物語です。
喜怒哀楽が感じられて心の傷に染み、そして癒されるんですよね。

幼くして両親を亡くし、亡き父の親友でプロ棋士の内弟子として育った零が、
その環境故に必死でプロとなり自立するも人生はそれで終わりではなく、
果てしなく続く人生の苛酷さに絶望し、怠惰を受け入れようとしてしまう―
この場面が心理描写の巧みさも相まって凄く共感できてしまうんですよね。

そこから下町育ちの川本3姉妹や自称親友の二海堂といった他人との触れ合い、
また、次女ひなたの片思いの相手で野球少年の高橋くんという知己の獲得、
そういった人と人との交わりが孤独を癒し、零の人生を豊かにし、
そしてこの物語をより一層深みのある面白さにしてくれます。

ただ人生という名の辛苦は間断なく襲ってくるもので、
姉弟子であり、零に恋愛のトラウマを植え付けた香子が現れることで傷を抉り、
対戦相手となる先輩棋士の姿に哀れみや同情だけでなく、
どこか深く感じ入る所を見付けることもあれば、
自身の怠惰による失敗を他者に当たる人にどうしようもない怒りを感じ、
叫ばずにはいられないその荒々しさもまた零なんだなぁ、と深く感じ入ります。

深い作品なのでじっくりと読んでいきたい作品です。

:: 2008/2/23 土曜日::

■[漫画]羽海野チカ最新作「3月のライオン」1巻

3月のライオン3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス)
著者/訳者:羽海野 チカ
出版社:白泉社( 2008-02-22 )
定価:¥ 490
コミック
ISBN-10 : 4592145119
ISBN-13 : 9784592145110

桐山零 17歳 ――職業 プロ棋士。

美大での若人たちの青春を描いたハチクロの作者が次に選んだ題材は何と『将棋』
しかも青年誌「ヤングアニマル」での活動と更に読者を驚かせる行動ですが、
一番驚かされるのはその面白さ。
誌面から滲み出るかのような優しさ、暖かさ、そして寂しさ―。
それらが複雑に絡まり合いながら読む者に伝わってくるんですよ。

子供の頃に家族を亡くし、引き取られた先でも複雑な環境で育ち、
孤独の寂しさを長年味わった、ともすれば根暗とも取られるような寡黙な主人公。
そんな桐山零が住む下町で出会ったあかり、ひなた、モモの三姉妹が、
零が抱える凝り固まった『孤独』という病を下町の暖かさでもって、
優しく、少しずつ、そして丁寧に解きほぐしていく物語。

多くは聞かず、多くは口出さず、ただ自然体で接してくる三姉妹。
そんな三姉妹と自称終生のライバルの二海堂に翻弄されつつ、
日々の葛藤を噛みしめ、ゆっくりと前を歩んでいく零。
人と人との触れ合いの温かみがここにはあります。

零や三姉妹の事情も断片的に、少しずつ露出して、
過度な説明になりすぎないように、自然と理解できるように描かれており、
じっくりと味わうことが出来る作品です。
少女漫画が苦手な男性も、青年誌に気後れする女性にも読んで貰いたい面白さです。

まぁ、それはそれとして巻末のオマケ漫画には笑った。
あずまきよひこ先生も罪な人だなぁ…(笑

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