僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2015/12/14 月曜日::

■[漫画]パリヤさんの結婚騒動記「乙嫁語り」8巻

乙嫁語り 8巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2015-12-14 )

Kindle版:乙嫁語り (8)

Kindle版まとめ買い:[まとめ買い] 乙嫁語り

久しぶりの「乙嫁語り」の新刊ですが、
まずは心を落ち着けるためなのか7巻で出てきたアニスとシーリーンの、
二人の姉妹妻にして乙嫁のその後が描かれているんですが、
二人が仲睦まじいだけでなく、シーリーンがアニスの成長を促して、
夫婦仲をより良くさせているところはとても心が豊かになりますね。

そんな平和な情景とは真逆なのがカルルクたちの街で…
襲撃者を撃退できたとはいえ被害は甚大で、
特にパリヤさんの実家はほぼ全壊の憂き目に…
焼き物をやっていたこともあり財産といえるモノも壊れたんだろうなぁ…
命があっただけでも良かったのかもしれないけれど、
それにしたってこれはツラい。
パリヤさんじゃなくても悲観的になるのも仕方ないと言えるかな。

特にパリヤさんにとっては嫁入り用の刺繍がほぼ台無しになったことで、
婚期が更に遅れてしまうのが大変ですね。
でも、ピンチをチャンスに変えると言いましょうか。
下手だった刺繍の腕も、おばあちゃんの指導によって上がっていくのは良かったですね。
そうなんだよなぁ、おばあちゃんの言う通りなんですよ…
何事も「今の自分の実力では難しい」事に挑戦して乗り越えないと上達しないんですよね。
手癖でサクサクっとやっちゃうのが手っ取り早いんだけど成長はない。
時間と手間を掛けて勉強して、習得して、少しずつ前進する以外に方法はないんだよなぁ。
まぁ、その原動力に恋心があるところがパリヤさんの可愛さなんですけどね。
お相手も良い人っぽいし、上手くいってくれると良いんだけどなあ。

そんなパリヤさんが理想とするカモーラさんは確かに可愛かったです。
でもカモーラさんやアミルが言うようにパリヤさんにも良いところもあるので、
アニスとシーリーンみたいな姉妹妻とまでは言わないけれど、
二人が良いお友達の関係を築けると良いな、と思いますね。

それと巻末あとがき漫画で森薫さんが中央アジアに行ったことが描かれてましたが、
メッチャ楽しそうで読んでるこちらも嬉しかったです。(笑

:: 2015/2/16 月曜日::

■[漫画]乙嫁と姉妹妻「乙嫁語り」7巻

乙嫁語り 7巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2015-02-14 )

Kindle版:乙嫁語り (1)
Kindle版:乙嫁語り (2)
Kindle版:乙嫁語り (3)
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Kindle版:乙嫁語り (7)

今回の乙嫁はペルシアの裕福な実力者に娶られたアニス。
そしてそのアニスの姉妹妻であるシーリーンの二人の物語です。

自分だけを愛してくれる誠実な夫。
その夫との間に元気な息子も生まれて、大変な子育ても乳母が殆どやってくれ、
本人は日々鳥と語らい猫と戯れ、美味しい物を食べられる満たされた生活を送っているアニス。
でもどこか寂しい気持ちがあり、それを息子の乳母であるマーフに相談すると、
姦しさ溢れるお風呂屋さんを勧められ出かけてみると、
そこで身体付きも嗜好も自分とは違ったシーリーンと出会い…

お風呂屋がメインなので女体がこれでもかというほど出てきます。
ですが、描いている人が森薫さんなので殆ど芸術作品ですのでエロさはほぼ皆無です。
また、あとがきでも語られてますが女性同士がメインということで全体的に絵柄を変えてます。
線が繊細な絹のようで全体的にサラサラとしたさっぱりとした風味になっているので、
今までの「乙嫁語り」とはかなり違った印象を受けると思います。

それにしてもこの時代のペルシアは姉妹婚と呼ばれる風習があったんですねぇ…
マリみてはイスラム世界にあったんだ…!
19世紀の現在のイランあたりだと確かにイスラム色が強いから、
女性の肌を曝さないとかの習慣は当然あったんでしょうけど、
それがこんな素敵文化を生み出していたとは…!

しかし深窓の令嬢と庶民の女性との間での絆とはなぁ…
出会って間もないだけに二人がこれから仲良くやっていけるのか心配ではあるんだけど、
そこら辺は森薫作品だから、ということで安心したいものです。

さて、次は待ちに待ったパリヤ編ですよ。
アミルさんも出てくるみたいですし楽しみです。

:: 2014/1/18 土曜日::

■[漫画]日常から戦争へ「乙嫁語り」6巻

乙嫁語り 6巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2014-01-14 )
コミック ( 194 ページ )

Kindle版:乙嫁語り (6) [Kindle]

今回はカルルクとアミルの夫婦に視点が戻っての話ですが、
微笑ましい夫婦喧嘩だけでなく、エイホン家が居を構える町が襲撃を受け、
殺し合いの戦争が始まってしまう物々しい展開が待ち受けてます。
でも、そういった殺伐とした事情もまた19世紀中央アジアの姿なのでしょう。

元々はアミルの実家であるハルガル家が地域の有力者ヌマジ一族へ出した嫁が死んだことより、
既得権益を奪われてことに端を発します。
アミルを呼び戻して替わりの嫁として出すつもりが町ぐるみで追い返されため、
次は遠縁のバダン一族と共謀してエイホン家の町へ襲撃することなったけど、
バダン一族の背後には同士討ちを狙うロシアの影が見えており、
何よりバダン一族は信用出来ないとアミルの兄・アゼルは考えており…

アゼル兄様カッコイイっすね!
父権が絶対な地域なので意見を出すくらいしか出来ないながらも、
地方部族の次期族長という立場ながら大局的に物事を見ることが出来るし、
戦争においても町の人間を無駄に殺さず、裏切ったバダンを的確に倒し、
アミルたちをも守る立ち回りはまるで英雄のようでした。
町の人間に囲まれた時も歯向かわず、なすがままで余計な言い訳もしないとか、
男らしい貫禄に満ちていてマジで格好良かったです。
惚れそう。

カルルクもその年にしては頑張ってる方でしたけど、
流石にアゼル兄様ほどの活躍はなかったかなー
代わりにアミルが大活躍だったのにはスッキリするものがありましたね。
カルルクのためなら父親にも歯向かう姿は嫁として、女としての強さを見た気持ちです。
というかカルルクのこと好きすぎでしょう、アミルってば。
カルルクの怪我を見て動転しまくるアミルが可愛すぎる。

結果的にロシアの思う通りになってるのが残念ですね。
当時の世相からしてこうならざるを得ないのは分かりますが…
うーん、スミスさんが町を出た理由が的中しちゃったのがなぁ…
次回はそのスミスさんサイドっぽいですが、
こういった展開を読んでしまったら焦燥感がありますのでハラハラしちゃいますね。
それでも乙嫁の魅力は描かれるはずなので楽しみでもあります。

:: 2013/1/21 月曜日::

■[漫画]双子の結婚式とカルルクの嫉妬「乙嫁語り」5巻

乙嫁語り 5巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:エンターブレイン( 2013-01-15 )
コミック ( 192 ページ )

ライラとレイリの二人の結婚式が遂に開かれる「乙嫁語り」の5巻が発売!
19世紀の中央アジアの結婚式というのはどういったものであるかを、
しっかりじっくり描いた圧巻の内容ですので読み応えはたっぷりあると共に、
天真爛漫な双子が花嫁ということで一筋縄ではいかない展開も見所です。

子供らしい無邪気さが残っているあの双子が結婚式の間ずっと座っているはずもなく、
花婿二人を巻き込んで色々やらかしちゃってる所も面白かったですけど、
そんな双子が「実家を出て他所の家に嫁に行く」ということをやっと実感することで、
号泣するシーンはその落差が際立っており心にジーンと来るものがありましたね!
まぁ、それでもやっぱりライラとレイリの我が儘に付き合わされる花婿二人の悲哀と、
それでも楽しそうな二組の新郎新婦を見ていると微笑ましいのがあるのも確かです。

そして後半からはアミルとカルルクの二人に話が戻ります。
二人の何気ない日常と手負いの鷹を治療する話なんですが、
特に後半は現代日本の価値観では残酷とも取れるけど、
自然に生きる人たちにとっては当然の処置を描いているのは流石だな、と思います。

そういった意味ではライラとレイリの結婚式で羊の解体を残酷にならない範囲で、
凄く丁寧に描いているのは良い仕事をしてるなぁ、と感じ入ります。
羊の解体を初めて挑戦する少年の興奮が描かれていましたけど、これは当然の事なんですよね。
今で言うと農家の親に初めてトラクターの運転を任された中学生の息子的と言いましょうか…
そういえば大学時代に講義でイヌイットの生活をビデオ撮影していたのを観たことがあるんですが、
スノーモービルに乗るイヌイットがトナカイを仕留めて村で解体する時、
子供たちは凄く良い笑顔を浮かべていたんですよね。
ことほど左様に獲物の解体というのはカッコイイ大人の仕事な訳です。

さて、次回からはアミルとカルルクの二人に焦点が戻るみたいですが、
ロシアの足音が聞こえる19世紀の中央アジアでどういった問題が起こるのか。
双子が住むアラル海の帰結も知っている身としては手放しで御祝いできないですが、
それでも続きが気になるので追って見ていきたいです。

:: 2012/5/17 木曜日::

■[漫画]アラル海の元気な双子「乙嫁語り」4巻

乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:エンターブレイン( 2012-05-12 )
コミック ( 186 ページ )

うっかり寝惚けてラクダから落ちてアラル海で溺れたスミスを助けたのは、
漁をしていたライラとレイリは双子の少女。
年頃の彼女たちが気になるのは自分たちの結婚相手。
中々父親から持ってこられない縁談話に業を煮やして、
何とか理想の相手を射止めようと変な頑張りを見せるけれど…?

と、今回スミスさんが出会う乙嫁は元気いっぱいな双子の少女。
21世紀の現在では人類の無計画な行動で見る影もなくなったアラル海ですが、
当時は魚も大量に獲れていた姿を見せてくれます。
アミルさんは内陸の狩猟系でしたがライラとレイリは湖岸系の狩猟系な乙嫁です。

魚を捕ることに忌避がないどころか嬉々としてやるばかりではなく、
魚をぶつけて喧嘩したり、モリ打ちにチャレンジしたりするのは面白い感覚かと。
そんな元気なライラとレイリの婚約相手に見繕われたのが幼馴染みのサームとサーミで、
理想とは違うけど、理想に沿うように頑張る二人の少年たちを見てると応援したくなりますね。
いやはや男の子たちも大変だ。

それとアミルさんたちの日常と、ツンデレをこじらせたパリヤさんの縁談話もあって、
そっちはそっちで気になりますね。
次巻ではライラとレイリの双子の結婚式も行われるみたいだし、
パリヤさんの方も話が進むのでしょうか?

それはそうと今回一番可愛かったのは双子の母であるミナーさんだと思います。
旦那さんとの馴れ初めを語る時の様子を見ると今でも心底惚れ抜いてるんだろうなぁ。
いやはやこちらも可愛い乙嫁さんだと思います!

また、森薫さんのラフスケッチ集「SCRIBBLES3」が完成とのことで、
来月発売のFellows!23号に付いてくるとのことでお買い求めはお早めにどうぞ。
何しろ前回ラフスケッチ集応募に必要だっと号はあっという間に売り切れてプレミア付いたぐらいなので…

Fellows! 2012-JUNE volume 23 (ビームコミックス)
森薫、高橋拡那、冨明仁 ほか
エンターブレイン
:: 2011/6/15 水曜日::

■[漫画]英国人と未亡人と「乙嫁語り」3巻

乙嫁語り(3) (ビームコミックス)
著者/訳者:森 薫
出版社:エンターブレイン( 2011-06-15 )
コミック ( ページ )
作者サイト:ヘリオトロープ

二人目の乙嫁は5人の夫に先立たれた幸薄い未亡人のタラスさん。
そして相手はカルルクたちの客人であった英国の民俗学者のスミスさん。
スミスさんが案内人と待ち合わせに寄った市場で出会った二人が、
絡まり合う運命の果ての結末は…?

いつにも増して中央アジアの文化の違いにカルチャーショックを受けました。
夫に先立たれたらその兄弟に嫁ぐという風習に、
女は嫁に行ってなんぼであるという考え方。
そしてどんな人間性であれ、血が繋がってなくとも絶対的な父親。
そういった大なり小なりの文化の違いというものをまざまざと見せつけられましたね。

未亡人のタラスさんも可愛かったけど、捕まったスミスさんを迎えに来たカルルクに付いてきた、
アミルさんはもとより、更にその付き添いであったパリヤさんが可愛かったですね!
スミスさんとタラスさんのラブロマンスを目の前にして真っ赤になって倒れたり、
なし崩しに宴会になった市場の一角で不意に起こった縁談に恥じらったりと、
ホント可愛いよ、パリヤさん。

市場でのアミルさんたちの食事の内容だったり、
本当に細かい所まで読み込む面白さが詰まっていて最高に面白いです。
スミスさんとタラスさんの結末も含めて読み応えたっぷりなので、
じっくりと何度も読み返したいですね。

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