本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2023/10/29 日曜日::

■[ラノベ]魔王の胎動「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」7巻

愛する両親に、愛する伴侶を紹介し、家族を作ることを宣言する幸せな場であるはずだった…
しかし、魔女に唆されたカーリャ姫が愚かにも酒に毒を盛ったために、
愛する両親と義母となるはずだった女王は死に、伴侶のキャロルも瀕死になってしまった。
王鷲に乗って駆けつけて来たミャロのお陰で辛くも窮地を脱出したユーリだが…?

キルヒナでの戦いもそうですけど、ユーリは窮地でこそ輝いてしまうんですよね。
ホウ家別邸が包囲されても精鋭を率いて突破できるし、
王都攻略戦でも先陣を切って突入するし、
魔女たちの陰謀も初期段階で全て看破して次の戦いに備えるし…
本当に、これが魔女たちの陰謀を事前に察知できなかったのが口惜しいですね。
幸せだったことが油断だったとか、思いたくないですよ…

また、ユーリは演説能力も高いんですよね。
事態の内容を端的に、かつ正確に伝えながら部下を鼓舞したり、
その能力を応用してビラを作って王都に撒いて世論工作をしたり…
ホウ社で培った能力と前世の常識を使った奇想天外な策で、
誰もが為し得なかったことを一週間でやりきるとか、本当に有能です。

魔女たちはユーリが分析した通り、狭い王都という世界でぬくぬく育ったマフィアでしかないので、
生粋の軍人家系で育ったユーリからしたらおままごとでしかないんですよね。
ソイムが数百人を相手に無双してたところにそれが端的に表れてましたね。
本物の戦場で生き残ってきた武人とマフィアの先兵じゃ覚悟からして違うわけですよ。
まぁ、闇夜であり、お互いに飛び道具がないという環境が有利に働いたのは確かなんですけどね。

それにしても以前ドッラが指摘していたように、ユーリは会話が成立しない相手は簡単に見限りますね。
まぁ、現代でも会話が成立しない相手がいるので、当然ではあるのですが…
愛する家族を殺されたユーリが容赦なんかするわけがないんですよね。
会話が通じない上に邪魔する売国奴なんて、さっさと殺すに限るんですよ。

それでも理解者であるミャロに、話が通じる同格の相手であるキエンと、
有能な部下であるティグリスに、愛する妻であるキャロルがいるので、
孤独な独裁者にならなくて済んでいるんだけど…
いつまでも全員無事で居てくれるかが分からないのが乱世ですからね。

ユーリ本人は望んでいない、英雄としての才覚が存分に発揮できる時期がやってきたので、
これからユーリはどんどん凄惨なことをやってしまいますね。
そう考えるとキャロルの世話をするリッチェのような存在は貴重です。
彼女視点の短編が有るのは良かったですけど…
彼女もまた、ツラいことを経験するのかと思うと切なくなっちゃいますね…

次回はクラ人たち十字軍との決戦です。
自分たちよりも数が多い相手にユーリが一体どんな悪魔的な策で対抗するのか。
Web版未読の方々は心してお待ちください。
エグいよ…?

:: 2022/12/4 日曜日::

■[ラノベ]零れ落ちる幸せ「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」6巻

初陣を勝利で飾り、無事に帰国したユーリたち観戦武官隊。
ユーリ本人は失敗して尻拭いが上手くいっただけ、という感想だったけれど、
シモネイ女王を含めてユーリを英雄視する人の方が圧倒的に多かった。
キャロルとの仲も、ホウ社の活動も順調だったんだけど…

Web版で読んで覚悟はしていたけれど、やっぱりこうなったかー… orz
いや、必要だというのはわかっているし、必然だとも思っています。
でも、読みたい展開だったかというと、そんなはずもなく…
勿論、面白さという意味ではとても凄いことになっているんですが…!
とはいえ、やはりキツイものはキツイのです…

それにしても書き下ろしが何というか…
この先の展開を知っているだけに、より酷いというか…
コミミさんも難儀な恋をしてしまったもんですね…
よりによってその人に恋しちゃったのか、という…
ピニャの将来展望とかの肉付けとかはとても良いと思うんですけどもね…

ユーリは何でもできるんだけど、致命的なほどに女心がわかりませんよね。
キャロルやミャロに散々指摘されてるけど、それにしたって酷い。
ミャロがもう少し自分の乙女心を大切にしていたら、
この物語は別の意味で終わっていた気がしないでもないです。

そしてリリーさんが可哀想すぎて切ないんだけど、
リリーさん以上に切なくて泣いてしまったのはスズヤお母さんですよ…
母として、無償の愛情を与えてくれた最高のお母さん…
ユーリが前世では得られなかったものを惜しみなく与えてくれたのに、
こんなのってないですよ…

次の7巻は内戦で、その次は歴史的な会戦ですね。
これからどんどん暗くなっていくのでお覚悟下さい…!

:: 2022/4/6 水曜日::

■[ラノベ]竜殺しの英雄「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」5巻

危険が無い観戦武官のはずが竜使いの参戦で窮地に立たされたユーリたち。
キャロルを助ける為に竜と相討ちになったユーリは地上で竜使いを殺し、
足を挫いたキャロルを背負い、敵の追っ手を返り討ちにして拠点のニッカ村を目指す。
そして大きな窮地を乗り越えた時、キャロルは自分の気持ちを伝えて…

戦場のただ中でのラブロマンスというのも良いけれど、
ユーリを追い詰めるカンカーとの手負い同士の戦いも圧巻で良かったです。
カンカーとの決着はWeb版から改稿されてましたが、この書籍版の方が良いですね。
ユーリがソイムから教わり培ってきた槍の修行の成果が結実した達成感があります。

ニッカ村でのキャロルとのやり取りは熊胆の件も含めてニヤニヤできましたね。
おそらくこの5巻で最も清涼剤となるパートだったと思います。
ただ、後半は前半とは違った殺伐さがあって緊迫感も半端ないです。
前半はユーリの武人としての強さの見せ所でしたが、
後半はユーリの戦争屋としての強さの見せ所が多かったです。

武人としての強さはドッラも見せてて、あれはあれで格好いいと思うんですが、
強い武人だけで無双できるわけがないのが戦争なわけで。
圧倒的不利な状況でも冷静に考え、策を練り、最善手を指して、
ついには撤退戦を勝利するあたりユーリは戦争屋としても強いと思わされますよね。

ユーリ本人は色々と失敗したと思っているせいで過小評価していますが、
初陣でこれだけやれば英雄と言われても仕方が無いと思います。
そしてこの過小評価が今後のユーリに影を落とすことになるんだけど…
うーん、Web版を知っているだけにこの後の展開を思うと憂鬱になっちゃいますね…
メチャクチャ面白いんだけども…!

:: 2021/9/28 火曜日::

■[ラノベ]竜と王女「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」4巻

隣国キルヒナに迫るクラ人国家連合軍である”十字軍”
キルヒナの次は母国であるため、戦場の空気を次世代が体感しようと、
王女であるキャロルが発案した観戦武官隊は出発間近だった。
ユーリを隊長とした一行は計画通りに出発するが…

無事に4巻が出てホッとしております。
この4巻からついに戦争に入るわけなんですが、
Web版を読んでた時もそうだったけどハラハラ&ドキドキしますね。
あれだけ入念に準備を進めてきたというのに、
歴史上初なことを敵軍がやってきたらあっという間に瓦解するのが怖いところです。

そんな窮地でも即断即決というか、自然と身体が動いてしまうのがユーリの凄いところなんですよね。
ミャロ視点で回想されていた通り、やはりアレは驚くべき手腕だったわけですよ。
追跡してきた敵軍を相手にした時の作戦には何年も習ったテロル語が役に立ったし、
窮地で咄嗟に動くほどに身体に染み込ませた動作も凄かったです。
今までやってきた努力を全て活用し、生き残ろうとしているユーリが格好いいんですよ。

ユーリ本人は上手くやれてないと思っているけれど、
助けられたキャロルからしたら運命の相手としか思えないですよね。
竜に襲われたところを助けられるわ、
死を覚悟したところに颯爽と駆けつけてくれるわ、
足手まといの自分を弱音を吐かずに背負ってくれるわ…
そりゃ、今まで培ってきた恋心が一気に花開くよなぁ…
助けられて声を掛けられた時の「は、はい」って返事に乙女を見ましたよ。
この場面が映像になったら破壊力高そう。

当面の危機は回避できたけれど、まだまだ窮地は脱してないんですよね。
そこからの展開は次の5巻を待ちたいところです。
Web版から細かいところで改変、というか設定や描写の肉付けがされているので、
Web版を読んでても面白いので、楽しみに待ってます。
もちろん、Web版の更新も楽しみです。

:: 2021/3/4 木曜日::

■[ラノベ]忍び寄る戦禍「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」3巻

十六歳になり、学校のイベントにも出るようになったユーリは、
事業の方も順調で天測航法も完成し、貿易業にまで手を広げて順風満帆。
しかし、シャン人国家は十字軍に侵略されるという潜在的なリスクがあり、
事実、隣国は新たな十字軍との戦いに突入することになりそうで…

前半は平和な学園のイベントだったんですが、
後半からは一気にきな臭くなってきますね。
まぁ、前半の学園のイベントも将棋みたいな頭脳スポーツ戦なのに、
夜襲で火災を起こされたりと平和という一言ではすまされない事件もあったのですが。
ユーリはほとほとトラブルに愛されてますよね。
我が強いというか、理不尽に対して唯々諾々とならないからなんですが。

貿易業の話はハロルとイーサ先生の関係が良いですよね。
ハロルは独立心が強いというか野心が強いけど、
それ以上に恋心が強いのを良い意味で利用されたというか。
カフも褒めてたけど、こういった枷は双方が幸せになるには必要ですよ。
鷲に鞍が必要なように、あった方が良い枷ってのもあるもんだと思います。

それにしてもこの作品は本当にキチガイというか考えなしのバカの見せ方が上手いですよね…
頭の出来がイマイチなのにワガママでクソ魔女のジューラに、
凝り固まった価値観と狭い見識の中で生きている騎士のジャノに、
自分より下位の存在は見下して略奪するのが当然のジャコと、
リアリティがあるバカばかりが出てくるんですよね…
いやはや、ホント、現代にもこの手のバカがわりといるからなぁ…
話が通じないあたり、とてもリアル…

今回も色々と細かいところが改稿されてましたが、
意味が通りやすくなってたりと改良って感じで良かったです。
書き下ろしは少なめでしたが、リリーさんのエッチな姿とか、
挿し絵でとても満足できたので問題ありませんね!w

さて、次巻ではついに観戦武官として赴くことになるのですが…
Web版の通りだとかなり波瀾万丈なので覚悟が必要ですね…
頑張れ、キャロル…!

:: 2020/9/27 日曜日::

■[ラノベ]青春の謳歌「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」2巻

望まざる結果とはいえホウ家の跡取り息子となったユーリは、
騎士院での勉学の日々を送ることになったんだけど、
前世日本の知識とホウ家でのスパルタ教育もあり5年目には単位もほぼ取り終わってしまう。
そこで暇を持て余して事業を始めようとするも、
既得権益を牛耳る魔女家の社会構造からやる気は出なかったんだけど、
女王からの呼び出しを契機に動き出し…

新型コロナ自粛期間中に1巻が出るというタイミングの悪さでしたけど、
無事に2巻が出てホッと一安心です。
1巻に引き続いて2巻もWeb版から細かいところか大きなところまで加筆修正をされていて、
何度も繰り返し読んだ私でも色々と楽しめる内容でした。

ユーリは転生したこともあり、シャン人国家というものを客観的に捉えているので、
あと10年もせずに亡びることがほぼ読めているんですよね。
で、色々と見えてしまうが故に行動をはじめているんだけど、
新キャラのリリーさんが察しているように、
親しい人を見捨てられないので、わりと矛盾しているところはあるんですよね。
ユーリは良くも悪くも愛情に飢えているので、愛情を持って接する相手には弱いんですよね…

新キャラといえばユーリの恩師になるクラ人のイーサ先生ですが、
とても理性的に狂っている宗教家というのはとても魅力的だと思います。
あと、希少な眼鏡っ娘枠なのが良いですね。
早くリリーさんも眼鏡を作って眼鏡っ娘としての魅力を出すべきだと思うんだ…

ユーリが特許制度という社会構造を作るというのは、なるほどと思いましたね。
それもこれも王制だからこそサクっと作れたと思うのと、
何より既得権益層である魔女家たちが本質を掴めてないからこそ、とも言えますね。
とはいえ地元マフィアと汚職官僚の悪魔合体と言える魔女家を相手にするので、
まだ小規模の今は小康状態ですが、これから順風満帆とは行かなくなるのが何とももどかしいのですが…

それと今回一番加筆が多かった部分のキャロルとの下町デートですが、
ユーリは本当に天然でやらかしすぎるな、とつくづく思いました。
キャロルのメインヒロイン度が留まることを知らない…
というか、それだけに第一部のラストはキツすぎるんですけど…
いやホント、Web版読んでない人は今からしっかりと心を強く持っておいた方が良いです。
ホント、マジで。

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