僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2014/4/8 火曜日::

■[漫画]料理と人間ドラマが売りのお宿です「海月と私」2巻

海月と私(2) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2014-04-07 )
コミック ( 184 ページ )
作者twitter:麻生みこと (asoumikoto)さんはTwitterを使っています

Kindle版1巻:海月と私 (1) [Kindle版]
Kindle版2巻:海月と私 (2) [Kindle版]

元銀座の板前の旦那さんが経営する海沿いの民宿「とびうお荘」
そこには枯れた旦那さんには不釣り合いな程に若くて美人な住み込み仲居の梢さんが居て、
彼女は身元が謎で好奇心旺盛でコミュニケーションが得意で割りと男前なお陰で、
ワケありのお客さんの人間ドラマを引き出してくれます。

麻生みことさんは人間ドラマが本当に巧いですねー
登場するキャラクターが生きてきた歴史を感じさせてくれるし、
ささいな表情から誰がどんな人間なのかを垣間見ることが出来ます。
とはいえ梢さんは相変わらず謎な部分が多いんですけどね…
まぁ、そこが梢さんの魅力の一つでもあるのですが。

今回も4話収録されておりどれも面白かったんですが、
一番印象深かったのは旦那さんの元妻に引き取られた娘さんのエピソードですね!
立派な職についてしっかりとした仕事をして周りからの信頼も厚い娘さんが、
結婚の挨拶に連れてきたのが…

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いや、うん、まぁ、旦那さんの気持ちは分かる!
そりゃね、男親としてブチ切れますよね。
でもねー、手堅い職についた女性の結婚相手ってヒモが多いんだよね…
私も地元にヒモ、もとい主夫してる友達がいますよ… しかも2人も…
ちなみに嫁さんは2人ともナースらしいです…
嫁さんに頼られてラブラブらしいんですけど、それでも同性からしたら驚きます。

ましてや親である旦那さんもあっさり納得するはずがない。
でも、頑固ではあっても頑迷ではないから娘のことを考えないわけがない。
そういった想いが紙面から滲み出て伝わってくるのがこの漫画の醍醐味だと想います。

ちなみに描き下ろしで描かれていたすがやんのアレも含めて、
地元の友達とか思い出してしまいますわ…
2巻は田舎から出て都会で働いている人には色々と心にクると思いますので、
そういった人にはクリティカルにお勧めです。

:: 2013/8/7 水曜日::

■[漫画]人生は転がる石のように「海月と私」1巻

海月と私(1) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2013-08-07 )
コミック ( 184 ページ )

京都を舞台にした職人たちの恋模様を描いた「路地恋花」を描いていた麻生みことさんの新作は、
鄙びた民宿を営む中年独身男性と、そこに住み込み仲居することになった若い美人のお話。

堅物だった父親が残した民宿「とびうお荘」を継いだ元銀座の板前が、
高齢だった仲居さんをほっぽり出すことが出来なくて辞められなかったけど、
仲居さんが亡くなったのを契機に予約を消化してから春に民宿を畳もうと思い、
それまでの臨時の仲居さんを募集したら予想も出来なかった若い子が来て…

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仲居になった梢さんは旦那さんもちょっと事情を抱えたお客さんも、
ひょいひょいっと転がす勢いで軽快に背中を押していき、
次々と人生を好転させていくのが読んでいて面白いですね。
民宿という舞台で色んなお客さんが訪ねて来るので、
オムニバス形式に近い感覚で飽きが来ない構成なのも良いです。

「路地恋花」で感じた絶妙な空気感は変わらず存在しますが、
辺鄙な場所の民宿な割りに梢さんのキャラのお陰かやけにさっぱりした印象があります。
ちなみに第1話を丸ごと試し読みが可能ですので、
そちらでその空気をまずは感じていただければと思います。
第1話が面白いと感じたらきっと大丈夫なので。

:: 2012/9/10 月曜日::

■[漫画]京都職人恋話、ひとまず完結。「路地恋花」4巻

路地恋花(4) < 完> (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2012-09-07 )
コミック ( 210 ページ )

京都の職人たちが住む長屋「ふきこ路地」を中心にした恋物語も、
この4巻でひとまずの完結を迎えることになりました。
「good!アフタヌーン」で一番好きな作品だっただけに、
次号から月刊化されるらしいけどポッカリ穴が空いたみたいで寂しい感じです。

流石に完結巻ということもあって、今回の新キャラは人形作家の鷹さんのみ。
しかしその読み切り的な内容も大変良いのが「路地恋花」でして。
元気で天然っぽいけど、しっかし女してる後輩の樹安ちゃんはかなり好みでした。

花屋の一松さんが頑張って女検事の月森さんを落とそうと頑張ったら斜め上の結末だったり、
靴職人の椿さんと内田父子のその後であり、恋話としては大変美味しいエピローグだったりと、
見所がたっぷりある内容です。

特に銀細工職人の光生くんが風花と良い感じに順調だったんだけど、
大阪商人にしてやり手の実業家な風化のおとんが出てきて、
この路地を全否定するかのような怒涛の正論で光生くんを叩き潰すのは豪快だったなぁ…
そこからテンパりながらも前に進んで、風花もちゃんとそれを支えようとしたりと、
何だかんだでお似合いで相思相愛なんだな、とエピローグを見てしみじみと思いました。

そして最後を飾るのは記念すべき1話のヒロインだった製本職人の小春さん。
十和田さんとは微妙な距離感で、お隣に住む時計職人からはアプローチされて、
更に仕事方面ではデザイナーとしての腕を見込まれて上京の選択が舞い込んできてと、
公私共に色々と大変な小春さんだったけど、最後は原点回帰で一歩前進していて応援したくなりますね。
三十路近くでお局様かもしれないけど、小春さんは割りと天然な恋する乙女で可愛らしくて、
最終回を彩るヒロインとして申し分なかったです。

ちなみに後書きではモデルとなった京都の路地があるとのことですが…
おそらくあじき路地のことでしょうね。
京都に訪れる機会があったら、足を伸ばしてみるのも良いかもしれません。

:: 2010/9/10 金曜日::

■[漫画]個性豊かな職人と恋の物語「路地恋花」2巻

路地恋花(2) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2010-09-07 )
コミック ( 190 ページ )
作者サイト:マトリョーシカ

good!アフタヌーンで一番好きな作品を聞かれたら迷わず「路地恋花」と答えてしまうくらいに好きです。

職人達が集まる京都の変わった路地での恋物語の第2集。
今回は一点物のフラワーアレンジメント職人に、1巻で出演した逃げてきた小説家、
手描き友禅のり職人に弟子入り志願をしている女性に、万華鏡作家の長身の女性。
そんな色とりどりの恋のような恋じゃないような、でもやっぱり恋だよなぁ、
と思わせる物語が散りばめられており実に面白いです。

やはり個人的にお気に入りなのは小説家の伊沢さんとゴスロリ京女なナオミちゃんの話。
どこまでも堕ちていくような感覚にさせてくれたナオミちゃんが、
洋菓子を本格的に作るために動きだして、伊沢さんも再始動して…
やはり最後のナオミちゃんが凄いよなぁ。
年下なのに伊沢さんを堕とすだけでなく引っ張り上げちゃうのが凄い。

凄いといえば友禅のり職人志望の佐倉さん。
1話の頃から布小物屋さんとして会話には出ていたんですが満を持して登場。
高校時代の体験学習で工房を見学してから進路を急速に変更して、
師匠に弟子入りを断られても諦めずに通い詰める粘り強い佐倉さん。
技術を貰うんじゃなく、最後には自分の身を捧げるまでになった佐倉さんが凄い。
恋とはまた別次元のようで、でもやはり恋だったんだろうなぁ、と。
そんな思いを抱かせてくれます。

もう本当にどれ一つとっても素晴らしい。
新入りの花屋さんもラストが面白いし、万華鏡作家の葵ちゃんも変わってるんだよなぁ。
どれ一つとっても同じ恋模様が見付からないんだけど、だがそれが良い。
職人十色、恋花十色なこの物語をもっとずっと読んでいきたいです。

:: 2010/2/5 金曜日::

■[漫画]京都の路地の職人恋バナ「路地恋花」1巻

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2010-02-05 )
定価:¥ 590
Amazon価格:¥ 590
コミック ( ページ )
ISBN-10 : 4063106284
ISBN-13 : 9784063106282

good!アフタヌーンで一番楽しみにしているのがこの「路地恋花」でして、
創刊当初は読んでなかったのですが、ふと読み返した時にハマりまして、
回を重ねる毎にじわじわとその面白さが染み込んできて、
今ではすっかりその魅力の虜になっているのです。

京都のとある路地にある何かをつくる人たちが集う長屋を舞台の、
つくる人たちの恋の話のオムニバス短編集なんですが、これが面白いのです。
手製の本を作る人、銀細工職人、天才肌のダメ人間な画家、元小説家、キャンドル職人…
そんな人たちが恋し、恋される話がとても興味深いのです。

特に好きなのが元小説家で喫茶店をちんまり経営する井沢さんと、
そこに迷い込んで居着いてしまったフランス人形みたいな京女な高校生のナオミの話。
純粋で幼さの残る女の子だったナオミが文豪の名作を読み耽ったせいで、
とても妖艶で元々逃げてきた井沢を更にダメにし、堕としていく様がまた見事で…
ダメだとは思いつつも溺れるように恋に堕ちていくっていうのはどこか憧れますよね…

どこか退廃的な雰囲気と優しげな柔らかさが同居する恋物語で、
一種独特な面白さがあるので人を選ぶとは思うのですがオススメな一冊です。
元々女性誌で活躍していた作家さんみたいなので知っている人は居るかもですが、
もし知らない人がいらしたら是非この機会にどうぞ。

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