その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2016/2/21 日曜日::

■[ラノベ]戦士の帰るべき場所「フルメタル・パニック! アナザー」12

ガルナスタンのシェルターでクルピンスキーの企み通り、
オルカンがラムダ・ドライバを蘇らせたことで窮地に陥る達哉たち。
正体不明の脅威の力場に圧倒されるが、
達哉は僅かな手掛かりからラムダ・ドライバを攻略していき…

見事な完結巻でした!
前作もラストは綺麗でしたけど、このアナザーも綺麗なラストでしたね。
バトルもフィナーレを飾るには少々泥臭いモノでしたけど、
それもまた達哉らしいかな、と思わせるものでしたし。
どれだけ戦士の才能があろうとも、
土建屋の息子はやっぱり土建屋だったという戦いでしたね。

それにしてもクルピンスキーはやはりアマルガムの関係者だったのかー
金属元素のコードネームを持っていたということからそこそこ有能だったんだなぁ。
そこそこ有能だったからこそ諦めきれずに妄執を抱き続けてたんだろうけど、
それに人生を狂わせられたオルカンたちが可哀想ですよ。

エピローグもしっかりとそれぞれのその後が描かれており、
達哉とリーナの二人の関係もこれからが期待できる感じだったので、
そういった意味では不満はないのですが…
唯一スッキリしないのがジオトロンが賠償金払ったかどうかわからない点なんですよね。
カエサルの暴挙はクルピンスキーの造反があったとはいえ、
結局はジオトロンの試作機の暴走なわけなので、過失はジオトロンにあると思うんですよね。
悪いことをやったらそれなりの制裁がくだされないとスッキリしないんだよなぁ。
まぁ、それが面白さのメインではないとはいえ…
うん、でも、やっぱりそこはスッキリしないかも。

:: 2016/2/20 土曜日::

■[ラノベ]UFO 日本政府 相模湾にて、斯く交渉せり「銀河連合日本」1巻

銀河連合日本 1 (星海社FICTIONS)
著者/訳者:松本 保羽 bob
出版社:講談社( 2016-02-16 )

Web連載版:小説家になろう
作者サイト:柗本保羽
作者twitter:柗本保羽(@YasuhaMatsumoto)さん | Twitter
絵師サイト:びよんびよん堂
絵師twitter:bob(@biyonbiyon)さん | Twitter

この作品を端的に説明するならSF版の「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」です。

ゲートと異なりArcadiaではなく小説家になろうからの書籍化なんですが、
小説家になろうにしては珍しく異世界ファンタジーでもないし転生モノでもありません。
主人公も37歳のおっさんですし、主要メンバーの平均年齢はアラフォーどころかアラフィフ。
下手すりゃ還暦前後の人たちばかりですからね。
かなり異色と言えるでしょう。

舞台は201X年の日本。
外宇宙から飛来した異星人の宇宙船は世界を騒がせながら、
何故か日本に対してのみ積極的な興味を持ち、
その巨体を相模湾上空で物言わず待機させていた。
そんな中、サバゲ好きの企画交渉人、柏木真人(37)が、
たまたま異星人の端末機とコミュニケーションを取ることが出来た経緯から、
異星人との国交樹立のために政府から交渉を委託されて…

1巻は物語全体からするとまだまだ序盤です。
ヒロインであるフェルさんもまだ顔見せしたばかりですし、
異星人との交流もまだ始まったばかりです。
それでもこの作品の面白さのエッセンスは詰まっているんですよね。

主人公が政府の交渉人ということからわかるように、
政治だとか交渉だとか国際情勢だとかそういったモノがメインです。
誰とでも積極的に交流を持とうとする突撃バカな柏木が、
異星人相手でも臆せずに交渉しようと臨むところが爽快感がありますし、
異星人とコミュニケーションができない原因を推察し、
その解決方法を提示した上で実現し、実際に通信できた時は興奮しましたね!

それと星海社FICTIONSから出るのも納得の一方に偏った内容もありますが、
これでもWEB版よりも若干毒が弱まっているように思えます。(笑
白木外交官のヤンキーへの容赦ない罵倒とかまだマシな方ですからね。
アレです、「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」や「大日本サムライガール」といった、
そういった方向の作品が大丈夫な人にのみオススメしたい作品です、ハイ。

:: 2016/2/19 金曜日::

■[ラノベ]マーズ・ホライズン「火星の人」

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
著者/訳者:アンディ・ウィアー
出版社:早川書房( 2014-08-22 )

「オデッセイ」が劇場公開される前に小説家になろうっぽい内容というので買って読んだんですよね。
「宇宙兄弟」とかも好きだし近未来SFとかも好きなんで。
で、読んだ感想としては「宇宙兄弟」や「小説家になろう」よりも「鉄腕DASH」が近いよね、
というわりとありきたりな感想でした。(笑

NASAが有人火星調査ができるくらいの近未来。
火星調査中のアレス3クルーが火星の嵐に巻き込まれて調査を断念し、
帰還しようとする途中、折れたアンテナがマーク・ワトニーに刺さり吹き飛ばされ遭難。
ギリギリまで捜索をした船長だったが断腸の思いで諦めて火星から脱出したんだけれど、
実はワトニーは生きており、ひとりぼっちで火星で生きていくことになり…

悲壮感があるのは最初の数ページだけであとは基本的にコメディなんですよね。
もうね、ワトニーが超ポジティブな上にユーモアたっぷり。

まず、一人きりの状況なのにこれですよ。

さてと、ひと晩ぐっすり眠ったら、状況はきのうほど絶望的ではないような気がしてきた。

いやいや、絶望的だろと!
普通はこんな絶望的な状況に投げ出されたら自殺しても不思議はないだろと!
お前どんだけポジティブなんだよ!(笑

また、ジャガイモ栽培に必要量の水が欲しいと思っている時に、
高校時代にハマったD&Dの神官魔法の”水をつくる”を思い出してるユーモア。
アメリカ人が原作を書いたとは思えないほどに日本人にも馴染みやすいんですよね。

しかもワトニーはポジティブでユーモア溢れるだけではなく、
かなりの冒険野郎なんですよ!
水を作り出すのに水素が足りないという結論に達したら、
ロケット燃料のヒドラジンから水素を取り出すんですからね!
ヒドラジンは分子式N2H4とアンモニアのNH3と似ていますが、
アンモニアなんかよりもかなり毒性が強いですからね。
他に手段がないとはいえ、普通は絶対にこんなことしませんよ!(笑

それと映画では結構カットされていましたが、
原作ではもっと試行錯誤してるんですよね、ワトニーって。
ハブが壊れた時にヘルメットは完全に壊れてエアロックにも穴があいてたり、
MAVに行く為の工作中にパスファインダーが壊れてNASAと交信出来なくなったり、
交信が出来ないから3200kmの旅の途上で嵐に遭遇してからくも回避したり、
それら全ての問題を仮説、検証、実験、考察と科学的な手順を踏んでクリアしていくんですよ。
原作にはそういった面白さが詰まっているのでエンジニア畑の人には是非読んで欲しいですね。

ただ、ラストの演出は映画の方が盛り上がったなぁ。
アイアンマンやってるのもそうだけど、
その後のエピローグもしっかり描いているのが良かったです。
そういった意味でも映画は観て損はないと思いますよ。

最後に余談なんですけど、
ノートPCのLCDが火星の地表に持っていったら使えなくなったというユーザーレビューは、
メーカーの人間としては勘弁して欲しいです。(笑

:: 2016/2/18 木曜日::

■[ラノベ]待てあわてるなこれはユゼフの罠だ「大陸英雄戦記」2巻

大陸英雄戦記 2 (アース・スターノベル)
著者/訳者:悪一
出版社:泰文堂( 2015-12-15 )

作者サイト:悪一
作者twitter:悪一(@waru_ichi)さん | Twitter
絵師サイト:ニリツハイハン
絵師twitter:ニリツ(@Ann_NH)さん | Twitter
Kindle版:大陸英雄戦記 1
Kindle版:大陸英雄戦記 2

地球に近似した、しかし魔術がある世界に転生したユゼフ・ワレサ。
士官学校に進学するも実技は壊滅的でいながら座学は優秀な彼は、
脳筋ヒロインのサラに兵站担当のラデックと出会い、
更に徴兵された先で出会った王女エミリアと知己を得るだけでなく、
側近のマヤさんと一緒にエミリア王女が士官学校に入学してきたことで、
不思議な学友と縁を持った学校生活を過ごして…

というのが1巻までのあらすじで、
この2巻でもまたもや戦争に関わっています。
卒業間近とはいえ士官候補生なのに義勇兵として参加とか、
亡国ならではの戦闘機会の多さですね。

普通は戦闘が多くても普通は学生が作戦参謀になんてなれないんでしょうけど、
そこは悲しいかな亡国だから人手も足りないのよね…
そんな理由でユゼフさんが大活躍なわけなんですが、
彼が立てる作戦はやはり容赦というか遠慮がないですね。
戦後? そんなの知ったこっちゃない。
何しろ義勇兵として参加しているだけで母国でもなんでもないしね。
勝てば良いのだよ勝てば!
的な作戦は中々に痛快でした。(笑

また、敵と味方の双方に優秀なトップと無能なトップが居るんだけど、
ユゼフ側のトップは無能を通り越してクズでしたなぁ。
そんなクズをやり込めて何もさせないところから始めるユゼフさん容赦ないです。
まぁ、戦闘面ではサラにおんぶにだっこなあたり、
ユゼフは全然万能キャラじゃないんですけどね。
頭が回って度胸があるところがユゼフの強みですよね。

そしてヒロインのサラは評判の悪い暴力系ヒロインの系統なんだけど、
私はそれほど嫌悪感はないかなー
ユゼフのことを想っているのが行間から読み取れるし、
何より酔っ払った時の泣き上戸が可愛かったですしね!
サラさん可愛いよサラさん。

戦記モノなんで次々と戦争がありますがそれほど悲壮感はありませんので、
あまり気構えずに読んでみてください。

:: 2016/2/16 火曜日::

■[ラノベ]雪山別荘連続PK事件!「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」Lv.9

アコが無事留年を回避した3学期末。
新年度を迎えたら新入生を獲得しないと部活を維持できない校則があるため、
この面子だけで集まれるのは今だけ、ということで、
セッテさんこと秋山さん主導で合宿をすることに!
杏先輩の別荘でスノボやネトゲを楽しむはずが、
リアルでは不思議な事件が起こり、ネトゲではPKが頻発し…!

上位職業の実装に伴う追い込みで狩り場が激混みとかあるある!
そしてそこでの長大なトレインとMPKもどきとかもあるある…
そんな相変わらずネトゲあるあるだらけの9巻でしたが、
イチャラブなエロコメっぷりも相変わらずでしたね!

おっぱいに載った雪を手で払って感触を味わったり、
一緒に温泉に入ったり、あーんしたりと、
もう色々とクライマックスすぎてうらやまけしからんです!
いいぞ、もっとやれ!
そして薄い本を量産するネタを大量に投下するんだ!(ぉ

しかしガチ勢の猫姫さんがまだLv100になっていないのは意外でしたが、
よく考えたら1巻の頃に再開するまでしばらく休止してたんですよね。
ネトゲはしばらく休んでたらレベルキャップ解放だったり、
美味しい狩り場が実装されたりとレベル上げの難易度が下がるからなぁ。
そう考えると当然といえば当然なのかもしれない。

PvPフィールドでの廃人PKKPTによるレベル上げとか、
割りと楽しそうだなぁ、と思っちゃいますね。
PKされることすらも馴染みのPTと一緒だと楽しそうに思えるから不思議です。
ネトゲって面白いよね!

それにしてもこの9巻でもシュヴァインこと茜の残念さが無双していたなぁ…
ゲームの技をリアルでできると思うとか、
お前はドラゴンボールを読んでかめはめ波を出そうとする小学生男子かと。
料理スキルも相変わらずみたいだし、シュヴァインの今後が心配です。(笑

:: 2016/2/11 木曜日::

■[ラノベ]瞬間、心、重ねて「絶対ナル孤独者 3 ―凝結者 The Trancer―」

絶対ナル孤独者 (3) ―凝結者 The Trancer― (電撃文庫)
著者/訳者:川原礫
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2016-02-10 )

原作者サイト:WORD GEAR
原作者twitter:川原礫(@kunori)さん | Twitter

宇宙から飛来したサードアイに寄生された少年、空木ミノル。
彼の心的外傷から作られた異能力は”可視光以外を全て遮断する防御殻”だが、
特課に所属する小村スウはそれとは相似にして対極の、
”可視光のみを遮断”する能力を持つ<屈折者>で…

ミノルの能力はエヴァのATフィールドだと常々思っている訳ですが、
今回のエピソードはまんま「瞬間、心、重ねて」でしたね!
ツンケンしているユミコとは全然能力のシンクロが出来ないのに、
物静かな美人であるスウとは一発でシンクロ出来てしまうあたり、
まんまシンジとアスカとレイだなぁ、と思ってしまう訳ですよ。
アラフォー読者の多くはそう感じたのではないでしょうか。(笑

とはいえそれは物語の一部なだけであり、
実際にスウはレイほどに寡黙なわけではなくお茶目な所が多いです。
それにルビーアイの組織に対する強行偵察でわかった、
組織幹部である<液化者>の意外な素顔と、
彼女の圧倒的な能力の応用力に追い詰められたりと手に汗握る展開が多かったです。
それでいてラノベっぽいラブコメ要素とかお色気要素が入っているあたり、
流石は川原礫さんだなぁ、と思わされました。(笑

Web版からは序章のインタールードが追加されたり、
執筆当時が2011年3月11日以前だったがためになかった設定が加わったりと、
Web版読者としても興味深い加筆が多かったです。
何よりイラストのサービスシーンとか良かったです!
スウを押し倒す格好のイラストも良かったけど、
ぬいぐるみを抱いて涙目になっているユミコが可愛かったです!

ネックなのが刊行ペースが1年に1冊な所でしょうか。
Web版はここまでしか読んでないので次の4巻が待ち遠しいですね。

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