その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2014/9/27 土曜日::

■[ラノベ]…クッ、殺せ!「女騎士さん、ジャスコ行こうよ」

【新シリーズ紹介】『女騎士さん、ジャスコ行こうよ』ができるまで | MF文庫J編集部ブログ

「はい、イオングループ広報部です」

(・ω・)「突然のご連絡、失礼致します。私、MF文庫J編集部のこうたけと申します」

「お世話になっております」

(・ω・)「実はですね、この度『女騎士さん、ジャスコ行こうよ』という作品を出版したいと考えていまして、それで御社のブランド名であるジャスコを使用させていただきたく、ご連絡したのですが」

「……は?」

最近のMF文庫Jは某なろう書籍化作品を金に飽かせたゴリ押しマーケティングばかりをして、
その他の作品はおざなりという印象だったんですが、やる時はやるじゃないですか。

という訳で上記の編集部ブログを読んでから気になったので購入した次第です。
いや、これは買うべきでしょう。

タイトルから漂うカオス感が半端ないですけど、実際カオスな内容でした。
あらすじをざっくり説明すると…

オークの軍団に王都が陥落し、ロリ姫と女騎士が落ち延びてきた先は日本のド田舎。
拾ってくれた麟一郎の家に厄介になりながら亡命政府を立ち上げるロリ姫だけど、
実はこの田舎の町は他にも銀河帝国や自由フランス等の亡命政府が多数集う変な所。
平和な町を満喫する女騎士と違い、下手に日本の文化知識があるロリ姫は我慢がならず倒れるほどに。
見かねた麟一郎が田舎の人間が都会を感じることが出来る巨大ショッピングモール、
いわゆるジャスコ的な場所に連れて行くんだけど…

というような感じです。
割りとカオスだろう…?

ロリ姫(八歳)がひたすら低価格帯エロゲーと連呼したり、
それに洗脳された女騎士がやたらと「…クッ、殺せ!」と言ったり、
当たり前のようにオークが出てきたりと女騎士のツボを心得てる感じですが、
よくよく考えたら作者の伊藤ヒロさんはエロゲのシナリオも書いてるんですよね。
そりゃ無駄にこなれてるわけだわー

しかしこの作品の根底にあるのは田舎あるあるであり、都会コンプレックスです。
田舎で純粋培養されたらそれほどでもないんですけど、
下手に都会の知識があったら地元の田舎っぷりが嫌になるのも判らなくはないです。
そんな時に代替的な役割が果たすのがいわゆるジャスコなんですよね。
地域によっては平和堂だったりフジだったりするかと思いますが、
いわゆるジャスコで通じるかと思います。
とはいえそれをネタにライトノベルを一本書くとか恐れ入りました。

それにしてもラブコメ要素がありながらもここまでガン無視する主人公とか…
流石ははがないを擁するMF文庫Jというか…
というかはがないも岐阜県が舞台でしたね。
のうりんの舞台も岐阜県だったし、ライトノベルに愛されすぎだろう岐阜…

でも敢えて言わせて貰えれば、岐阜県は本州なだけまだマシだと思う。
本当の田舎とは新幹線が通っていない都道府県のことを言うのだよ…!
水樹奈々の出身地として有名な新居浜市なんかマジでジャスコを中心に栄えてるからなぁ。(偏見

まぁ、普通に読めて楽しい作品でした。
取りあえず「女騎士」と「ジャスコ」に関する知識があれば楽しめると思います。

:: 2014/9/22 月曜日::

■[ラノベ]鏡の中のエピローグ「続・終物語」

続・終物語 (講談社BOX)
著者/訳者:西尾 維新 VOFAN
出版社:講談社( 2014-09-18 )

物語シリーズ、ファイナルシーズンの最終刊ということですが、
何かネクストシーズンで「接物語」っていうのが出るんですってよ。
うん、そんな気はしてた。

今回の「続・終物語」は卒業式を終えて合格発表待ちの阿良々木くんが、
鏡の世界へ行ってしまうというゆるい展開。
始めは台詞が鏡文字で書かれていてめちゃくちゃ読みにくかったです。(笑
しかしそれ以上にめちゃくちゃだったのはキャラの性格でしたね。

八九寺がロリじゃない21歳というのは違和感があったけど、
阿良々木くんと逆転している関係はそれはそれで美味しいかな、と。
一番変わってたのは老倉だけど、これはこれでアリだと思うんだ。
しかしこの老倉を含めてみんな消えてしまうと思うと切ないですね。
鉄人兵団のリルルみたいなもんか。

それにしても今回も妹に二人羽織状態で顔を洗って貰ったり、
ついにスカート姿になって登校するとか阿良々木くんは半端なかったです。
裏面に来たとしても阿良々木くんは阿良々木くんで問題なかったけど、
心の凝りは裏面における戦場ヶ原を見ることが出来なかったことかな。
案外月火と変わらず殆どおんなじなのかもしれませんけどね。

:: 2014/9/16 火曜日::

■[ラノベ]シスコン吸血鬼、焦る「ストライク・ザ・ブラッド 11 逃亡の第四真祖」

年末年始を利用して里帰りした暁凪沙とその保護者の牙城。
一人だけ絃神島に残された古城は雪菜と半同棲状態な上に、
二年参りでは浅葱も侍らせて両手に華で周りに嫉妬される程なんだけど、
連絡が取れない凪沙のことが気になって仕方が無い状態で…

久しぶりの新刊は、ほぼオールキャストの新章!
ただちょろ坂、もとい煌坂だけは出てこないんですけどね。
とはいえ、古城に頻繁に電話をかける煌坂が連絡が取れないということから、
中々に事態が切迫&混迷の度合いを極めているのが判ります。

獅子王機関が何も説明しなかった理由は判らんでもないですね。
だって古城ってばとんでもなくシスコンなんだもの。
浅葱にとって一番のライバルは雪菜じゃなくて凪沙じゃないのかな、これ。
今回は何かと役に立ってたし、ヒロインとしても良い場面が出てきたけど、
まだ隣りに立つことが出来ない&血を吸われない浅葱さんがちょっと不憫。

吸血と言えば那月ちゃんですが…
うーん、惜しい! どっちの形態だろうと血を吸われるシーンが楽しみだったのに。
というか那月ちゃん強いですね、マジで。
味方だと頼り甲斐があったけど、敵に回るとこれほど厄介だとは…
とはいえ、たとえ古城の前に立ちふさがることになっても優しい所があるのは、
那月ちゃんらしくて愛らしいとは思いました。

それにしても凪沙を利用して一体何をやっているんでしょうね。
獅子王機関の偉い人が出張ってきたし、このまま古城たちが絃神島を出られる未来が見えない。
もしかして浅葱だけが島を出る事態になるんだろうか…
それはそれで浅葱が不憫すぎるんだけど…
早く12巻が出てくれないかしら。

:: 2014/9/14 日曜日::

■[ラノベ]たった一つの冴えたやり方「神様のメモ帳」9巻

神様のメモ帳 (9) (電撃文庫)
著者/訳者:杉井光
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2014-09-10 )
作者サイト:杉井光・公式サイト NEET TEEN
作者twitter:杉井光(hikarus225)さん | Twitter
絵師サイト:迷子通信
絵師twitter:岸田メル(mellco)さん | Twitter

Kindle版:神様のメモ帳 1
Kindle版:神様のメモ帳 2

Kindle版:神様のメモ帳 7
Kindle版:神様のメモ帳 8

長らく刊行が途絶えていた「神様のメモ帳」の最終章。

かつて予言されていたように、最終章はアリスのことが書かれた章です。
彼女の出生の秘密と、紫苑寺の家に纏わる妄執渦巻く禁断の内容でしたが、
それ以上に異常なのが今回は探偵役であるはずのアリスが容疑者であり、
探偵役は鳴海が引き受けるという展開でした。

序盤は秒間60連射の婚姻届な天然ジゴロを見せる鳴海プロデュースのアリスの赤面劇場でしたが、
途中からは面白さが加速に加速を重ねて興奮が高まりまくってましたよ。
鳴海が詐欺でいくことを明言し、仲間の力を借りに借りまくって、
最後の窮地には身体を張ってのアクションと満足度が非常に高い展開でした。
何より一番良かったのは、お互い連絡を取り合ってないのに、
アリスなこうする、という信念と信頼だけで大博打を張っちゃう鳴海の度胸ですね。
これはカッコイイですよ。

実を言うと鳴海がやろうとしていたことは割りと早い段階から気付いてました。
高田裕三さんが描いていた「毎日が日曜日」でも同じトリック使ってましたし、
紫苑寺の忌まわしき因果もそれほど捻っているものではなかったので簡単だったかも。
まぁ、中高生にとっては良い刺激だと思います。

とはいえ、やっぱりこの作品の面白さはトリックに重点が置かれているものではないので、
その面白さは全く色褪せるものではなかったですし、
エピローグも良い余韻を味わえるものだったと思います。
刊行期間中には色々とあったけど、作品単体で見れば十二分に面白い作品だったと思います。
9巻という長さもシリーズとしては納まりが良いですし、是非手に取って欲しい作品です。

:: 2014/9/12 金曜日::

■[ラノベ]作られた天才魔法師との邂逅「魔法科高校の劣等生 14 古都内乱編 上」

魔法科高校の劣等生 (14) 古都内乱編 (上) (電撃文庫)
著者/訳者:佐島勤
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2014-09-10 )

アニメが絶賛放映中の中、今回は久しぶりの上下編です。
二年生編になってちょっと勢いが落ちてきたかと心配していたんですが、
ここにきて面白さも復調してきたように思えます。
これはやはり、上下編のボリュームこそが相応しいということなのかもしれない。

九校戦の裏で行われた四葉の暗部である黒羽の部隊による周公瑾捕縛作戦。
しかし予想以上の手練れだった周公瑾は黒羽貢に手傷を負わせた上で撤退。
その身は京都に拠点を置き、九島と敵対する「伝統派」に囲われることに。
そして達也は四葉真夜から依頼という形で周公瑾捕獲作戦に協力するが、
丁度今年の論文コンペの開催場所は京都で行われて…

「伝統派」を相手取るということで貸しがある九島烈に協力を求めるとか、
かつての世界最巧相手でも容赦ないお兄様、流石です。
そして13巻で登場した九島の秘蔵っ子の光宣ですが、予想以上に強かったですね。
後天的に作られたが故に精神的に欠けた所がある達也と、
先天的に作られたが故に身体的に欠けた所がある光宣は対照的に思えます。
それにしてもイケメンであることも先天的に設計されたことなのでしょうか。
まさか水波が一目惚れするとは…(笑

そう言えば久しぶりに深雪さんの嫉妬によるお兄様への追求が行われてましたが、
仕事関係の女性のプライベートナンバーを知っているだけでこれとか、
判ってはいましたが、深雪さんの愛は重いな…!
まぁ、今回は古都の奈良をラブラブデートが出来たから良かったと思いたい。
デートの内容が「伝統派」の拠点探しという殺伐としたものだったのは、
ある意味二人らしいとは思いますが。

しかし今回一番の見所はラストの七草真由美先輩だと思う訳ですよ!
前々から怪しいと思っていたし、どう考えてもそうだと思っていたけれど、
ここにきて本人も自覚した上で、違うと思い込むようになってきましたね!
いやはや、これは違う意味でも次の15巻が楽しみですね!
まぁ、次はドウルマスターズの方が発売らしいですが。
うーん、次は2、3月あたりかな…?
長い…

:: 2014/9/8 月曜日::

■[ラノベ]新天地でも安心のゆゆぽ節「知らない映画のサントラを聴く」

知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫)
著者/訳者:竹宮 ゆゆこ
出版社:新潮社( 2014-08-28 )
絵師サイト:technofuyuno
絵師twitter:ふゆの春秋 (technofuyuno)さんはTwitterを使っています

「とらドラ!」「ゴールデンタイム」とデビュー以来ずっと電撃文庫だった竹宮ゆゆこさんが、
新創刊された新潮文庫nexで短編を発表!
新潮文庫nexはラノベレーベルではないらしいので、メディアワークス文庫と似た立ち位置なんでしょうか。
まぁ、どちらにしろ竹宮ゆゆこは竹宮ゆゆこだった訳で問題ないのですが。

主人公の錦戸枇杷は23歳の家事手伝い。
というかぶっちゃけ就職活動に失敗した無職であり、鉄股処女のロンリーガール。
ある日夜道で変態女装男に襲われ大事にしていた写真を奪われて以来、
奪い返すために深夜の徘徊を日課とするようになったぷち引き篭もり状態の彼女が、
如何にして道を踏み外したか、そしてもう一度進むようになったかの物語。

今回は1冊で完結するということで、中盤からフルスロットルのジェットコースターでしたね。
枇杷が小三の時に出会った帰国子女の朝野と親友になり、その親友を唐突に失ってから、
その喪失感と罪悪感と悔恨から右往左往して懊悩して、更には家を追い出されて…
という、枇杷の心情的には濁流に呑まれるかの如く物語が展開していき、
面白さも加速していって読むスピードは加速する一方でした。

それにしても朝野の元カレの昴とのラブやん的同居生活にも驚いたけど、
昴の性癖というか、罪悪感の奇妙な結実っぷりには驚かされましたけど、
よく考えたら「あの花」のゆきあつと似たような着地点と言えなくもない気が…
中途半端に頭が良い真面目くんはそっちの方向にアクセル踏み込む傾向があるのかな…

何にしても竹宮ゆゆこらしさが凝縮した一冊ではありましたが、
少なくともラブコメ作品ではなかったと思います。
というか、恋愛パートに入る前の序章で終わった感がしないでもないです。
続きを読んでみたい気もしますが、それをやったら別作品になっちゃう気がするので、
これはここで終わったのが正解だと思います。

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