その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2015/9/8 火曜日::

■[漫画]彼女はクールビューティー「あまあま」4巻

あまあま4
著者/訳者:志摩時緒
出版社:白泉社( 2015-08-31 )
作者サイト:SCARECROW
作者twitter:志摩時緒(@shimaso)さん | Twitter
Kindle版:あまあま (1)
Kindle版:あまあま (2)
Kindle版:あまあま (3)

彼女の名前は原美咲、そして彼氏の名前は宮本祐司。
ごく普通のふたりはごく普通の恋をし、ごく普通の交際をしました。
でもただひとつ違っていたのは彼女はお付き合いを周りにひた隠しにしたのです。
これは彼女がお付き合いを周りに知られるまでの物語です。

3巻に引き続きちょっぴり┌(┌^o^)┐ホモォ…なありますが、
基本的に健全な男女のお付き合いを描いた作品なのでご安心下さい。

あ、ちょっと嘘つきました。
若干健全じゃないですね。

amaama04_01

そういえば第一話から事後だったもんなぁ…
それにしてもこの二人はヤリすぎじゃなかろうか。
ゴム代だけでも高校生の財布には厳しい気がしたりしなかったり。

この4巻は最終巻ということで美咲が成長している姿が描かれてます。
神崎さんという秘密を知っている友達が出来たという後押しもあったのでしょうが、
それでもラブレターへのお断りに付き合ってる人がいる、
と言えたのは成長したんじゃないかな、と思います。

とはいえ、美咲以上に祐司が成長しているというか。
いや、祐司は初めから格好良かったかも。
自然体で美咲と付き合えているところとかもそうだけど、
こういうことをサラっと言えるところが格好良いんですよね。

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そりゃ美咲も好きになるわ。
描き下ろしで二人が付き合い始めたエピソードが描かれてますが、
そこでもストレートに好きだと言えてたりするし、
やっぱり祐司は凄いわ。

そして神崎さんの妹の愛ちゃんのラブコメですが、
こちらも良かったですね。
好きな人に「好き」って言われた愛ちゃんの表情がことさらに可愛いかったです。

既にWeb増刊でも新シリーズが始まってますし、
同人誌でも色々と短編を描かれてますので志摩時緒さんの今後の活動も楽しみです。

:: 2015/8/18 火曜日::

■[漫画]だんじょの愛「花はニセモノ」

花はニセモノ
著者/訳者:仙石寛子
出版社:白泉社( 2015-07-31 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

朝起きたら女の子になっていた…

仙石寛子さんの単行本2冊同時発売の1冊目は、
性転換モノでは割りとよくある出だしで始まりますが、
その女の子になっていた歩ちゃんが同性愛者だったという点が異なります。

お賽銭に500円を入れて愛する人と一緒にいられるように願ったら、
世間に受け入れやすいように神様が片方を女の子にしてくれたんだけど、
ゲイな森くんは思わず「なんで女になっちゃうんだ」と言ってしまい、
二人の仲は途端にギクシャクしてしまうことに。

神様のおかげで世間的には普通のカップルになったんだけど、
ゲイな森くんにとっては難しいことに。
しかし歩ちゃんにとっては自分は変わらないのに、
森くんに距離を取られるとやるせない気持ちになる…
非常に複雑であり、めんどくさい物語です。

仙石寛子は昔からBLモノを描きたいとは仰ってましたが、
まさかそこに性転換ネタをぶっ込んでくるとは…
ある意味よりニッチなジャンルになった気もしますが、
かなり斬新で味わい深い作品になっていると思います。
うーん、実に良い…

■[漫画]きょうだいの愛「あなただけ宝石」

あなただけ宝石
著者/訳者:仙石寛子
出版社:白泉社( 2015-07-31 )
作者サイト:空豆人間
作者twitter:1059165(@Saubohne1059165)さん | Twitter

仙石寛子さんの単行本2冊同時発売の2冊目。
こちらは実の姉弟モノである「あなただけ宝石」の他、
兄弟モノだったり姉妹モノだったりと、
きょうだい関係の短編や百合モノの短編が収録されています。

表題作の「あなただけ宝石」ですが、
これが仙石寛子さんの真骨頂そのものの内容で、
無自覚に弟を愛する姉と、
自覚した姉を愛する弟という、
非常にインモラルな内容になっています。

二人の気持ちは言葉よりも先に、
二人の表情と仕草で伝わってくるんだよなぁ。
お互いの気持ちの切なさとかが読んでて伝わってきて心がきしむんですよ。
あぁ、これこそが仙石寛子さんの漫画の面白さだ…!

とはいえ、それ以外の短編は百合モノも含めて甘いモノが多く、
読んでいると非常に甘ったるいモノがあります。
まぁ、百合モノがあったと思えば兄弟BLっぽいものがあったりと、
何とも複雑な味わいを見せてくれるのが何とも面白いです。

:: 2015/5/30 土曜日::

■[漫画]それはプリンのような…「お尻触りたがる人なんなの」

お尻触りたがる人なんなの (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:位置原光Z
出版社:白泉社( 2015-05-29 )
作者twitter:位置原光Z(@ichiharZ)さん | Twitter

アナーキー・イン・ザ・JK」の位置原光Zさんの新作がこの「お尻触りたがる人なんなの」です。
なんとも変態的なタイトルで大層アレですが、
実際そういったタイトルの漫画も収録されているのです。
いやはや、大概アレですね。

収録作品は楽園本誌とweb増刊で書かれた短編ですが、
どれも思春期をこじらせたような内容ばかりで凄く面白いのです。
下ネタばかりなんだけどエロ描写はないという、
倒錯的であり変態的なキラメキが散りばめられているのです!

言葉だけじゃ伝えられないと思うので、
どんな感じなのか具体的に言うとこんな感じです。

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短編によっては1ページとかのもありますけど、
面白さのベクトルはどれも一緒です。
それでいて違った面白さが内包されているのが凄いと思うの。

収録作の多くはWeb増刊からの収録ですが過去作は殆ど読めなくて、
現時点で読めるのは「ゴーヤ」だけですね。
これ単体だけでも位置原光Zさんの漫画の面白さは判ると思うので、
未読の人は是非読んで欲しいです。

あと余談なんですが、表紙に出てる「赤ちゃんはどこからくるの」のヒロインですが、
このエアインテークのある髪型と、隆一とまゆという他のキャラ名から考えて、
どう考えてもKanonからインスパイアされていますよね。
位置原光ZさんのKanon好きは本物だなぁ…(笑

:: 2014/12/4 木曜日::

■[漫画]二宮ひかる、珠玉の短編集「さ迷える心臓」

さ迷える心臓 二宮ひかる作品集2 (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:二宮 ひかる
出版社:白泉社( 2014-11-28 )

二宮ひかるさんが楽園に掲載していた短編が単行本化されました。
二宮ひかるさんはご存知の通り短編漫画が得意なので、
まさか一話の中に短編を複数入れてくるとは。
しかもそれで面白いのが凄い。
あの中では泣くスポーツが印象的で好きですね。
別れ話をああいった視点で描かれると驚きます。

他の短編だとエロ漫画家の母親を持つ娘とか、
ダメ男製造機な女性だとか色々ありますが、
事後に「ごめんなさい」からの「お付き合いして下さい」流れの短編が好きです。
かつてのローリング土下座からの「やらして下さい」を思い出します。(笑

姉弟モノはそれぞれの視点で描かれることによって、
印象がガラリと変わる作品でしたね。
でもそこが二宮ひかるさんの作品らしいと思います。
あのねっとりとした読後感がたまらない。

そういえば今月も二宮ひかるさんの単行本が出ます。
芳文社からなんですが「神崎くんは独身」という作品です。
こちらも二宮ひかるファンとしては押さえたい作品ですね。

:: 2014/12/3 水曜日::

■[漫画]この漫画が好きだ!「夜をとめないで」

夜をとめないで (書籍扱い楽園コミックス)
著者/訳者:ハルミチヒロ
出版社:白泉社( 2014-11-28 )
作者サイト:Harumichihiro INFO

ハルミチヒロさんは「かむかむバニラ!」で知って以来、
他にもちょいエロ系漫画とかには手を出してたんですが、
まさか楽園で恋愛モノを描かれるようになるとは思いませんでした。
そして、それ以上にこんなに面白い漫画を描かれるとは思いませんでした。

シリーズモノではなく短編集という形になっており、
どの短編も非常に個性が強い内容になっています。
普通の男女モノの「夜をとめないで」や百合の「はかなごと」、
中には幽霊になった彼氏と彼女の恋愛モノの「たゆた」まで、
バラエティーが豊かな短編が色鮮やかに花開いています。

そんな数ある短編の中でも私が特に気に入っているのが、
トラウマ引き摺る男と強くて前向き女子の「シャンプーリンスコンディショナー」です。

彼女の浮気現場に遭遇して残酷なまでにフラレて以来、
彼女が使っていたシャンプーの香りがトラウマになった佐々木さん(38)。
ある日会社の飲み会で酷く酔っ払って、
彼女と同じシャンプーの名取あやさんに迷惑を掛けてビンタされた所から物語が動くんですが…
もうね、何か判らないんだけど、この話が好きなんですよ。
大好きなんですよ。

別れた女のことがトラウマになってウジウジする佐々木さんは、
読んでいて痛快な主人公ではないし、共感出来る所は少ないです。
でも、アラフォーで手痛くフラれてしまい臆病になる心の繊細さは分かるんです。
傷つきやすい男の人ってのはどこにでもいるもんですし、
そこが妙にリアルに感じられるんですよ。

そしてヒロインである名取あやさん。
これがね、実に良いんですよ。
酔っ払いに抱きつかれてビンタする強気なトコも良いし、
シャンプーの匂いが気になるならと、匂いに慣れましょう、と前向きなトコも良いし、
佐々木さんに慣れるのを断念したと告げられた時の表情も良い。
もうね、何がどう私の琴線に触れたのかわからないんですが、とにかく良いんですよ!
少なくとも私はこの名取さんのことが凄く好きになりました。
何度も何度も読み返すくらいに。

名取さんは全体的に引っ張ってくれる系の女の子なんですよ。
壁ドンも自分でやっちゃう系女子ですよ。
今の時代だとこういった女の子も有りだと思いますし、
何より佐々木さんには合ってると思うんですよね。
ただ、佐々木さんは間違いなくEDになっていると思うので、
そっちの方でも苦労しそうですが、名取さんなら何とかしてくれると思います。

もちろん、他の短編も面白いです。
ですが、私はやっぱり「シャンプーリンスコンディショナー」が凄く好きなので、
是非ともこの短編を読んで欲しいです。
恐らく私は今後、何度となくこの話を読み返すことになると思います。
それくらい好きです。

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