その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2025/11/17 月曜日::

■[漫画]消えた契約と切れない絆「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の図書館を救いたい!」」11巻

生活の場を城に移動すると、途端に社交のお勉強が始まってしまったローゼマイン。
2年間眠ってしまっていたのと、貴族院でのやらかしの反省もあり、
保護者達の意向もあっての社交のお勉強をするんだけど、
それ以外にも印刷業という仕事の話…
つまりは、契約魔術を解消して下町との繋がりを断つ時期がやってきて…

冒頭のエルヴィーラとフロレンツィアが主催するお茶会とその反省会を見ていると、
保護者達はローゼマインの社交能力を向上させる教育をしようとしているんですよね。
問題はローゼマイン自身のやる気が無いことと、抱えてる仕事で多忙なことでしょう。
こればっかりはフェルディナンドとジルヴェスターのせいですよね…

ただ、仕事の話はローゼマインにとっても悪いことではないんですよ。
本を増やすというローゼマインの目的に沿うものというのもそうなんだけど…
ブリギッテにフォルクという、懐かしい面々に会えるわけですから。
他にもギーベ・イルクナーの奥さんとか初見の人もデザインが興味深かったです。

そして漫画になって嬉しかったのはクラリッサの求婚回ですよ!
勝木光さんなら描いて下さると信じてました!

ファンの間では「足払いメッサー」として有名な求婚ですが、
ここまで躍動感溢れる求婚になるとは…!
というか、躍動感溢れる求婚ってなんだよ…!w

しかしまぁ、クラリッサにマウント取られて、
滔々とローゼマインの賛辞を並べられて「悪くない」と思えるハルトムートは本当に変態ですね…
でも、とてもハルトムートらしいんだよなぁ…w
この気持ち悪さを清涼感ある絵面に仕上げるのはとても凄いと思うのですよ…!

そして勝木光さんの本当の凄さを思い知ったのは、
第49話のローゼマインの夢の描写です。

一目で夢だとわかる淡い描写に、ゆがんだ枠線。
そしてマインの周囲の人達の変遷具合が、とても丁寧なんですよね。
人が移り変わるだけでなく、マインの服装や靴が変わっていき、
大好きな人達と離れていく演出が本当に悲しくて悲しくて…
マインの焦燥感と哀惜が、これでもかというほど伝わってきました。

それに夢見が悪くて悲しむローゼマインを慰められないことに心を痛め、
自分達の不甲斐なさを感じているリヒャルダの表情も良いですよね。
本当に勝木光さんは仕事が丁寧だなぁ…

描き下ろしのヴィルフリート視点の短編のコミカライズでも、
ドレヴァンヒェルのお茶会室の描写がとても丁寧でしたね。
ふぁんぶっく等で語られていた通りに、
植物が多めで、文官が多いドレヴァンヒェルらしかったです。
それにヴィルフリートの考えの浅さもよく伝わってきましたよ。
いやはや、本当に、どうしてまともに成長しなかったのか…
慢心… 環境の違い…

次巻では成長したトゥーリが見られることでしょう。
勝木光さんがどのように描かれるのか、今から楽しみです。

:: 2025/9/19 金曜日::

■[漫画]家族との別れ「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 「本のためなら巫女になる!」」 13巻

神殿長ベーゼヴァンスの陰謀でアーレンスバッハ貴族のビンデバルト伯爵に攫われそうになったマイン。
ダームエル、ギュンター、フランの奮闘虚しく、ついに貴族に攻撃してしまったため、
処刑相当の罰を犯してしまったのだけど、
ジルヴェスターが渡してくれていたお守りのお陰で大義名分を得られたことで神官長が動けるようになり…

ついに第二部完結です。
ここまでは既にアニメ化されているので結末を知っている人も多いのでしょうが…
それでも心に来る人も多いかと思います…
私も原作で何度も読んで、何度も泣いているというのに、やっぱり涙腺に来ましたからね…

マインとして生まれ変わり、本はないけれど、形は変われど家族の愛は有ったのに…
病弱な身体だったけど、家族の愛に包まれていたというのに、
その大切な家族との縁を断ち切らなければならない悲劇…
これでもかというほどに家族への愛を見せつけられて、
読んでいるうちに自然と涙を流してしまうんだよね…

そしてその騒動に関われなかったルッツも…

悲しみは実感できた時にやってくるからね…
それにルッツの悲しみはまだまだあるから…
本当に良い子なので、もっと優しくしてあげてほしいんだけどね…
それでもルッツは立ち上がる強さを持つ子だからね。
まだまだ頼りにしてますよ。

今回の書き下ろしSSで神官長が隠し部屋で何をやっていたのか語られてますが、
なるほど、ヴェローニカの不正の証拠集めだったんですね。
確かにジルヴェスターとカルステッドは領主会議で不在ですし、
動けるのは神官長だけですもんね。

動くまでの段取りも感嘆の溜息をつくほどに鮮やかでしたけど、
それでも人の嫉妬心までは読み取れなかったために失敗をしてしまうあたり、
まだまだ二十歳ちょいの若さを感じますね。
神官長は優秀すぎて嫉妬というものを今までしたことがなかっただろうし、
平民が貴族の命令よりも私情を優先する愚かな所があることを見抜けなかったのも大きいですね。

ただ、その神官長のミスもジルヴェスターの勘でカバーできているのが巧いんですよね。
ちなみにこのジルヴェスターが魔術具を作ったエピソードに関しては、
BD3巻の特典SSで書かれているので気になる人は是非チェックしてください。
面白いよ!

さて、第一部に続いて第二部も完結させた鈴華さんですが…
今度は第五部のコミカライズを手掛けるようですね…!
その… 第五部はめっちゃ長いですからね…
既に10年近くコミカライズをされていますが、
計算上あと20年近く掛かることになりますからね…
頑張ってください!

:: 2025/8/10 日曜日::

■[ラノベ]恋に翻弄される可憐な武闘派乙女「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生」2巻

グルトリスハイトを得たツェントが立ったから平和になったユルゲンシュミットだけど、
ローゼマインとハンネローレが在学中に何も起こらないはずがなく…
今度はフェルディナンドに異常事態が起こったため、
時の女神の伝言役としてハンネローレに降臨され、
ローゼマインは過去の世界へと旅立つという時かけ状態に!
一方、時の女神の力で過去に戻ったハンネローレは大切な気づきを得たんだけど…

「本好きの下剋上」第三期のアニメ化が決定して盛り上がっておりますが、
第五部のその後を綴ったこの外伝2巻も大盛り上がりですよ!
第五部コミカライズよりも先にこのハンネローレ貴族院五年生のコミカライズが決まりましたし…
というか、この外伝から読み始めても理解できるのか心配ではありますね。

さて、本編ですが…
色々と翻弄されるハンネローレ様がとても可愛らしかったです。
イケメンに口説かれるとか乙女ゲームみたいなシチュではあるのですが、
主人公がハンネローレ様ということもあり、あまりそういった印象は受けません。

とはいえ、しっかりと可愛らしさはあるんですよね。
ケントリプスの求婚めいた言葉に赤面するハンネローレ様が可愛いし、
ラザンタルクの不器用だけど実直な言葉に心を打たれるハンネローレ様も魅力的だし、
オルトヴィーンの真摯だけど、時期を逸した救いの手を拒絶するハンネローレ様は切なかったです。

そういった恋に翻弄されるハンネローレ様だけど、
神々の世界と、一年前の世界での気付きのお陰で領主候補生として大きく成長されましたよね。
ツェントを相手に毅然とした態度で必要なことを指摘するだけでなく、
ダンケルフェルガーの利を見据えて、譲るべき所とそうでない所を見極めて、
しっかりと交渉する所は特にそう思えました。

また、ラザンタルクがずっと思っていたように、
ハンネローレ様は可愛らしい見た目と言動に読者すらも惑わされがちですが、
その本質は根っからの武闘派の女傑なんですよね。
幼い頃にレスティラウトに心を折られたことと、
女性としての教育を受けたことで見えにくくなっていただけで。
それが本物のディッターと、神々の世界を経験し、
ラザンタルクの言葉でその本質を取り戻せたのは喜ばしいと思います。

ただ、そのせいでオルトヴィーンの想いが叶わなかったのは可哀想でしたね…
エピローグがオルトヴィーン視点だったことで読者にはわかりましたが、
オルトヴィーンは彼なりに、とても真摯に想っていたんですね…
ただ、恋はタイミングが全てなので、
貴族らしく、丁寧に準備をしたがために、機会を逸したのはね…
本当に、彼こそが「間が悪い」んだと思います。

それに比べて他の男達ときたら…
特にヴィルフリートには何度目かの失望を禁じ得ませんでしたね。
1巻の特典SSで自分の未熟な所を実感したばかりだというのに、
今回も致命的な失言をうっかりしてしまうとか、まるで成長していないんですよ…

その尻拭いに奔走するシャルロッテ視点のSSを見てると、
本当にシャルロッテには同情してしまいます。
父であるジルヴェスターも失言が多い人でしたけど、
それでも領主としてそれなりに考えていたし、
ゲオルギーネの件で自分の至らなかった所を大きく反省したと思います。

それに比べてヴィルフリートは「一見反省したようで実際は反省していない」
というのはシャルロッテが看破した通りでしょう。
今までローゼマインにとってヴィルフリートはどうでも良い存在だったので、
わざわざ指摘することはしていなかったんでしょうけれど、
シャルロッテにとっては実兄な上、まだ領主候補生ですからね。
次期アウブとして監督する必要があるのも大変だなぁ…

ヴィルフリートの側近も理解度が浅いのがいるのは、
次期アウブから外されたことでやる気を失ったのか、元から盆暗だったのか…
どちらかというと後者な気がしますね!

それにラオフェレーグのように途中から上級貴族に落とすのは難しいのかもですけど、
そういった可能性もゼロではないな、と思います。

そしてダンケルフェルガーのラオフェレーグですが…
これはもう、色々とダメダメすぎてゲンナリしましたね…w
ドラマCDのSSで、実妹のルングターゼちゃんにすらも見限られてますが、
それも仕方ないと思えるくらいにダメダメでした。

ヴィルフリートですら諭されたら何が悪かったのかは理解できてたけど、
ラオフェレーグは理解すらもできてなさそうな気配が強いですね。
ライヒレーヌは実母の欲目があったんでしょうけど…
ダンケルフェルガーほどの大領地でもこういった母親はいるものなんですね。
エーレンフェストのヨナサーラやダールドルフ子爵夫人のように、
我が子のことで盲目となる母親はそれほどに多いということでしょう。

今回の特典SSはヒルデブラント視点でしたが、
彼は彼なりに反省しているようでしたね。
レティーツィアとの仲が少しずつ深まっているのは良いと思うのですが、
マグダレーナ様の予想は甘々すぎると思いますよ。
フェルディナンド様が王命廃止を容認するような甘えを許すはずがありません。
王族がどれだけ酷いことをしてきたかという自覚がまだ薄いのではないでしょうか?
ブルーメフェルトの一部を割譲してアーレンスバッハを作らせるんじゃないかなぁ…
フェルディナンド様は「敵は削れる時に削られる所から削られるだけ削るものだ」と認識してそうw

最後に翻弄されるエグランティーヌ様視点のSSですが、
彼女は彼女でとても大変そうで同情しますね。
まぁ、王族の自業自得ではあるんですが、
一番罪を背負うべきトラオクヴァールが悠々自適のアウブ生活をしているのに比べると、
苦労を背負い込みすぎて可哀想だな、と思いますw

神々関連の苦労は完全に巻き込まれですが、ツェントとしての本来の業務なんだろうけど、
ジギスヴァルトに迷惑を掛けられまくるのだけは本当に可哀想ですね。
アウブ・ダンケルフェルガーも指摘している通り、不穏分子でしかないので、
今回の件を機に排除するのも一つの手ではないかな? と思います。

続きの3巻はまた来年発売になるのでしょうか?
Web版では3巻分の内容は既に更新済みではあるのですが、
完結までにはもうちょっと掛かりそうなんですよね。
このペースでは全4巻くらいになりそうな予感がします。

それにローゼマイン視点の続編も楽しみだし…
本当に、まだまだ「本好きの下剋上」は楽しめそうです。

:: 2025/4/23 水曜日::

■[漫画]色々な視点での群像劇「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の図書館を救いたい!」」10巻

貴族院で多数のやらかしをしてしまったローゼマインは、
これ以上やらかさないようにエーレンフェストに戻されてしまう…
それでも実家の次に安心感がある神殿に戻れてホッと一息つけたのも束の間、
今度は領地での印刷業の普及のために、平民時代の絆を絶つことになって…

勝木光さんは短編集や外伝、それに本編のプロローグを巧みに組み込むことで、
単なるローゼマイン視点の物語ではなく、
群像劇のように見せてくれるのが素晴らしいと思うのですよ。
特にこの10巻はその毛色が強く出ているんですよね。

原作第四部2巻エピローグのベンノ視点と、
原作第四部3巻プロローグのギル視点と、
原作貴族院外伝アンゲリカ視点と、
原作第四部2巻書き下ろしのレオノーレ視点と、
原作貴族院外伝ユーディット視点が描かれているんですよ。
なので、実質ローゼマイン視点は一話分だけなんですけど、
その面白さは薄まるどころか、より面白くなっていると思うのです。

冒頭のベンノ視点を読むとよくわかるんですが、
ベンノさんって本当に良い大人ですよね…
揺れて折れそうになるルッツを導くことで、
不安定になりそうなマインの心まで守ってあげるとか、
本当に二人の良い保護者していると思います。

他の視点だと、特にアンゲリカ視点の話は良かったですね~
原作でも好きだったけど、勝木光さんの翻案がとにかく素晴らしい!

ニコラを見送った時は原作通り呆然としていたけれど、
その後にこのような自然な笑顔を浮かべる描写は原作にはありませんでした。
でも「アンゲリカなら笑顔を浮かべて当然だよね」と感じるんですよね。
本当に勝木光さんの原作への理解度が高いと思わされます。
そして、アンゲリカが本当に美少女だな、と感じますw

そして本編であるローゼマイン視点の話も良いんですよね…
奉納式でのコミカルな失敗は可愛くて面白いんだけど、
エルヴィーラに諭され、平民時代を思い出しているシーンが切ないんですよ…

今は失ってしまった、平民時代の思い出が、
少し色褪せてしまいそうな感じが出ていて切ないんですよ…
ローゼマインとして本が身近になったのは喜ばしいけれど、
愛する家族や大切な友達と縁遠くなってしまったのは、ただただ寂しい…
そういったマインとしての気持ちが伝わってきて、胸がキュッとしてしまいました。

書き下ろしのSSはフリーダ視点だったんですが…
フリーダにとってマインが特別な、たった一人のお友達だったことを失念していました。
そうだよね、マインとお友達になってあれだけ嬉しそうにしてたんだもんね…
他の富豪の子と違って身食いで将来貴族街に行くから友達はできにくいから、
マインだけが同じ身食いで、別ベクトルだけど同じ情熱を持っていたんだものね。
そりゃ、特別なお友達ですよ…

そんなマインとの絆が切れてしまった現実を、ついに突きつけられて、
この幼さで割り切らないといけないというのが、ツラいものでした…
しかし、同じ年代のルッツやフリーダが割り切って乗り越えていて偉いですよ。
ヴィルフリートも少しは見習って欲しいものです…w

:: 2025/2/15 土曜日::

■[漫画]下町と神殿での大立ち回り「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 「本のためなら巫女になる!」」12巻

待望の実弟が産まれて喜びが隠しきれないマインだったけど、
神殿では不穏な影が見え隠れし、護衛のダームエルも警戒を強めていく緊迫した状況だった…
自宅で待機していたマインにギュンターから告げられるのは、
他領の貴族が絡んでいるというきな臭い話で…

ついにクライマックスが近付いてきましたね…
第二部も次巻か、その次でラストでしょうか…
もうちょっとマインが自宅で平和にしている所を見ていたかったんですけどね…

大好きな弟のカミルのことを可愛がって上げたいでしょう。
幼い頃のカミルを世話できるのは今だけだし、
神殿に行って不在の間は会えないし、そりゃ可愛がりたいでしょう。
だというのに、悲劇は待ってくれないのです…

原作やふぁんぶっくを読んだ今なら神殿長のコンプレックスもわかるんですよ。
血筋が良い上級貴族の家に産まれながら魔力量が足らないからと神殿に入れられ、
コンプレックスの塊な所に権力者である実姉が甘やかしてくれたから、こんなゲスになったのでしょう。
神殿を自分の物だと勘違いし、そこに異物となるマインが入るは許せない。
何より、自分のコンプレックスである魔力量が、
平民の身食いであるマインにも負ける事実が心底気に食わなかったのでしょう。

そのために姉に甘えて違法なことをしてマイン排除に動く短慮さを見てると、
貴族教育を受けてないことを如実に感じることが出来ますね。
権謀術数に長けた姉に教わる機会もないし、経験もできなかったんでしょう。
常識が狭い幼女のデリアは騙せても、マインは騙せない体たらくですからね。

そして神殿長のせいで始まる下町での大立ち回りですが、
ダームエルが大活躍でしたね!

成人したばかりで、罰として護衛していたダームエルですが、
そこで腐らずに真摯に仕事をしていたことは今まで見ていた通りです。

そして原作の短編で神官長に教え諭されていたように、
救援が必要だと思ったら即座にロートを打ち上げるあたり、
本当に成長していると思いますよ。
こういった経験があるから、将来マインに「一番の騎士」と言われるほどになるのでしょう。

下町と神殿での騒動を見ていると、
ゲスな神殿長と貴族へのヘイトが溜まっていきますが、
そこはジルヴェスターの非常識なお守りと、
神官長の魔力量のお陰で鬱憤が溜まりすぎないようになっております。

でもなぁ… 次巻の展開がなぁ…
原作を読んで知っているだけに、今から涙が出そうです…
はぁ… 鈴華さんはどういった風に描くんだろう…
楽しみだけど、とても切ないです…

:: 2024/12/15 日曜日::

■[漫画]神殿での生活「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の図書館を救いたい!」」9巻

貴族院の図書館にずっと篭もっていたかったのに、
数々の社交失敗によって帰還命令が出されてしまったローゼマイン。
交渉の末に何とか帰還までに三日の猶予を勝ち取るんだけど、
肝心の読書は全く出来ないのであった…

周囲のために我欲を抑えて仕事をしているあたりは、
ローゼマインもちゃんと領主候補生してるなぁ、と思いますね。
まぁ、そもそもやらかさなかったら帰還命令が出なかったのですが…
それは保護者たちの教育不足に依るところが大きいので仕方ないよね?

とはいえ失敗したなら叱られるのは当然だし、
反省して次に活かすためには、何が失敗だったかを知らないといけませんからね。
尋問されるのは仕方が無いと思いますよ。
そして領地を巻き込んだ大騒動になってもほっぺたをつねられるだけで済まされているのは、
わりと穏便だと思いますw

ローゼマインのほっぺたはツマミ心地が良いらしいですからね。
とても柔らかそう。

城では殆ど過ごさず、あっという間に神殿に篭もることになったローゼマインだけど、
それも、神殿が第二の我が家だから当然なんですよね。

実の家族がいる家ほどではないけれど、
それでも神殿では心をある程度休ませることができることが、
この安心しきったローゼマインの表情を見ているだけで伝わってきます。

このローゼマインしかり、勝木光さんは表情に気持ちをのせるのが上手いんですよね。
原作のキャラをしっかりと理解しているから、
それぞれの場面でどのような気持ちだったのかを、分かりやすく見せてくれるんですよ。
コルネリウスに頼られて乙女の顔をするレオノーレとか、
シンプルな命令で頼られて理解するアンゲリカとか、
小生意気だけど可愛いディルクとか、とても良いと思うのです。

だからこそ、ラストで契約魔術の解消を行うことを宣告したローゼマインが、
表情を取り繕いつつも、手には感情がのせられている描写が重いんですよね…
大切なマイン時代の繋がりを自分で断っていかなければならないとか、
そのツラさがわかるだけに、精神的にきついものがあります。

そんなローゼマインとは違って安穏とした貴族院生活を送ろうとしているヴィルフリートだけど、
この頃から色々とやらかしまくってるんですよね。
教育係のオズヴァルトは他領との貴族への対応とかはそつなくこなしているけれど、
自領の貴族に対しては無自覚な傲慢を見せるところは、本当に駄目だなぁ、と思うのですよ。

それに疑問を抱かず、素直に影響を受けるヴィルフリートが本当にダメダメで…
この作品では無自覚な傲慢さを見せるキャラは今後も多々出てきますが、
とてもヘイトを溜める行為だということに彼等が気付けないのが致命的ですよね。

書き下ろしSSはコルネリウス視点でのエルヴィーラとの会話ですが、
しっかりとした母親の教育を受けていて、
こういった所がヴィルフリートには致命的に足りなかったんだなぁ、と感じてしまいます。
エルヴィーラは本当にできた第一夫人ですよね。

ローゼマインのやらかしに振り回される側近は大変だけど、
それでもコルネリウスは可能な限り頑張っていることがよくわかりました。
これからも大変なことはどんどん増えていくけど…
頑張ってね! お兄ちゃん!

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