■[ラノベ]恋に翻弄される可憐な武闘派乙女「本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生」2巻
本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生2巻
出版社:TOブックス
作者名:香月美夜
作者twitter:香月美夜さん(@miyakazuki01) / Twitter
絵師名:椎名優
絵師サイト:椎名優 絵仕事 You Shiina artworks
Web版:ハンネローレの貴族院五年生
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グルトリスハイトを得たツェントが立ったから平和になったユルゲンシュミットだけど、
ローゼマインとハンネローレが在学中に何も起こらないはずがなく…
今度はフェルディナンドに異常事態が起こったため、
時の女神の伝言役としてハンネローレに降臨され、
ローゼマインは過去の世界へと旅立つという時かけ状態に!
一方、時の女神の力で過去に戻ったハンネローレは大切な気づきを得たんだけど…
「本好きの下剋上」第三期のアニメ化が決定して盛り上がっておりますが、
第五部のその後を綴ったこの外伝2巻も大盛り上がりですよ!
第五部コミカライズよりも先にこのハンネローレ貴族院五年生のコミカライズが決まりましたし…
というか、この外伝から読み始めても理解できるのか心配ではありますね。
さて、本編ですが…
色々と翻弄されるハンネローレ様がとても可愛らしかったです。
イケメンに口説かれるとか乙女ゲームみたいなシチュではあるのですが、
主人公がハンネローレ様ということもあり、あまりそういった印象は受けません。
とはいえ、しっかりと可愛らしさはあるんですよね。
ケントリプスの求婚めいた言葉に赤面するハンネローレ様が可愛いし、
ラザンタルクの不器用だけど実直な言葉に心を打たれるハンネローレ様も魅力的だし、
オルトヴィーンの真摯だけど、時期を逸した救いの手を拒絶するハンネローレ様は切なかったです。
そういった恋に翻弄されるハンネローレ様だけど、
神々の世界と、一年前の世界での気付きのお陰で領主候補生として大きく成長されましたよね。
ツェントを相手に毅然とした態度で必要なことを指摘するだけでなく、
ダンケルフェルガーの利を見据えて、譲るべき所とそうでない所を見極めて、
しっかりと交渉する所は特にそう思えました。
また、ラザンタルクがずっと思っていたように、
ハンネローレ様は可愛らしい見た目と言動に読者すらも惑わされがちですが、
その本質は根っからの武闘派の女傑なんですよね。
幼い頃にレスティラウトに心を折られたことと、
女性としての教育を受けたことで見えにくくなっていただけで。
それが本物のディッターと、神々の世界を経験し、
ラザンタルクの言葉でその本質を取り戻せたのは喜ばしいと思います。
ただ、そのせいでオルトヴィーンの想いが叶わなかったのは可哀想でしたね…
エピローグがオルトヴィーン視点だったことで読者にはわかりましたが、
オルトヴィーンは彼なりに、とても真摯に想っていたんですね…
ただ、恋はタイミングが全てなので、
貴族らしく、丁寧に準備をしたがために、機会を逸したのはね…
本当に、彼こそが「間が悪い」んだと思います。
それに比べて他の男達ときたら…
特にヴィルフリートには何度目かの失望を禁じ得ませんでしたね。
1巻の特典SSで自分の未熟な所を実感したばかりだというのに、
今回も致命的な失言をうっかりしてしまうとか、まるで成長していないんですよ…
その尻拭いに奔走するシャルロッテ視点のSSを見てると、
本当にシャルロッテには同情してしまいます。
父であるジルヴェスターも失言が多い人でしたけど、
それでも領主としてそれなりに考えていたし、
ゲオルギーネの件で自分の至らなかった所を大きく反省したと思います。
それに比べてヴィルフリートは「一見反省したようで実際は反省していない」
というのはシャルロッテが看破した通りでしょう。
今までローゼマインにとってヴィルフリートはどうでも良い存在だったので、
わざわざ指摘することはしていなかったんでしょうけれど、
シャルロッテにとっては実兄な上、まだ領主候補生ですからね。
次期アウブとして監督する必要があるのも大変だなぁ…
ヴィルフリートの側近も理解度が浅いのがいるのは、
次期アウブから外されたことでやる気を失ったのか、元から盆暗だったのか…
どちらかというと後者な気がしますね!
それにラオフェレーグのように途中から上級貴族に落とすのは難しいのかもですけど、
そういった可能性もゼロではないな、と思います。
そしてダンケルフェルガーのラオフェレーグですが…
これはもう、色々とダメダメすぎてゲンナリしましたね…w
ドラマCDのSSで、実妹のルングターゼちゃんにすらも見限られてますが、
それも仕方ないと思えるくらいにダメダメでした。
ヴィルフリートですら諭されたら何が悪かったのかは理解できてたけど、
ラオフェレーグは理解すらもできてなさそうな気配が強いですね。
ライヒレーヌは実母の欲目があったんでしょうけど…
ダンケルフェルガーほどの大領地でもこういった母親はいるものなんですね。
エーレンフェストのヨナサーラやダールドルフ子爵夫人のように、
我が子のことで盲目となる母親はそれほどに多いということでしょう。
今回の特典SSはヒルデブラント視点でしたが、
彼は彼なりに反省しているようでしたね。
レティーツィアとの仲が少しずつ深まっているのは良いと思うのですが、
マグダレーナ様の予想は甘々すぎると思いますよ。
フェルディナンド様が王命廃止を容認するような甘えを許すはずがありません。
王族がどれだけ酷いことをしてきたかという自覚がまだ薄いのではないでしょうか?
ブルーメフェルトの一部を割譲してアーレンスバッハを作らせるんじゃないかなぁ…
フェルディナンド様は「敵は削れる時に削られる所から削られるだけ削るものだ」と認識してそうw
最後に翻弄されるエグランティーヌ様視点のSSですが、
彼女は彼女でとても大変そうで同情しますね。
まぁ、王族の自業自得ではあるんですが、
一番罪を背負うべきトラオクヴァールが悠々自適のアウブ生活をしているのに比べると、
苦労を背負い込みすぎて可哀想だな、と思いますw
神々関連の苦労は完全に巻き込まれですが、ツェントとしての本来の業務なんだろうけど、
ジギスヴァルトに迷惑を掛けられまくるのだけは本当に可哀想ですね。
アウブ・ダンケルフェルガーも指摘している通り、不穏分子でしかないので、
今回の件を機に排除するのも一つの手ではないかな? と思います。
続きの3巻はまた来年発売になるのでしょうか?
Web版では3巻分の内容は既に更新済みではあるのですが、
完結までにはもうちょっと掛かりそうなんですよね。
このペースでは全4巻くらいになりそうな予感がします。
それにローゼマイン視点の続編も楽しみだし…
本当に、まだまだ「本好きの下剋上」は楽しめそうです。



























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