電撃大王本誌で読んでいても単行本での楽しみがまた別にあるのが「よつばと!」
加筆修正があることは勿論、本編の内容に沿ったカバー下の装丁は凄くユーモラスだし、
通して読むことで新たに気付くことも多々あるんですよね。
私もよつばの口癖が「しかたない」になっていることにようやく気付きました。
そして「よつばと!」の素晴らしい所は読者自身の中での再発見がある事なんですよね。
例えば「よつばとホットケーキ」なんかは私は特にそうでした。
子供の頃、何かをやろうとして上手くいかなくて拗ねたこと、
ホットケーキを上手にひっくり返すことが出来た時の驚きと嬉しさ、
そういった記憶をありありと思い出させてくれるんですよ。
そして思い出させてくれるキッカケは本当に些細なことで、
よつばがホットケーキをひっくり返そうと慎重になって首をすくませる何気ない描写。
ただそれだけで、「あぁ、私もそうだったなぁ…」と思い出してしまうんですよね。
そういった小さなことにまで気を配った描写があるからこそ、
子供は共感し、大人は昔を思い出し、親は我が子と重ねて微笑むんだと思います。
特別なことなんてない、毎日が特別な子供の日常を描いているからこその面白さ。
当然そこには嘘をついたらしかってくれるとーちゃんが居て、
年が近いから同じ目線で、姉のように遊んでくれる恵那が居て、
天然だけど面倒見良く、一緒に行動してくれる風香が居て、
と、色んな人間関係があるんだけどまたそこが良いんですよね。
子供を持つ親が「よつばと!」を見て「とーちゃんの躾けが良い」とよく言うんですよね。
とーちゃんは今までもよつばがのびのびと育つように自由にさせ、小さなことを誉めてあげ、
そして約束を破ったら愛あるゲンコツで叱ったりとしてきましたが、
10巻では嘘をついて自分は悪くないと誤魔化そうとしたよつばに対して、
しっかりと叱り、そして許し、失敗しても良いから嘘をつくなと諭すという、
惚れ惚れするほどしっかりとした父親像を見せてくれるんですよね。
また、風香が久しぶりによつばたちと一緒に行動するんだけど、
相変わらず妙なテンションと感性をしてて面白いんですよねぇ。(笑
いい事言った(と自分で思っている)時のどや顔的テンションの高さとか、
妙なキーホルダーを集めてたりとか天然な所が凄く楽しい。
それでいてとーちゃんに「かわいい」と言われて赤面しちゃったりと、
いきなり可愛く見えちゃったりして本当に風香ってば愛らしいんですよね。
そして恵那は三人姉妹の末っ子だったからずっと妹が欲しかったんでしょうね。
本当によつばのことを妹のように可愛がって、姉のように接してくれて、
よつばの夢を守るためにダンボーを復活させたりと色々と頑張ってくれるんですよ。
良いお姉ちゃんを持ったなぁ、よつばも。
人物の描写だけでなくその発言、また背景の細かい所まで考えられて描かれており、
本当に何度も何度も読み返してしまい、またその度に気付く面白さがここにはあります。
1年に1回しか単行本が出ないのが本当にもどかしいのですが、
このクオリティを持続させるのには仕方ないのかな、とも思います。
とはいえ待ちきれないので電撃大王本誌も購読してしまうんですよね。(笑
これまでも、そしてこれからも楽しみに読んでいきたいと思います。
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