その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2011/9/19 月曜日::

■[ラノベ]氷の俺と空気を読む衆愚と「灼熱の小早川さん」

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)
著者/訳者:田中 ロミオ
出版社:小学館( 2011-09-17 )
文庫 ( 264 ページ )
絵師サイト:「ni」のプロフィール [pixiv]

ヤバイ、面白すぎて死ぬ…!

これだ! これだよ! 田中ロミオはこれだから侮れないんだよ!
人類は衰退しました」のように毒を何重にもオブラートで包んだ作品ではなく、
AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~」のような禍々しい美しさが光り輝く作品が、
この「灼熱の小早川さん」でした。
いや、マジで田中ロミオぱねぇな!

空気を読んで上手く立ち回り、実家も裕福で勝ち組人生だったはずの飯嶋直幸が、
空気を気にせず規律と正論を以て集団の和を破壊する小早川千尋を観察するだけのはずが、
クラス代表になった小早川さんの独裁に対する緩衝材としてクラスの空気によって選ばれ、
内心嫌々だったけど、小早川さんが空気を読みながら行動していたことを知り、
そこから興味をもっていくと、クラスの別の面が見えてきて…

もうね、とにかく現代日本における空気を読むことを強制する雰囲気というものを的確に浮かび上がらせ、
それによって起こるクラス崩壊という小規模ながらも生々しい絶望が感じられて鳥肌モノですよ!
こういったことは現代日本では別に高校の一クラスだけに当てはまるものではなく、
帰納法的に考えれば現代日本そのものなのではないかな、と思ってしまいます。
それくらいに田中ロミオさんの文才っぷりは素晴らしかったです。

何度も作中で直幸が言ってますが、クラスメイトの一人ひとりは悪人ではなくむしろ良いヤツなんだけど、
空気を読む集団となると途端に問題児たちばかりになるという不思議。
しかも、数年前にモンペが起こした抗議活動により熱血教師達は牙を折られ、
生徒の自律によって運営されるはずが、空気を読むことを至上とする他律的な同調圧力がクラスを支配し、
現代の世知辛い友達地獄が醸成され、いじめが悪ふざけとされる怖ろしい雰囲気になってるんですよね。
閉じられた狭い世界だけしか知らない、ということの恐ろしさを実感させられます。

実際、何度か直幸はクラスメイトに委員会を頼んでいる時も、
頼まれた当人はこれっぽっちも罪悪感がなく「みんなやってるから」「これくらい大丈夫」
といった軽い気持ちで「まわりの流れと関係なく行動するのって幼稚」だという考えに流され、
それを当然として行動している様は、群青色な人よりも空恐ろしい透明っぷりでしたね。
空気を読むことの恐ろしさの片鱗を味わいました…

そしてそんな大衆を衆愚として認識せざるをえなかった中学生時代を乗り越えた小早川さんが、
必死になって規律を以てクラス崩壊を食い止めようと奮闘しているんだけど…
直幸の視点から語られる小早川さんの奮闘が全くクラスの衆愚に届かないのがもどかしくて腹立たしい!
生徒会とかクラス代表会議だとむしろ小早川さんみたいなのが当然なのに、
問題児クラスの1-Bでは孤立無援なのが読んでいて胸が締め付けられそうで、
だからこそ、直幸には頑張って欲しくて続きを熱望して読んでしまうんですよね。

というか小早川さんが実は可愛すぎる女の子であるギャップが素晴らしいんですよ。
いや、ラブコメ成分が少ない本作ですが、それでも充分萌えられるギャップ萌えでした。
6時に起床してまずやることが「啓蒙活動」という名の掲示板荒らしだとか、
直幸にヲチされる痛いブログ運営者でクラスの独裁者なのに、
一人でネコミミ&ネコしっぽをつけてたりするなんて正直反則ですよ!
そして、それまでの小早川さんの印象を吹っ飛ばすバレンタインでのあの台詞には、
正直キュンってきちゃいましたよ。

もう幾らでもこの面白さを語れそうなんですが、とにかく面白いから買って読んでください、
としか言いようがないです!
いやー、本当に素晴らしかった。
これだからガガガ文庫は侮れない…!

:: 2011/9/14 水曜日::

■[ラノベ]MMORPG初心者の君へ「ログ・ホライズン3 ゲームの終わり(上)」

ログ・ホライズン3 ゲームの終わり(上)
著者/訳者:橙乃 ままれ
出版社:エンターブレイン( 2011-08-31 )
単行本 ( 335 ページ )
作者サイト:m2lade JAM
作者twitter:橙乃ままれ (marmalade_macro) on Twitter
絵師サイト:instantGarden

今月末にログ・ホライズン4 ゲームの終わり(下)が出るので2ヶ月連続刊行なログホラですが、
やはり3と4は1と2と同じく続き物なので同時に読んだ方が良いかも知れません。
もちろん3単体でも面白いですけど、シロエの凄さは物語後半の4でこそ輝いてますからね。

プレイしていたMMORPGの世界に集団転移してしまったシロエたち数万人の日本人。(実は世界中のプレイヤーも転移)
関東のプレイヤーはシロエ発案の円卓会議によって一定の安定をみたけど、
それでめでたしめでたしにならないのが社会の難しいトコロ。
今度はゲーム中ではNPCだった大地人の社会との関わり方も検討しはじめる中、
別働隊が初心者プレイヤーの育成合宿でゴブリンの異常発生が確認され…

という訳で今回はシロエたち円卓会議の長たちが大地人の会議に列席するシロエサイドと、
初心者プレイヤーたちであるミノリたちがパーティープレイを学んでいくミノリサイドの2つがメインです。
特に後者のミノリたちの話はMMORPGなど、他人との協力プレイするには当たり前だけど、
初心者にはその重要性が判りづらいところをしっかりと書かれているんですよね。

判りやすくモンハンで例えると4人が集まってもみんなが好き勝手な装備で挑んだら、
お互いが大剣でホームランされたり爆弾で吹っ飛ばされたりと全然攻撃が届かずに、
結局はティガレックスさんに蹴散らされるのがオチな訳です。
だから重要なのは敵に合わせて装備を調え、前衛が居たら曲射は控えるようにお互いを邪魔せず、
「粉塵くださいー」「閃光玉行くよー」と声掛けすれば下位装備でも上位ティガも倒せる訳ですよ。
すこぶる簡単で単純なんだけど、それが大事ってことです。

そういった初心者パーティーを通して伝える「コミュニケーションの大事さ」というのが、
この作品、というかままれさんの作品のキモなんじゃないかと思います。
シロエ本人が参加している大地人の会議だってお互いの面子とか色々なもので上手く交流できず、
腹を割った話ができないから苦労する訳で。
ある意味子供で初心者だからこそ、わだかまりなくコミュニケートできるのかなー
と、ミノリたちを見てて思いましたよ。
これが若さか。

それはそうと、一人でダンスの練習するアカツキとか超可愛いと思いませんか。
子供扱いされて不機嫌だけど、シロエのつむじを観察して悦に浸ってるとか、
もう超絶に可愛いロリっ娘じゃないですか。
アカツキたんハァハァ。(←結論

:: 2011/9/13 火曜日::

■[ラノベ]アデリーナ、スカートはいてない!「フルメタル・パニック! アナザー」1巻

フルメタル・パニック! アナザー1 (富士見ファンタジア文庫)
著者/訳者:大黒 尚人
出版社:富士見書房( 2011-08-20 )
文庫 ( 263 ページ )
原作者サイト:GATOH.COM blog style
原作者twitter:賀東招二 (gatosyoji) on Twitter
絵師サイト:風の色
絵師twitter:四季童子 (shikidoji) は Twitter を利用しています

どこぞの包帯シスターじゃないですが、スカートはいてない系のヒロインかと思いきや、
実は短パンをはいているという、某ビリビリさん系なヒロインでした!
しかもCAやジャージブルマと(マオに騙されて)コスプレしまくりなヒロインですよ!
原作ではかなめよりテッサが人気だったことから、やはりヒロインはロリに限るという結論に達したのか、
今回は若干ロリが入ってるヒロインのリーナですが、素晴らしいと思いますよ。
ポニテだし!

さてさて、原作の人気が半端無いフルメタのスピンオフ的なこのアナザーですが、
賀東さんが指名しただけあって大黒尚人さんの文章力は全く問題なかったです。
オノDやマオといった原作キャラが出てきてもイメージは全然壊されないし、
それでいて新主人公の達哉に新ヒロインのリーナは魅力があるしで、
読んでいて予想以上に楽しめましたよ。

本編の世界で起こったあの戦争から十数年後。
マオが社長を務める民間軍事会社D.O.M.S.が自衛隊を教導中に起きたトラブルに巻き込まれ、
その時に発揮したAS操縦の腕を買われてヘッドハントされた土建屋の息子でPS乗りの市ノ瀬達哉。
優秀な美人AS乗りであるアデリーナとのボーイミーツガールという、原作と同じコンセプトながら、
鬼教官なリーナにしごかれる達哉と、原作カップルと少し違うけど似た関係性が面白いです。
原作を知っているとクスっと笑えるネタが散りばめられてるのも良いですしね。

世界を股に掛けての陰謀と謎といったものは薄くなりましたが、
メカアクションとボーイミーツガールなラブコメは健在です。
フルメタでありながらフルメタでない、それでいて間違いなくフルメタの面白さがある。
そんな作品でしたね。
今後のリーナのコスプレに期待しつつ楽しんでいきたいです。

:: 2011/9/12 月曜日::

■[ラノベ]賢獣二匹目、ゲットだぜ!「ストライク・ザ・ブラッド」2巻

ストライク・ザ・ブラッド 2 (電撃文庫 み 3-31)
著者/訳者:三雲 岳斗
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-09-10 )
文庫 ( 343 ページ )
作者サイト:ミクモノグラフィカ
作者twitter:三雲岳斗 (MIKUMO) は Twitter を利用しています
絵師サイト:モフモフ
絵師twitter:全裸の魔術師マニャ子 (manyak) は Twitter を利用しています

1巻の時点で予想できた通り、少女一人の血につき賢獣一匹が制御可能になるようで、
今回も新キャラ(ポニテ美少女)が登場したと思ったら他所疑わず嫁候補だったみたいで、
初めは殺しに掛かってきたのに最後にはデレる当たりは流石だな、と。(笑
お陰で1巻から出ている浅葱さんの嫁化はまだですが、
電撃の前例(禁書目録)見る限り、電気系ツンデレ女子は3巻でメインを張るはずなので、
今から3巻に期待したい所ですね。
何しろラストであんな展開になったことですし!

事件としては第一真祖に連なる貴族の大物がテロリストを誘因しながら豪華クルーズで襲来!
というどこかエヴァのアスカっぽい登場ですが、中身はカヲル君というかホモです。(ぉ
古城も周りの女性キャラはツンデレばかりで、唯一初めからデレてるのがホモだけというのは、
正直ちょっと同情しないでもないですが、でもやはりモテてるのは羨ましいとしか!

というかですね、雪菜の押し掛け世話女房っぷりに磨きが掛かってて凄いっすな!
着替え覗いた前科があろうとも古城がピンチの時にはチアコスで颯爽と登場したり、
何だかんだ言いながら嫉妬しまくりでやたらと可愛いんですよ。
ツンデレで年下の押し掛け世話女房…、これは流行る!

ちなみに今回の新キャラである百合が入ってる雪菜の先輩の紗矢華さんですが…
戦闘能力とスタイルは素晴らしいツンデレでしたが、ISのヒロイン並のチョロさでしたね!
正直今回は雪菜に対抗して朝から押し掛けて起こしに来た浅葱さんの方が魅力出てましたよ!
というか、ラストの浅葱さんの萌えっぷりは雪菜に匹敵しますよ!
やべー、これで浅葱さんメイン回になったらどんだけ萌えるんだ…!
次巻も楽しみです!

:: 2011/9/11 日曜日::

■[ラノベ]終わってなかった事件を終わらせる事件「神様のメモ帳」8巻

神様のメモ帳 8 (電撃文庫 す 9-16)
著者/訳者:杉井 光
出版社:アスキー・メディアワークス( 2011-09-10 )
文庫 ( 333 ページ )
作者サイト:杉井光・公式サイト NEET TEEN
作者twitter:杉井光 (hikarus225)はTwitterを使っています
絵師サイト:迷子通信
絵師twitter:岸田メル (mellco) on Twitter

声優さんの名演はともかく、流石はシエルにスパゲッティを食べさせた監督の神メモアニメですが、
原作は流石は杉井光のスピード&クオリティで面白いです。
しかし今回は原作1巻を思いっきり下敷きにした内容なので、
それを改悪したアニメしか知らなかったら全く意味不明になりそうなのがネックですね。
いないと思いますが、アニメonlyな人がいきなりこの8巻を読むのはお勧めしません。

新宿の雀荘荒らしの雀熊調査を四代目から依頼された鳴海が出会った、
初っ端からトリプル役満をあがる関西人はなんと雛村三代目。
金が全てのヤクザ者な三代目と四代目の仁義容赦なき諍いを、
カイジ並のイカサマでくぐり抜けたと思ったら、実は雀熊のイカサマは、
かつて彩夏を襲った悲劇のドラッグ、エンジェル・フィックスと関係していて、
その事件の真相と彩夏を巡り、鳴海と四代目の仲に亀裂が入って…

ヤクザ、賭け麻雀、ドラッグ、援助交際と相変わらず高校生らしくない事件ばかりの鳴海ですが、
今回はイカサマ以外だとヘタレなトコが多く見られた気がしたなぁ。
まぁ、鳴海は彩夏関連だとトラウマ刺激されるってのが理由なんだろうけど。
その彩夏本人が一人の人間として自立しているのが明示されたから、
今後は精神的にもあの事件から一歩踏み出せるようになるのではないでしょうか。

そんな鳴海だけど、1巻の頃から明らかに成長してるのはツッコミ能力ですよね。(笑
本場関西人の雛村三代目も認めるツッコミっぷりは主人公の貫禄が出てましたよ!
アリス相手に炸裂させる天然ジゴロといい、そういった方面では成長してますよねー
高校三年生に進学できるみたいだけど、果たして鳴海の将来はどうなるのか。
本命はアリスのヒモだと思うんだけど、実際どうなるんでしょうね。(笑

:: 2011/9/10 土曜日::

■[ラノベ]京介モテモテっすね!「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」9巻

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9 (電撃文庫 ふ 8-14)
著者/訳者:伏見 つかさ
出版社:アスキーメディアワークス( 2011-09-10 )
文庫 ( 281 ページ )
作者サイト:LUNAR LIGHT BLOG
絵師サイト:tabgraphics_blog
絵師twitter:鼻 (kanzakihiro) on Twitter

9巻は京介以外の視点で語られる短編集とも言うべきものなんですが…
京介さんマジモテモテっすな! フラグびんびんっすね! ってなくらいで凄かったです。

まず黒猫妹の日向ちゃん視点で語られる「あたしの姉が電波で乙女で聖なる天使」では、
黒猫がどんなに痛くて、そして恋する乙女であるかが如実に判るのですが、
桐乃視点の「真夜中のガールズトーク」では更に真っ直ぐで捨て身の恋愛っぷりを披露。
黒猫ってばもうどんだけ京介に惚れてんだって感じで、
だからか、京介も超カッコイイ風に思われてるんですよね! 8巻ではヘタレだったのに!
というか一体黒猫父とどんな会話があったのか凄く気になるんだぜ…

気になると言えば8巻でスルーされた桐乃と黒猫妹ズとの初遭遇の話ですが、
やっと触れられてるわけなんですが、親友の妹相手に桐乃さん容赦ないっすな!
「エロゲーの世界にようこそあたし」とかどんだけー
まぁ、桐乃のキモさは今に始まったわけじゃないけど、
それでも妹としてのキモさは瀬菜ちゃんには及ばないですね!

というか瀬菜ちゃんホントブレないなー
赤城視点の「俺の妹はこんあに可愛い」と桐乃視点の「突撃 乙女ロード!」で語られる、
瀬菜ちゃんのキモさがマジぱねぇっす!
そしてそんな瀬菜ちゃんを腐女子だと知っても全力で肯定する赤城は凄い兄貴だと思います!

その赤城と京介のシスコン対決や瀬菜ちゃんと桐乃のブラコン対決とか、
何というかお前ら兄妹仲良すぎだろって思ってしまいますよね!
というかここら辺のエピソードは是非ともアニメ化して欲しいです!!!
何故かってもちろん、瀬菜ちゃんのおっぱいが揺れるのを見たいからに決まってるじゃないですか!
瀬菜ちゃんは年下の友人を相手にマジ切れしたりBLネタにしたりと容赦ない残念さですが、
その推定Eカップ以上の巨乳は作中随一だと認めざるはえないですからね!

それにしても「過ちのダークエンジェル」でのあやせと加奈子の二人見てると、
二人ともフラグ立ちまくりなんだけど、失恋する可能性大に見えるというか。
あれだね、京介への恋を自覚すると同時に失恋しちゃう気がするよ!
エッチなことして欲しいわけじゃないけどとか言ってるけど、割りと手遅れっすよあやせさん!
まぁ、取りあえず事後に定評のあるわたらいさんがどんな事後絵を描くのか凄く気になる。(ぉ

しっかし表紙そのまんまのエピソードがあるとは驚きだなぁ。
というか二人の逃避行の絵面を思い浮かべるだけで脳内が凄いことになりますよ。

余談ですが、桐乃が御鏡の痛車を見てクリエイターはキ●ガイが多いと言ってましたが、
工口漫画家の完顔阿骨打氏がZERO1<ヴィータ>痛車に乗ってるのを知った上での発言なのでしょうか。(ぉ
もしくはメルルのイベントだしこういうことなのかなぁ…
伏見つかささん、ぱねぇっす!

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