僕の心のヤバイやつ (10) 特装版 4月8日発売!
夏! 海! 青春!
:: 2016/2/24 水曜日::

■[ラノベ]ゼロの再会「ゼロの使い魔 21 六千年の真実」

ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実 (MF文庫J)
著者/訳者:ヤマグチノボル
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー( 2016-02-25 )

作者サイト:hexagon
作者twitter:ヤマグチノボル (hexagonzero) on Twitter
絵師サイト:DO-RAKU7 ~道楽っぽいブログ的な何か~:So-netブログ
絵師twitter:エイジ(@usatsukaeiji)さん | Twitter
Kindle版:ゼロの使い魔 21 六千年の真実
Kindle版まとめ買い:[まとめ買い] ゼロの使い魔

私には3つの特別なライトノベルがあります。
1つ目は私にライトノベルの何たるかを教えてくれた「スレイヤーズ」
2つ目は狂おしいほどの心の情動を教えてくれた「イリヤの空 UFOの夏」
そして3つ目がハーレムラブコメの素晴らしさを教えてくれた「ゼロの使い魔」です!

しかしながらこの3作品の中で「ゼロの使い魔」だけは未完でした。
何故なら作者のヤマグチノボルさんが2013年4月4日に永眠されたからです。
完結まで残り2冊だっただけにその訃報はファンとしては非常にショックでしたし、
3年近く経つ今でも喪失感が拭いきれません。

そんな中、遺されたプロットから続刊が出るという話じゃないですか。
その話を聞いた時は嬉しく思いましたけれど、
正直言って半分くらいは不安で仕方なかったんですよね。
何しろヤマグチノボルさんは不世出の天才と言っていいほどに文体が飛び抜けていたし、
バストレボリューションだとかレモンちゃんだとか、
頭がとち狂ってるような言語の地平を切り拓いてましたもの。

で、いざ覚悟を持って21巻を読んだわけですが…
凄く「ゼロの使い魔」じゃないですか!
驚くほどに「ゼロの使い魔」じゃないですか!!!
読み進めれば読み進めるほどに作者が誰なのかといった細かいことを考えずに、
ただひたすらに作品世界に没頭して読み耽ってましたよ。
あぁ…、確かにここにルイズがいるし才人がいるしシエスタがいるよ!
ギーシュにマリコルヌにデルフにテファにアンリエッタがいるんだよ!
彼ら彼女らは確かにここに生きているよ!

もうね、本当に面白かったんですよ。
「ゼロの使い魔」という作品の面白さを再認識させられたし、
ルイズの可愛さにくんかくんかしたり、
テファやシエスタといったハーレムラブコメ要員に萌え転がったし、
始祖ブリミルの過去には想いを馳せましたね。

これなら安心して完結巻である22巻を待てます。
存分に「ゼロの使い魔」という作品を味わい尽くせます。
ルイズと才人の二人がラストどうなるのか。
そしてハーレムラブコメがどういった結末を迎えるのか。
今から気になってたまりませんが、楽しみに待ちたいと思います。

:: 2016/2/23 火曜日::

■[ラノベ]鉄血にして熱血の姉弟「皿の上の聖騎士 1 ‐ A Tale of Armour ‐」

皿の上の聖騎士〈パラディン〉1 ‐ A Tale of Armour ‐ (NOVEL0)
著者/訳者:三浦勇雄
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー( 2016-02-15 )

作者サイト:OTV
絵師サイト:R/L -reclaimed land-
絵師twitter:屡 (kanari_lu)さんはTwitterを使っています
Kindle版:皿の上の聖騎士 1 ― A Tale of Armour ―

「上等。」シリーズやアニメ化もされた「聖剣の刀鍛冶」の作者である三浦勇雄さんが、
KADOKAWAがラノベより高めの年齢層をターゲットにしたNOVEL 0という新レーベルで復活!
ラノベよりも年齢層が高めなので挿し絵が皆無というのは寂しいですが、
表紙とカラーイラストは「上等。」シリーズや「聖剣の刀鍛冶」と同様に屡那さんですので、
既存のファンとしては安心感がありますね。

大陸最大の平野にして皿のような巨大な盆地に覇を唱える大国「レーヴァテイン」
かつて弱小国だった彼の国が覇道を突き進むことになったきっかけは、
一人の農奴が十二の霊獣に力を借りた鎧を着て聖騎士として活躍したことであった。
聖騎士が活躍した時代から百年後、その子孫に容姿端麗、頭脳明晰、功徳兼隆の女騎士が居た。
その名はアシュリー・フィッシュバーン。
この物語は彼女とその弟、アイザック・フィッシュバーンの物語である。

久しぶりなのと新レーベルなことで心配しましたが、いつも通りの三浦勇雄さんでした。
理不尽すぎるほどに過酷な運命と、それにボロボロになりながらも立ち向かう主人公と、
本当にいつも通りの三浦勇雄さんでしたよ。
多少文体が固くなっているように感じますが、年齢層高めを狙っていますから、
それは当然と言えるでしょう。

何度もどんでん返しされる霊獣と聖騎士の関係の真実に翻弄される姉弟と、
目的のためなら自分の身体がどうなっても突き進む愚直さとか、
この”熱血”の塊こそがもう本当に三浦勇雄さんらしいな! と思わされましたよ。

惜しむらくはラブコメ要素がほぼ皆無なことでしょうか。
まぁ、ラノベじゃないですしね…
一応姉弟の他にもイザドラという少女もいるけれど…
どうなんだろうなぁ…
いや、恋という要素は物語の根幹の一つではあるんですが…
これは… ラブコメとは言えないだろうなぁ…(笑

:: 2016/2/22 月曜日::

■[ラノベ]彼らの肖像「フルメタル・パニック! アナザー」SS

表紙が12巻と同じ構図なので見間違えやすいですが、
こちらが短編集のSSになります。
しかし何故こんな似たような表紙にしたんだろうか…
通常版と特装版の差異くらいしかないから、
勘違いして片方しか買わない人とか出るんじゃないかと心配してしまいます。

今回は短編集ということで時系列的には昔のエピソードも収録されているので、
旭がバリバリ元気な時の短編も収録されているので、
在りし日の姿を思い出してちょっとしんみりしちゃったりも。
まぁ、ノリはかなりふもっふなコメディなので、
しんみりする暇はあんまりなかったけどね!

短編集とはいえ、ヒロインはやはりリーナでしょう。
実は幽霊が怖いリーナが可愛かったし、
日本の混浴マナーを知ってドキドキするリーナもとても可愛かったです。
結論としてはリーナがとても可愛い。

それにしてもまだリーナと一線を超えてなかったのか…
達哉はAS戦闘に関しては天性の才能を持っているけれど、
恋愛に関しての才能は全然ダメダメですね!
まぁ、外野がうるさいだろうけどマイペースに頑張ってね!
ゆっくりしすぎると菊乃に食べられちゃうかもだけど!(笑

:: 2016/2/21 日曜日::

■[ラノベ]戦士の帰るべき場所「フルメタル・パニック! アナザー」12

ガルナスタンのシェルターでクルピンスキーの企み通り、
オルカンがラムダ・ドライバを蘇らせたことで窮地に陥る達哉たち。
正体不明の脅威の力場に圧倒されるが、
達哉は僅かな手掛かりからラムダ・ドライバを攻略していき…

見事な完結巻でした!
前作もラストは綺麗でしたけど、このアナザーも綺麗なラストでしたね。
バトルもフィナーレを飾るには少々泥臭いモノでしたけど、
それもまた達哉らしいかな、と思わせるものでしたし。
どれだけ戦士の才能があろうとも、
土建屋の息子はやっぱり土建屋だったという戦いでしたね。

それにしてもクルピンスキーはやはりアマルガムの関係者だったのかー
金属元素のコードネームを持っていたということからそこそこ有能だったんだなぁ。
そこそこ有能だったからこそ諦めきれずに妄執を抱き続けてたんだろうけど、
それに人生を狂わせられたオルカンたちが可哀想ですよ。

エピローグもしっかりとそれぞれのその後が描かれており、
達哉とリーナの二人の関係もこれからが期待できる感じだったので、
そういった意味では不満はないのですが…
唯一スッキリしないのがジオトロンが賠償金払ったかどうかわからない点なんですよね。
カエサルの暴挙はクルピンスキーの造反があったとはいえ、
結局はジオトロンの試作機の暴走なわけなので、過失はジオトロンにあると思うんですよね。
悪いことをやったらそれなりの制裁がくだされないとスッキリしないんだよなぁ。
まぁ、それが面白さのメインではないとはいえ…
うん、でも、やっぱりそこはスッキリしないかも。

:: 2016/2/20 土曜日::

■[ラノベ]UFO 日本政府 相模湾にて、斯く交渉せり「銀河連合日本」1巻

銀河連合日本 1 (星海社FICTIONS)
著者/訳者:松本 保羽 bob
出版社:講談社( 2016-02-16 )

Web連載版:小説家になろう
作者サイト:柗本保羽
作者twitter:柗本保羽(@YasuhaMatsumoto)さん | Twitter
絵師サイト:びよんびよん堂
絵師twitter:bob(@biyonbiyon)さん | Twitter

この作品を端的に説明するならSF版の「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」です。

ゲートと異なりArcadiaではなく小説家になろうからの書籍化なんですが、
小説家になろうにしては珍しく異世界ファンタジーでもないし転生モノでもありません。
主人公も37歳のおっさんですし、主要メンバーの平均年齢はアラフォーどころかアラフィフ。
下手すりゃ還暦前後の人たちばかりですからね。
かなり異色と言えるでしょう。

舞台は201X年の日本。
外宇宙から飛来した異星人の宇宙船は世界を騒がせながら、
何故か日本に対してのみ積極的な興味を持ち、
その巨体を相模湾上空で物言わず待機させていた。
そんな中、サバゲ好きの企画交渉人、柏木真人(37)が、
たまたま異星人の端末機とコミュニケーションを取ることが出来た経緯から、
異星人との国交樹立のために政府から交渉を委託されて…

1巻は物語全体からするとまだまだ序盤です。
ヒロインであるフェルさんもまだ顔見せしたばかりですし、
異星人との交流もまだ始まったばかりです。
それでもこの作品の面白さのエッセンスは詰まっているんですよね。

主人公が政府の交渉人ということからわかるように、
政治だとか交渉だとか国際情勢だとかそういったモノがメインです。
誰とでも積極的に交流を持とうとする突撃バカな柏木が、
異星人相手でも臆せずに交渉しようと臨むところが爽快感がありますし、
異星人とコミュニケーションができない原因を推察し、
その解決方法を提示した上で実現し、実際に通信できた時は興奮しましたね!

それと星海社FICTIONSから出るのも納得の一方に偏った内容もありますが、
これでもWEB版よりも若干毒が弱まっているように思えます。(笑
白木外交官のヤンキーへの容赦ない罵倒とかまだマシな方ですからね。
アレです、「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」や「大日本サムライガール」といった、
そういった方向の作品が大丈夫な人にのみオススメしたい作品です、ハイ。

:: 2016/2/19 金曜日::

■[ラノベ]マーズ・ホライズン「火星の人」

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
著者/訳者:アンディ・ウィアー
出版社:早川書房( 2014-08-22 )

「オデッセイ」が劇場公開される前に小説家になろうっぽい内容というので買って読んだんですよね。
「宇宙兄弟」とかも好きだし近未来SFとかも好きなんで。
で、読んだ感想としては「宇宙兄弟」や「小説家になろう」よりも「鉄腕DASH」が近いよね、
というわりとありきたりな感想でした。(笑

NASAが有人火星調査ができるくらいの近未来。
火星調査中のアレス3クルーが火星の嵐に巻き込まれて調査を断念し、
帰還しようとする途中、折れたアンテナがマーク・ワトニーに刺さり吹き飛ばされ遭難。
ギリギリまで捜索をした船長だったが断腸の思いで諦めて火星から脱出したんだけれど、
実はワトニーは生きており、ひとりぼっちで火星で生きていくことになり…

悲壮感があるのは最初の数ページだけであとは基本的にコメディなんですよね。
もうね、ワトニーが超ポジティブな上にユーモアたっぷり。

まず、一人きりの状況なのにこれですよ。

さてと、ひと晩ぐっすり眠ったら、状況はきのうほど絶望的ではないような気がしてきた。

いやいや、絶望的だろと!
普通はこんな絶望的な状況に投げ出されたら自殺しても不思議はないだろと!
お前どんだけポジティブなんだよ!(笑

また、ジャガイモ栽培に必要量の水が欲しいと思っている時に、
高校時代にハマったD&Dの神官魔法の”水をつくる”を思い出してるユーモア。
アメリカ人が原作を書いたとは思えないほどに日本人にも馴染みやすいんですよね。

しかもワトニーはポジティブでユーモア溢れるだけではなく、
かなりの冒険野郎なんですよ!
水を作り出すのに水素が足りないという結論に達したら、
ロケット燃料のヒドラジンから水素を取り出すんですからね!
ヒドラジンは分子式N2H4とアンモニアのNH3と似ていますが、
アンモニアなんかよりもかなり毒性が強いですからね。
他に手段がないとはいえ、普通は絶対にこんなことしませんよ!(笑

それと映画では結構カットされていましたが、
原作ではもっと試行錯誤してるんですよね、ワトニーって。
ハブが壊れた時にヘルメットは完全に壊れてエアロックにも穴があいてたり、
MAVに行く為の工作中にパスファインダーが壊れてNASAと交信出来なくなったり、
交信が出来ないから3200kmの旅の途上で嵐に遭遇してからくも回避したり、
それら全ての問題を仮説、検証、実験、考察と科学的な手順を踏んでクリアしていくんですよ。
原作にはそういった面白さが詰まっているのでエンジニア畑の人には是非読んで欲しいですね。

ただ、ラストの演出は映画の方が盛り上がったなぁ。
アイアンマンやってるのもそうだけど、
その後のエピローグもしっかり描いているのが良かったです。
そういった意味でも映画は観て損はないと思いますよ。

最後に余談なんですけど、
ノートPCのLCDが火星の地表に持っていったら使えなくなったというユーザーレビューは、
メーカーの人間としては勘弁して欲しいです。(笑

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