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遂にシリーズ完結!

:: 2014/11/28 金曜日::

■[漫画]桐山零、男の前進「3月のライオン」10巻 [BUMP OF CHICKEN]CD付特装版

面白すぎて感動する。

私は幼少の頃にドラえもんを読んで以来、30年近く漫画を読んできましたが、
子供の頃に比べて漫画を読んでいて「面白すぎて感動する」体験は減ってきました。
それは単に経験値が溜まって新鮮な驚きが少なくなってきただけなんですが、
「3月のライオン」はそんな経験をあっさりと打ち砕いて感動させてくれます。

この10巻はひなちゃんが進学して幸せそうな高校生活を送り、
零も自分の気持ちに一区切りがついてさっぱりとし、
プロ生活の厳しさはあれど穏やかな日常を送っていけると思った矢先に、
まさかのひなちゃんたちの父親の登場に驚かされましたが
それ以上に零が打った手段に驚かされて笑わされて感動しました。(笑

あかりさんやひなちゃんと似た優しい顔をしながら、
発言から滲み出るクズな品格が不快でたまらない父親に対して、
他人だろうと構わず真っ向から向かう零ちゃんが頼り甲斐がありすぎて格好いい…!
その頼り甲斐も傷付きながら出来ることをいっこいっここなして成長してきたからだし、
友人と恩師の力を借りて父親と対峙する所も人間的な成長を感じさせられました。
でも、それ以上にアレですよアレ!
もうね、何というか色々と吹っ飛びましたよ! 説得って!(笑
本当に面白すぎて感動した!

これはもう、何も知らない状態で読んで貰って感動して欲しい。
微塵たりともネタバレはしたくない。
この面白さをネタバレすることによって感動を損なうだなんて、
漫画好きにとってこれ以上の冒涜はない。

もちろん、川本家の家族の事情以外にも見所はあります。
零が育った幸田家に訪れ、幸田さんの奥さんと静かに対面するシーン。
そこで奥さんが回想した零と同い年の歩くんの台詞。

marchlion10_01

7巻で零と二海堂は無駄になるかもしれない努力を躊躇いなく出来る人だと思いましたが、
恐らく幸田プロも同種の人間でしょう。
そういった境地に居る人間にとって、歩くんの台詞は鼻で笑わざるをえないのでしょう。
そもそもこの歩くんの言葉だって借り物の薄っぺらいものだと感じてしまったでしょうし。
努力とはやって当たり前のことであり、
それを苦痛だと感じてしまった時点で詰んでいるのかもしれない。

また、ベテランの入江プロの視点で描かれる零との対局はこれまた考えさせられるものでした。
かつて宗谷名人に負けた時を思い出して「次元が違う」と思ったけど、
「痛くも無かったなんて思えなかった」所に人間性を感じました。
才能の多寡はあれど、入江プロも将棋に人生を賭けた一人の棋士なんだな、と。
才能の有無で諦められるほどに将棋が軽くないんだなぁ、と。

本当にどの話も面白く素晴らしかったです。
また、今回の特装版はBUMP OF CHICKENのCDが付属しているんですけど、
これもまた良い曲でした。

「3月のライオン」のために作曲されたというのも判る歌詞で、
零のことを歌っているんだなぁ、と。
発売前は異色のコラボすぎて少々戸惑っていましたが、
曲を聴いたら疑問が解消されました。
漫画も曲も本当に感動できて素晴らしかったです。

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