その着せ替え人形は恋をする 15巻(完結)は7月25日発売!
終わるのは寂しいけれど、五条くんと海夢ちゃんのグランドフィナーレを見届けよう!
:: 2016/7/23 土曜日::

■[漫画]貴方がいる世界「4D」4巻

4D(4)< 完> (モーニング KC)
著者/訳者:汐里
出版社:講談社( 2016-07-22 )

作者サイト:●汐里● 漫画家活動はじめました。
Kindle版:4D (1)
Kindle版:4D (2)
Kindle版:4D (3)
Kindle版:4D (4)

ヒルベルト社に囚われてしまった御崎を助ける為、
四次元へ到る術を持つ密教の僧、求道に助力を求める宮田。
そしてそんな民間同士の問題どころか世界規模にまで災害が広がり、
ディメンションクライシスによって人類は存亡の危機に立たされて…

この4巻で完結になってしまいましたが、
四次元をテーマにしているだけに4巻完結っていうのはキリが良いとも言えるかな。
既知の超能力を四次元という未知の軸を用いることで説明し、
新たな知見をもたらしてくれて面白かったです。

正直最後の展開は割りと駆け足気味だったのが残念でしたが、
最後は綺麗に終わったのは良かったですね。
それにしても事象の地平線をガブリエルのラッパに例えるのは上手かったですね。
割りと難しいテーマでしたが、それ故の面白さがあったと思います。

惜しむらくはラブコメ展開が少なかったことですが、
まぁ、そういった作品ではないですしね…
御崎は良いラブコメ力を持っていただけに惜しく感じてしまうというのもありましたが…
とはいえ奈美と公平の二人がくっついてるのには驚きました。
この二人が有りなら御崎と宮田の年の差とか全然アリですよね!
と、ちょっと安心しました。(笑

:: 2016/4/23 土曜日::

■[漫画]好奇心は猫を殺すか?「4D」3巻

4D(3) (モーニング KC)
著者/訳者:汐里
出版社:講談社( 2016-04-22 )

作者サイト:●汐里● 漫画家活動はじめました。
Kindle版:4D (1)
Kindle版:4D (2)
Kindle版:4D (3)

四次元に適応してきた人間…
つまりは”四次元人”としての能力が発現し始めた頃、
世界もまた四次元からの侵食に曝されていた…
そんな中、数学教師の宮田と教え子にして能力者の御崎は、
御崎の友人の奈美が四次元に迷い込んだと思われる、
パワースポットを訪れて…

1巻の頃からそうだけど、宮田の好奇心のせいで窮地に陥りまくりですね。
今回はパワースポットで第四の方向に進んでしまうというのに、
宮田がその先に進もうとしてしまいビルが空中に出現してくるという、
ありえない事態に見舞われてしまうわけですが…

4d03_01

その反動がほぼ御崎に行くというのがかなり悲惨ですよね。
今回の反動はかなり見ため的にもショッキングなことになっているので、
宮田には是非とも今回もどうにかして欲しいと思ってたんですが、
まさかここに来て1巻に登場した密教僧の愚道に協力を請うとか、
宮田はコネも凄いけど度胸もあるよなぁ。
相変わらず宮田の洞察力と考察力は凄かったけれど、
宮田の本質は好奇心に突き動かされる行動力なのかもしれない。

連載誌であるモーニングではつい先日完結を迎えたので、
次の4巻で完結になりますね。
結構好きな作品なだけに完結は残念ですが、
4巻を楽しみに待ちたいと思います。

:: 2016/2/29 月曜日::

■[漫画]恋する論文「決してマネしないでください。」3巻

kesshite03_01

それって何の役に立つんですか?
何の役にも立ちません!!

言い切った!!

物理とか数学とか化学とか基礎的な研究をやっている人がよく聞かれる、
「それって何の役に立つんですか?」という質問に真っ正面から答えおったー!
掛田氏、カッケーっすよ!
私はこの手の質問を就職した時の面接時によく聞かれて、
その度に返答に窮していたからなぁ…

でもね、作中にあるように役に立たないと思ったことが、
不意に役に立つどころか世界を変えることだってあるんですよ。
電波通信なんて正にその最たる例ですからね!
とはいえロボコンのような見た目的にも面白い研究を見てると、
ちょっと羨ましくなるのも事実なんですが。(笑

基礎研究でも加速器は素人目にも派手で良いですよね。
その加速器の説明も掛田氏の説明が豪快だった。(笑

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Q.小さすぎて直接弄れない原子核をさらに細かくするには
A.ぶん投げて壊す

確かにその通りなんだけど、言われてみると確かに雑だ!
でもこの壮大にして豪快な発想があってこそ研究は進んできたんですよね。
ロボコンで人参にトランプが刺さらないことに悩んでたAチームに、
アリスが「(人参を)茹でれば?」と助言したように、
一見乱暴に見える発想が次のステージに進ませることができるのです!

とはいえそれも地道な研究の積み重ねがあってこそなので、
飯島さんとの仲を深めるのにまず恋をしていることをデータ取りして明らかにし、
そこから二人の仲を深めるために行動を共にして、
ついには飯島さんが成長することでハッピーエンドを成し遂げた掛田氏は、
研究者の鑑だと思う次第であります。

全3巻という短いながらも、理系人間にとっては面白さが詰まった作品です。
描き下ろしも多数あるので雑誌で読んでいた人にもオススメな単行本ですので、
みんな是非とも買って読んでほしいですね!

:: 2016/1/26 火曜日::

■[漫画]第四の方向「4D」1巻

4D(1) (モーニング KC)
著者/訳者:汐里
出版社:講談社( 2015-12-22 )

試し読み:4D/原作 橘尚毅 漫画 汐里 stage 1
作者サイト:●汐里● 漫画家活動はじめました。
Kindle版:4D (1)

四次元。
それは縦、横、高さ、そしてそれ以外の軸で成り立つ空間。
ドラえもんのお陰で日本人なら誰でも概念は知っているけれど詳しいことは全然知らない。
そんな四次元をテーマにした作品です。

ちょうどアニメで「ディメンションW」という作品をやっていますが、
それとは違ってもうちょっと現実寄りというか理論寄りです。
フィールズ賞に近いと言われながら私立高校の教師になった宮田秀行26歳。
退屈に苛まされる日常の中で彼が学校で出会ったのは、
縦横高さの先にある4本目の軸が見えるという御崎沙也という女子高生で…

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私はSF作品とか超能力作品とか好きなんですよね、MMR世代なので!
この漫画は四次元空間を認識できる人間=超能力者として推定して、
その謎に迫るという内容なんですが、
初っ端から命の危機に陥ったりとかなりハラハラさせる展開で、
読んでてグイグイと物語の世界に引きこまれていきます。

四次元空間を認識できるけど知識がないため漠然としか使えない御崎と、
四次元空間を認識できないけど知識があるため使い方を指南できる宮田。
この教師と女子高生の二人のタッグが上手いこと組み合わさっているんですよね。
好奇心が強すぎるために御崎と一緒に危機に陥りながら、
その知識と発想力で御崎を啓発して事態をより一層悪くしたと思ったら、
一気に解決したりと二人の今後が気になっていくんですよね。

1巻はまだまだ序盤なので、できれば1,2巻同時に続けて読んで欲しい作品です。

■[漫画]二人のベクトル「4D」2巻

4D(2) (モーニング KC)
著者/訳者:汐里
出版社:講談社( 2016-01-22 )
作者サイト:●汐里● 漫画家活動はじめました。
Kindle版:4D (2)

この漫画の魅力を端的に述べるなら”納得力”でしょう。

例えばガンダム世界でなぜ遠隔操作型ロボットが活躍しないかというと、
ミノフスキー粒子という存在があるから、という理由付けがあるように、
何かしらの理屈を用意して読者を納得させる力というのは重要だと思うんですよね。
そういう意味ではこの漫画は納得力が高いと思います。

その納得力の源泉は数学者である宮田の説明で、
透視や瞬間移動だけでなく、異質な念動力の性質に迫るだけでなく、
身体に歪みが発生した理屈を考え付き、分かりやすく説明するのが興味深いんですよね。
私が一番納得したのは超能力者が急激に老化した理由ですね。

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四次元空間で身体が左右反転したことによって、
分子レベルで左右反転し、その結果アミノ酸が光学異性体になったとか、
数学だけでなく化学も嗜んでいないと発想できないんですよ。
化学かじってた私でもそこまで思い至らなかっただけに凄いと思わされました。

それとラブコメスキーのアンテナがビンビンと反応したのが、
御崎が宮田に対して心を開いてきたところですね!

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1巻の頃はツンツンしていたのに2巻にしてこのデレデレさ。
まあ、今までずっと訳の分からない力に翻弄されて、
精神的にひとりぼっちだっただけに、
傍に居て見守って、更には自分には未知の力を解明してくれる。
うん、これは確かに惚れても仕方ないかもしれない。

ただ、四次元の世界は世界中で認知されつつあり、
宗教、科学、大企業、国家と様々な思惑が錯綜しつつありますからね。
二人の関係がどこまで続くか、どのような関係に至るのか。
そういった意味でも続きが気になります。

:: 2016/1/24 日曜日::

■[漫画]偉大なる母の言葉「HaHa」

HaHa (モーニング KC)
著者/訳者:押切 蓮介
出版社:講談社( 2016-01-22 )

作者サイト:カイキドロップ
作者twitter:押切蓮介(@rereibara)さん | Twitter
試し読み:HaHa/押切蓮介 第1話

父は厳格な性格の警察署長。
母は割烹旅館の女将。
しかしその二人の娘はスケバンで…
関門海峡を望む下関で生まれ育った少女の名はのぶえ。
押切蓮介こと神崎良太の母となる女性である。

「ピコピコ少年」シリーズ等で自伝的なエピソードを漫画にしてきた押切蓮介さんですが、
今回は実母の青春を漫画にしてきましたよ!
しかもそのお母さんが前述のとおりにエキセントリックな方で、
第一話からかっ飛ばしてます。

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気に入らなければヤクザとも喧嘩してしまい、
昼間から家の旅館からビールを盗んで飲みまくる。
フリーダムにもほどがある生き方だなぁ。

でも読んでいくと気付くんですが、
母・のぶえは決して自由なわけではなかったんですね。
厳格というよりも頑迷な父への反発と、
自立、望郷、出戻り、そして偉大な母の死去と、
「母」ではなく一人の人間としての苦悩を重ねた人生がそこにはありました。

それにしても親子揃って不運に見舞われてるんですね…
交通事故に遭われるのもかなり不幸な部類だと思いますが、
女将である母が倒れてからの旅館の親族乗っ取りが辛すぎる。
でも、こんな苦難を乗り越えてきたからこそ、
押切蓮介さんが例の事件で糞袋になった時も支えることができたのでしょう。

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息子の窮地には駆けつけて発破をかけてくれる母。
そんな母親の半生を漫画にして残すのは良い親孝行だと思いますよ。
例の事件も昨年無事解決したことだし、
今年は親孝行しつつ「ハイスコアガール」の続きを頑張っていただきたいです。

それとあとがきがお母さまの直筆でしたが、結構な達筆でしたね。
高校時代はスケバンだったということですが、
幼い頃にきちんとした教育をされたのだなぁ、と思いました。

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