■[漫画]色々な視点での群像劇「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の図書館を救いたい!」」10巻
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部「貴族院の図書館を救いたい!」10巻
出版社:TOブックス
原作者名:香月美夜
原作者twitter:香月美夜さん(@miyakazuki01) / Twitter
作者名:勝木光
連載サイト:本好きの下剋上【第四部】
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貴族院で多数のやらかしをしてしまったローゼマインは、
これ以上やらかさないようにエーレンフェストに戻されてしまう…
それでも実家の次に安心感がある神殿に戻れてホッと一息つけたのも束の間、
今度は領地での印刷業の普及のために、平民時代の絆を絶つことになって…
それと勝木光さんは短編集や外伝、それに本編のプロローグを巧みに組み込むことで、
単なるローゼマイン視点の物語ではなく、
群像劇のように見せてくれるのが素晴らしいと思うのですよ。
特にこの10巻はその毛色が強く出ているんですよね。
原作第四部2巻エピローグのベンノ視点と、
原作第四部3巻プロローグのギル視点と、
原作貴族院外伝アンゲリカ視点と、
原作第四部2巻書き下ろしのレオノーレ視点と、
原作貴族院外伝ユーディット視点が描かれているんですよ。
なので、実質ローゼマイン視点は一話分だけなんですけど、
その面白さは薄まるどころか、より面白くなっていると思うのです。
冒頭のベンノ視点を読むとよくわかるんですが、
ベンノさんって本当に良い大人ですよね…
揺れて折れそうになるルッツを導くことで、
不安定になりそうなマインの心まで守ってあげるとか、
本当に二人の良い保護者していると思います。
他の視点だと、特にアンゲリカ視点の話は良かったですね~
原作でも好きだったけど、勝木光さんの翻案がとにかく素晴らしい!
ニコラを見送った時は原作通り呆然としていたけれど、
その後にこのような自然な笑顔を浮かべる描写は原作にはありませんでした。
でも「アンゲリカなら笑顔を浮かべて当然だよね」と感じるんですよね。
本当に勝木光さんの原作への理解度が高いと思わされます。
そして、アンゲリカが本当に美少女だな、と感じますw
そして本編であるローゼマイン視点の話も良いんですよね…
奉納式でのコミカルな失敗は可愛くて面白いんだけど、
エルヴィーラに諭され、平民時代を思い出しているシーンが切ないんですよ…
今は失ってしまった、平民時代の思い出が、
少し色褪せてしまいそうな感じが出ていて切ないんですよ…
ローゼマインとして本が身近になったのは喜ばしいけれど、
愛する家族や大切な友達と縁遠くなってしまったのは、ただただ寂しい…
そういったマインとしての気持ちが伝わってきて、胸がキュッとしてしまいました。
書き下ろしのSSはフリーダ視点だったんですが…
フリーダにとってマインが特別な、たった一人のお友達だったことを失念していました。
そうだよね、マインとお友達になってあれだけ嬉しそうにしてたんだもんね…
他の富豪の子と違って身食いで将来貴族街に行くから友達はできにくいから、
マインだけが同じ身食いで、別ベクトルだけど同じ情熱を持っていたんだものね。
そりゃ、特別なお友達ですよ…
そんなマインとの絆が切れてしまった現実を、ついに突きつけられて、
この幼さで割り切らないといけないというのが、ツラいものでした…
しかし、同じ年代のルッツやフリーダが割り切って乗り越えていて偉いですよ。
ヴィルフリートも少しは見習って欲しいものです…w
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